iPhoneでいうところのウィジェットとは、アプリの拡張機能です。アプリの機能を補佐する役割で、位置付けとしては"アプリの特定機能を呼び出すための小規模なアプリ"に位置付けられます。表示形式は左端のホーム画面を右フリックしてさらに左へ進んだ画面(Today画面)にリスト表示されるものと、ホーム画面のクイックアクション(アプリアイコンを長押し/3Dプレスすると現れるメニュー)の2種類があり、いずれもウィジェットと呼ばれます。
ウィジェットはiOS 8で登場し、iOS 10のとき改良がくわえられ現在のiOS 12の形となりました。その役割はアプリ開発者向けのガイドラインで「ユーザーがいま必要な情報にすばやくアクセスできること」と明確化され、さらに「キーボードを使用しない」ことも定められています。つまり、複雑な操作なしに見るだけでアプリの状態がわかること、アプリが提供する機能/サービスの恩恵に預かれることがウィジェットの役割です。
これにより、ウィジェットはどういうときに使うものかというコンセプトもおのずと決まってきます。見るだけで現在地の天気がわかる、会議など今日のスケジュールがわかる、最新ニュースがわかる、株価がわかる……Today画面を表示するだけで、それらの情報を確認できるというわけです。Today画面はロック画面から表示できるので、ひと目見ただけで(情報系)アプリの機能/サービスを受けられることのメリットは倍増します。
逆にいうと、"表示するだけでわかる"ことがウィジェットの存在意義ですから、計算機や通貨/単位換算などの機能を持つウィジェットは今後も登場しないと考えられます。ただし、タップすると大元のアプリが起動されるしくみにできるため、最近電話した/メールをやり取りした人物に急いで連絡を取るなど、ショートカット的な役割も期待されます。