◆PCMark 10 v2.0.2115(グラフ1~7)

FutureMark
https://benchmarks.ul.com/pcmark10

前回GeForce RTXをテストした時から微妙にバージョンは上がっているが、機能などに変化はない。

さてまずOverall(グラフ1)。やはりCore i9-9900Kはそれなりに高速ながら、Ryzen 7 2700Xに比べるとRyzen 7 3700XやRyzen 9 3900Xは確実に性能を詰めており、かなり良い勝負になっている。また特にOffice365を使うApplications TestではRyzen 9 3900XがCore i9-9900Kを凌ぐ結果になっている。

Application以外について言えば、グラフ2に示す4つのテストの組み合わせ(ExpressはEssentialとProductivity、PCMark 10はExpress+Digital Contents Creation、ExtendedはPCMark 10+Gaming)から構成されるわけだが、ここで明確に差があるのは、強いて言えばEssentialと、それより差は少ないがProductivityであろうか? ではEssentials(グラフ3)で大きな差があるのは何か? といったらApp Startupで、実際データを見ると全般的にRyzen系がちょっと時間を余分に要していた。逆に言えば大きな違いはここだけで、Web BrowsingやVideo Conferenecでは(Ryzen 7 2700Xを除くと)かなり接近した結果になっているのが判る。

Productivity(グラフ5)も同じくで、Ryzen 7 2700Xを除くと確かに若干の差はあるものの、かなり近いところまで性能が改善されている。Digital Contents Creation(グラフ5)も同じで、こちらではRyzen 9 3900XがCore i9-9900Kを上回る場合すらある。そしてGaming(グラフ6)では、当然Graphics Testは(同じビデオカードを使っているから)差がなく、その一方でPhysics Tesyで第3世代Ryzenの躍進著しく、Combined Testでも悪くない結果で、トータルで第3世代Ryzen優勢という結果になっている。

意外に健闘を見せているのがApplication Test(グラフ7)で、ほぼ全てのテストでRyzen 9 3900Xが最高速である。ただDDR4-2666だと結構はっきり性能が落ちる(ExcelはともかくWordでも結構差がある)あたり、第3世代Ryzenを使うならDDR4-3200は必須かもしれない。

◆CineBench R20(グラフ8)

Maxon
https://www.maxon.net/cb_r20_dl_ms

お馴染みCineBench。R20は今年3月にリリースされた。ちなみに入手はMicrosoft Storeから(無償)となっている。このR20ではGPUによるShading Testがなくなり、GPUによるRendering Testのみとなっている。

ということで結果はグラフ8の通り。ついにSingle CPU(Single Thread)でのスコアでRyzen 9 3900XがCore i9-9900Kを上回ったのだから、なかなか画期的としても良いと思う。そしてAll CPUでは圧倒的というか、Ryzen 7 3700XがCore i9-9900Kを上回るスコアを出しているあたりは、性能の絶対値としては確かに第3世代Ryzenは大幅に強化された、と判断するのは間違ってないと思う。