COMPUTEXでは、PCI Express Gen4 x4対応製品など、多数の最新SSDが展示されていた。2019年下半期から2020年初頭にかけてリリースが予定される製品を中心に紹介しよう。

PCIe Gen4 x4 SSDの立ち上がりに注目! コントローラはPhisonが先行

GIGABYTEのレポートで紹介したとおり、SSDのトレンドはPCI Express Gen4 x4だ。コントローラはほぼPhison「PS5016-E16」で、一部はデモも行なっていた。実際、メーカーに聞くと、PCI Express Gen4 x4をサポートするAMD X570チップセット搭載マザーボードの投入に合わせた(あるいは先行するかも)タイミングで製品をリリースする可能性があるという。

もう1つのコントローラはSilicon Motion「SM2267」。こちらはまだ開発段階のようでデモはなかった。とはいえ2019年下半期のストレージはこれらPCI Express Gen4 x4 SSDがもっともホットな話題となることだろう。それでは各社のPCI Express Gen4 x4 SSDを紹介していく。

ADATA TechnologyのPCI Express Gen4 x4 SSDは製品名がまだなく「PCIe 4.0 NVMe SSD」とだけあった。これが今回確認できたなかでは唯一のSilicon Motion「SM2267」搭載モデル。リードは4GB/s、ライトは3GB/s、IOPSはともに400K。特徴は最大容量8TBとしているところ。さすがに8TBは高価になりそうだが、容量だけ見ればデータ保存先としてのHDDの替わりを十分に担えるようになりつつある印象だ。

  • ADATAの「PCIe 4.0 NVMe SSD」はSilicon Motion「SM2267」搭載モデル

GALAXブースでは「E16 Gen4x4 HOF m.2 2280」が展示されていた。製品名のとおり、Phison「PS5016-E16」を採用している。ビデオカードのHOFシリーズ同様、白い基板を用いており、ヒートシンクには銅製ヒートパイプを1本通している。転送速度はリードが4.8GB/s、ライトが4GB/s、IOPSはリードが750K、ライトが700Kとされる。

  • GALAXの「E16 Gen4x4 HOF m.2 2280」はPhison「PS5016-E16」を搭載しヒートパイプも採用

ESSENCOREのKLEVVブランドも「ETC455 PCIe M.2 SSD」を展示。ショーケース内の展示で、スペック部分の「Gen4」がシールだったが、確かにチップはPhison「PS5016-E16」を搭載していた。リード4.8GB/s、ライト4GB/sといった速度は他社のPhison「PS5016-E16」搭載モデルと同じだが、500GBモデルのライトは2.1GB/sと記載されていた。このことからライトでPCI Express Gen3 x4以上の速度が得られるのは1TB以上の容量モデルと考えられる。

  • KLEVV「ETC455 PCIe M.2 SSD」もPhisonコントローラ。ヒートシンクデザインは不明

Patriotも「PCI Express Gen4 x4 M.2 NVMe SSD」を発表した。コントローラはPhison「PS5016-E16」。リードが4.8GB/s、ライトが4GB/s、IOPSはリードが750K、ライトが700Kとされる。容量は500GB/1TB/2TB。キャッシュはDDR4 2GBとされる。

  • Patriotの「PCI Express Gen4 x4 M.2 NVMe SSD」はCOMPUTEXで発表された製品

Team Groupブースでは、T-FORCE CARDEA Zero M.2 PCIe SSDの「Z440」が展示されていた。商品シールが貼られ、コントローラを確認することはできなかった。ただし、この製品の転送速度は、リードが3.8GB/s、ライトが3.2GB/s。

  • Teamの「T-FORCE CARDEA Zero M.2 PCIe SSD Z440」はチップが不明。展示レベルではヒートシンクなしのシールのみだった

この点に注目すると、Phison製コントローラではない可能性がある。と言って、Silicon Motion製を搭載するADATAのGen4 x4 SSDともスペックが異なるので、第3のコントローラの可能性もあるだろう。製品の登場に期待だ。