日立グローバルライフソリューションズは7月10日、同社の調理家電を使ったプレス向けのセミナーを開催しました。会場では、6月22日発売の過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」(以下、MRO-W10X)と、7月6日発売のプレミアム炊飯器「圧力&スチーム ふっくら御膳 RZ-W100CM」(以下、RZ-W100CM)を体験できました。両製品とも日立のフラッグシップモデルで、オーブンレンジはこの新モデルから、Wi-Fi対応となります。

  • 過熱水蒸気オーブンレンジ「ヘルシーシェフ MRO-W10X」(写真右)とプレミアム炊飯器「圧力&スチーム ふっくら御膳 RZ-W100CM」(写真左)

スマホ連携で「献立決め」からサポート

MRO-W10Xは、総庫内容量が30Lの過熱水蒸気オーブンレンジ。電子レンジとコンベクションオーブン加熱のほか、給水タンク式の過熱水蒸気調理やスチーム加熱、グリル加熱機能を搭載したフラッグシップモデルです。

新製品でまず気がつくのは、デザインの進化。2018年度の日立オーブンレンジ最上位機種「MRO-VW1」は、箱形の本体に料理メニュー名がズラズラとプリントされた扉に、存在を主張するバー型のハンドルを備え、「いかにもオーブンレンジ」というデザインでした。一方、MRO-W10Xは丸みを帯びた箱形形状の本体に、扉と一体化した目立たないハンドルを採用しています。扉には「解凍」「手動」など、最低限のボタン説明のみをプリントし、レトロ感のあるシンプルなデザインになりました。

  • MRO-W10Xを正面から見たところ。シンプルでレトロ感のあるデザイン

  • MRO-W10X(写真上)と、2018年モデルのMRO-VW1(写真下)の操作ボタンまわりを比較。MRO-W10Xがいかにシンプルなデザインになったかわかります。ダイヤルボタン周りにはLEDが搭載され、光る色で「加熱中」や「データ受信中」などが目でわかるようになりました

  • 扉を開くためのハンドルは、本体扉と一体化したデザインになりました。前面からみると目立たず、上からみても美しい形

日立のオーブンレンジとして初めて無線LANに対応した点にも注目です。専用アプリ「ヘルシーシェフアプリ」をインストールしたスマートフォンとの連携が可能になりました。

アプリでは、焼く・蒸すなどの「調理方法」や「食材」、「料理ジャンル」などから、料理レシピの検索が行えます。レシピを選択すると、材料や作り方をスマートフォンに表示するほか、レシピに記載されているレンジの出力レベルやオーブン温度、加熱時間なども本体に送信可能。外出先からスマートフォンで料理検索できるので、たとえば会社からの帰宅時に献立を決めておけば、家に帰って「今日はなにを作ろうか」と迷わずに済みそうです。よく調理するレシピは「お気に入り」に登録しておけます。

  • ヘルシーシェフアプリのホーム画面。食材やキーワードなどからレシピ検索ができます

  • 人気レシピサイト「クックパッド」で殿堂入りした30レシピも内蔵。「殿堂入り」とは、1,000人以上が実際に作ってクックパッド上でレポート投稿したレシピのことです

  • 会場では、クックパッドの殿堂入りレシピ「トマトで煮込んだロールキャベツ」を実際に作り、試食するデモンストレーションが行われました。耐熱ボウルにトマト缶とケチャップ、顆粒コンソメ、水をいれ、下ゆでしたキャベツで味付けしたミンチを包んだものを投入しています

  • なんと、キャベツの下ゆでも電子レンジの自動メニュー「下ゆで葉・果菜」で行えます

  • 加熱中は、ダイヤル周りのLEDがピンク色に変化。液晶画面には、実行中のレシピ名とともに加熱残り時間が表示されます。食材の重さなどにあわせて加熱時間を調整するほか、一般的に電子レンジの自動メニューに向かない「耐熱プラスチック製ボウル」での加熱にも対応しています

  • 完成したロールキャベツ。加熱時間は18分ほどでしたが、キャベツはトロトロ、肉は弾力がありながらも柔らかい仕上がりに。ロールキャベツ奥にあるのは、同じくクックパッド殿堂入りレシピメニューで作った「ミキサー不要☆簡単! 牛乳でかぼちゃスープ」。本格スープも手軽に作れます

専用アプリによる「手動操作」機能も魅力です。電子レンジや過熱水蒸気、オーブンなどの加熱時間や加熱温度などの設定をスマートフォンから操作できます。とくに便利なのが、オーブンや過熱水蒸気での調理。「余熱あり」や「余熱なし」、加熱温度、加熱時間などをオーブン本体で設定するよりも手軽に行えます。自分で設定したレシピを「我が家のスコーン」などと名前をつけて登録することも可能です。自分で料理をしていると、「よく利用する加熱温度と時間」は固定されてくるので、ありがたい機能ではないでしょうか。

  • スマートフォンから、オーブンを手動設定しているところ。余熱のあり・なし、天板の段数、温度、時間をスマートフォンで設定。オーブン本体で設定するより、わかりやすく、使い勝手がよくなっています

  • 手動設定した調理方法に名前をつけて保存することも可能です。登録した設定を使用するとき、オーブンの液晶画面に自分がつけた設定名が表示されるのも嬉しいポイント

新機能ではありませんが、日立のプレミアムオーブンレンジといえば、「Wスキャン」による自動加熱メニューの精度の高さも人気です。一般的なオーブンレンジは、赤外線センサーで食材の表面温度をチェックして、自動加熱メニューのパワーや加熱時間をコントロールしています。一方、日立のWスキャンは赤外線センサーとともに重量センサーを使うことで、食材の温度と重さの2つの情報から加熱温度や加熱時間を制御。より高精度で、「適温に温める」ことができます。

このほか、庫内内部を白色にして汚れをあえて見つけやすくしていたり、食材を置くテーブルプレートが取り外して洗えたりなど、さまざまな使いやすい機能が搭載されています。

  • 3つの黒いボタン状のものが「トリプル重量センサー」

  • 食材を置くテーブルプレートは、取り外して丸洗いできます。庫内が珍しい白色なのも、あえて汚れを目立たせて、掃除しやすくする配慮なのだそう