ソウル経済日報などが報じたところによると、韓国サムスン電子で18日間にわたってストライキが行われるようだ。工場を制御可能な規模に縮小する、緊急管理状態への移行が始まっているという(外部サイト)。

  • サムスン電子でストライキ。半導体生産ラインの稼働率が低下、世界で3%近く供給減少へ

    サムスン電子でストライキ。半導体生産ラインの稼働率が低下、世界で3%近く供給減少へ

世界中でAIへの投資が大きく進み、中でも高速なメモリの需要が極めて大きくなっている。そんな中、世界でMicronやSK Hynixを圧倒して高速メモリの供給を担うサムスン電子でストライキが実施されるようだ。参加者数は43,286人もの人数に上り、労働組合が当初目指してきた5万人に近づきつつある。これは工場で通常働いている半分に迫る数字だとしており、高度に自動化が進んだ工場でも稼働を維持できない。

このストライキを受けて、工場ではすでに製造中のウェハーを安全な段階まで撤去し、損失を可能な限り抑制する「ウォームダウン」フェーズへと移行中。エッチングからフォトニクス、クリーニング工程を扱う機械は予定された動作のあと待機モードに入り、動作を停止する。

もしウォームダウンなしにストライキに直面すると70兆ウォンもの被害が出る恐れがあったとしながらも、今回の18日間のストライキで最大10~17兆ウォンの損失が発生すると報じられている。ウォームダウンからの復帰にも2~3週間の時間が必要で、同紙はこの間に発生する損失で最大2倍以上の被害が発生する場合があると指摘。

さらに、顧客との信頼関係を損なうリスクもある。同社は今年の生産量を全量契約済みなので、ストライキで供給が間に合わなくなると顧客は製品を期限内に受け取れなくなる。労働組合リスクを否定できなくなって顧客が他社へと流れてしまうと、AIチップ覇権競争中の大きな機会損失になってしまう。

同社の労働組合は営業利益の15%をボーナスとして支給するよう要求してるが、今のところ解決の糸口は見えていないようだ。なお、競合するSK Hynixでは営業利益の10%を原資とする2964%もの成果給を全従業員に支給した。労使合意によって支給額の上限が撤廃された初めてのことで、過去最大規模となったことが広く報道されている。