半導体製造装置材料の業界団体であるSemiconductor Equipment and Materials International(SEMI)は、2019年9月30日(米国時間)、半導体向けシリコン(Si)ウェハ出荷面積の年次予測を発表した。

これによると2019年の出荷面積は、過去最高記録となった2018年比で6%減となる見込みだが、2020年には再び成長に転じ、2022年には過去最高となる127億8500万平方インチを記録するという予測となっている。SEMIの市場調査統計担当ディレクタであるClark Tseng氏は「2019年の出荷面積は、積み増された在庫と需要の低迷に対処するため減少するだろう。しかし2020年に業界は安定し、2021年、2022年と成長のペースを取り戻すと予測される」と述べている。

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    SEMIによる2019年半導体用Siウェハの出荷面積予測 (出所:SEMI、2019年9月)

多くの半導体市場動向調査会社が、2019年の半導体市場を前年比13~15%減と予測しているのに比べると、Siウェハの出荷面積の減少は小さい。一般に、半導体市場そのものに比べて、Siウェハの出荷面積の浮き沈みは小さく、2019年も前年比6%減とはいえ、メモリバブルが初まった2017年よりも多く出荷される見通しで、2018年が異常に高かっただけ、ともいえるだろう。

Siウェハ業界は、トップの信越半導体と2位のSUMCOでシェアの過半を占め、日本勢が高い存在感を示す分野である。3位はシェア10%台の韓SK Siltron(旧LG Siltron)、独Siltronic、台Global Wafers(コバレントマテリアルを買収し、ウェハ工場を入手)が競い合っている。

SK Siltronは、最近SiCウェハ製造事業を米Dopontから買収し非シリコンに注力する姿勢を見せたほか、韓国の半導体メーカーだけではなくIntel、Micron、TSMC、キオクシア(旧 東芝メモリ)など韓国外の半導体企業へのSiウェハの拡販にも力を入れている。また、日本のフェローテックは、Global Wafersと技術・販売両面で提携し、中国でレガシー半導体向けに200mmウェハの製造に力を入れるなど、ウェハを取り巻く動きが活発化してきている。