オンキヨーは8月21日、米Klipschと日本国内におけるKlipschブランド製品の販売代理権を得ることに基本合意し、10月より販売を開始すると発表した。具体的な商品シリーズについては調整中だが、イヤフォンの新製品を皮切りに、順次モデルラインナップを拡充するという。

  • 「ポタフェス2019夏」で参考出品されていた、Klipsch初の完全ワイヤレスイヤフォン

Klipschは米インディアナ州インディアナポリスを本拠とするオーディオメーカー。全世界でオーディオビジネスを展開しているが、従来の日本展開は、商品ラインナップの展開や事業規模が他地域に比べて限られていたという。オンキヨーでは、「人気のあるKlipschブランドの商品を、国内販売チャネルを活用して事業展開をすること、ヘッドフォンに限らず同社が持つ各種オーディオ機器を幅広く国内展開することで、効率的な販売が可能となることから両社の意向が一致した」としている。

  • 参考出品されていたKlipschの完全ワイヤレスイヤフォンをケースに収めたところ

Philipsブランドオーディオ商品の販売代理店権も取得

オンキヨーはまた、中国・香港 TPV Technology Limited(TPV)と日本国内におけるPhilipsブランドのオーディオ商品の販売代理店権を得ることに基本合意したことも発表。10月よりイヤフォンを販売を開始し、それ以外のモデルについても順次拡大するという。

TPVは香港に拠点をもつモニター及びテレビメーカー。世界的に有名なテレビブランドやPCブランドのオリジナルデザインメーカーとして機能しているだけでなく、独自ブランドのAOCや、Envision製品なども販売している。TPVの関連会社MMD Hong Kongは、Philips Audio製品のライセンシー。

  • Philipsブランドのオーディオ商品の販売代理店権も取得。写真は同ブランドのイヤフォン

オンキヨー、ヘッドホン事業の進展を報告。資金調達で「早急な経営基盤の安定化を図る」

オンキヨーは5月、自社のホームAV事業を、DENONやMarantzを傘下に持つ米Sound Unitedに売却することを発表。譲渡後の柱として、ヘッドフォンやデジタルオーディオプレーヤー(DAP)などのオーディオ商品をはじめとする、デジタルライフ事業(DL事業)の強化を進めているという。

アパレルなどオーディオ以外の業界とのコラボレーションによる商品化や、アニメ・ゲームなどのコンテンツとのコラボレーションによる商品化、eスポーツなど新たな市場に向けた新ブランド展開、さらに海外ブランド商品の国内販売など、顧客の幅広いリクエストに応えてラインナップの拡充を図り、2019年度のヘッドフォン事業において、前年比約2倍の出荷台数の達成を見込む。

  • ※グラフ内の台数はオンキヨーブランドとオンキヨー取扱ブランド製品を含む。B2B(OEM)事業の台数は、オンキヨー取扱ブランドが付与されていないものは含まない

なお、オンキヨーは8月21日開催の取締役会において、SBI証券を割当先とする第三者割当により、約25億円の資金調達を行うことを決議した。「(ホームAV事業の)譲渡において必要な競争法上の審査手続きは完了したが、当初の想定以上に長期化した」として、「今現在においても譲渡完了日の確定には至っていない」という。2019年11月30日までに早期の譲渡完了を目指すと共に、「DL事業とOEM事業に注力し、早急な経営基盤の安定化を図る」ために、今回の資金調達が必要と判断した、としている。