2012年にPlayStation 3用ゲームとしてPlayStation Storeで発売され、欧米の主要ゲーム賞を総なめにした「Journey (風ノ旅ビト)」のiOS版の販売がApp Storeで始まった。共に旅をする人とのマッチングにも対応している。価格は600円。動作要件はiOS 12.2以降、iPhone、iPad、およびiPod touchをサポートする。

風ノ旅ビトはthatgamecompanyが開発したアドベンチャーゲームだ。プレイヤーはクロークを纏う旅ビトになって、どこまでも広がる砂と雪の世界を舞台にゲームを進めていく。英語ベースのゲームだが、言葉や文字による説明やコミュニケーションを廃し、幻想的なビジュアルとサウンド、動きで全てが表現される。そのためプレイし始めた時にゲームの目的が分からず戸惑うこともあるが、美しい絵本のような世界を旅するうちに、物語に引き込まれていく。

ゲームの提供方法としてダウンロード配信がまだ主流ではなかった頃にPlayStation Storeのみで提供するインディゲームだったが、独特のゲーム世界が主要ゲーム誌で高く評価され、PlayStation 3のベストインディゲームになっただけではなく、2013年のGame Developers Choice Awardsでゲームオブザイヤーを含む6賞を獲得。他にもAnnie AwardやBritish Academy of Film and Television Artsなどで数々のアワードを受賞した。また、サウンドトラックが2013年のグラミー賞で、ビデオゲームとして初めてBest Score Soundtrack for Visual Mediaにノミネートされた。

  • 風ノ旅ビト

    より多くの人にプレイしてもらえるように、Windows版に続いてiOS版をリリース

thatgamecompanyはSony Computer Entertainmentと3タイトルの開発契約を交わし、風ノ旅ビトはflOwとFlowerに続く3つめのゲームとして作られ、2015年7月にPlayStation 4に移植された。PlayStation向けタイトルだったが、Annapurna Interactiveがパートナーになって今年6月にWindows版がリリースされ、そして今回のiOS版の突然のリリースが実現した。

風ノ旅ビトでは他のプレイヤーを相棒にでき、2人で進めてきた物語のエンディングが風ノ旅ビトが高く評価されるポイントの1つになっている。iOS版でもGame Centerを用いたオンラインマッチングをサポートしている。