ファームアップでの改良に期待!

というワケで、もしこのレンズで動体を撮るつもりなら、α7R IIIとテレコンの組み合わせは実質「不可」であると認識しておくべきだろう。α7 IIIも、2×テレコンは実質NGだ。ただし、α7 IIIの場合は、ズームを引けば(画角を拡げれば)実効絞り値F9を境に位相差AFが目覚めるのでまだ救いようがある。ファインダーを覗きながらのズーム操作で、位相差AFが死んだり生き返ったりするのが分かるってのは、けっこう新鮮で楽しかったですヨ(←悪趣味)。

ちなみに、α9はもともとF11にこの境界線を持っていた。しかし、ファームウエアVer5.0以降は「F16以下」に縛りが緩和されている。さすがはα9。差別化があからさま……ではなく、つまり、この縛りってファームアップで何とかなり得る要素ってこと。α7R IIIとα7 IIIにも同様の“進化”を期待したいですな。

そんなこんなで、テレコンを使うなら動体を撮らなきゃいいというハナシに落ち着きそうだけど、レンズのキャラからするとそうはいっていられない気がするし、そもそも私の中では「フルサイズミラーレスαは、動体を撮るためのフルサイズミラーレス機」という位置づけなので、個人的には看過できないものを感じたりはしている。なにせ、200-600mmの扱いやすさには心底ホレているからね。このままだと、テレコンとは縁がないというコトになってしまいそうだけど、どうすべぇかなぁ……。

  • カメラの高い機能があって初めて活きるレンズだと思う。その意味においては、組み合わせるボディの選択が本レンズの満足度を左右することも十分に考えられる。レンズ単体に関しては、予算と大きさ&重さのみの吟味で“買い”の判断を下したとしても後悔はしないはず。コスパは高い(600mm、ISO4000、1/8000秒、F6.3)

  • デカくて重いし、外観はちょっと質素な感じでフードのロック機構もない(その必要性は意見が割れるところですが)のだけど、写りは超のつく一級品。そして「600mmの画角」はやはり頼もしい(600mm、ISO2000、1/1000秒、F6.3)

  • 湧き出る怪しさを身にまとい、ネコにどうしても逃げられてしまうアナタも、600mmならばニャンコに逃げられることなくコッソリ撮れちゃう、かも? 私は幸い動物には逃げられないほうだ(と自分では思っている)けど、ここでは猫さんの邪魔をしないために600mmで物陰からパチリ。しっかり気づかれていましたケドね……(600mm、ISO500、1/1000秒、F6.3、-0.7補正)

  • 何でもない日常の中で何でもないモノを思うままに切り撮る……これがけっこう気持ち良い。やっぱり人間、ワガママなのが一番なのでしょう。他人がワガママなのは許しがたいのですが(600mm、ISO5000、1/1000秒、F6.3、-0.7補正)

  • 明るい曇り空バックでも、ご覧の通りしっかりコントラストを確保している仕上がりが得られた。ともあれこのレンズ、描写に不満を抱くことは皆無だ。ちなみにα7 IIIって、最新のファームでEVFの視認性が少し向上したような気がしているのだけど、気のせい?(600mm、ISO320、1/1000秒、F6.3)

  • 最短撮影距離は2.4m。同0.98mの100-400mmが思いのほか“寄れる”ことを身をもって知っていると、200-600mmでももうちょっと寄りたいなぁ……なんてことを思ったりもする。贅沢ですかね?(600mm、ISO1000、1/1000秒、F6.3、-2補正)

と、ここで立ち止まっていても仕方ないので、とりあえずは前進あるのみ。まずは、そうだな、所有する100-400mmとのテレ端の画角差を、そしてテレコンが扱いにくいところを禁断のトリミング行為で埋めるべく、α7R IVの導入を検討することにしますかぁーー??(そっちに逃げるんかーいっ!?)。

  • テレコン装着時に発生する制約を残念に感じつつも、200-600mmレンズの性能を高く評価している落合カメラマン。ファームウエアの更新による改良に期待を抱きつつ、ココロは早くも8月末発売のα7R IVに動きつつある様子!?