いまゲーミングノートPCに大画面の波が来ている。2~3年以上前の15.6型製品と同じ本体サイズで、より広い画面の17.3型を利用することができるようになってきた。

マウスコンピューターの「NEXTGEAR-NOTE i7940」シリーズも、こうした省スペースながら、大画面を備えた製品の1つ。CPUやGPUも2~3年前のゲーミングノートPCとは比べ物にならないほど強力で、現在のゲームタイトルであればどれも遊び尽くせるといっても過言ではない。

  • マウスコンピューター G-Tune 「NEXTGEAR-NOTE i7940」

大画面の波と書いたが、もう少し説明しよう。ゲーミングノートPCでは15.6型サイズの製品が主流だ。持ち運びがそれほど重視されないゲーム向けではあるが、性能と設置面積のバランスから17.3型よりも15.6型が選ばれる場面が多かった。

ところが、近年はスマートフォンでベゼルレスが流行し、その流れがノートPCにも波及しはじめた。ノートPCのベゼルレス、狭額縁化はモバイルの13.3型がもっとも早く、次いで15.6型へ、そして17.3型にも広がってきた。

狭額縁を採用することで、これまでの15.6型サイズに17.3型ディスプレイを、13.3(14)型サイズに15.6型ディスプレイをといったように、同じディスプレイサイズでも、本体サイズを小型できる。つまり、17.3型ノートPCを選びづらくさせていた要因の1つである大きさが解消されたことで、予算次第では使ってみようという人も増えてきたわけだ。

  • 17.3型サイズのベゼルレス液晶パネルを採用することで、ひと回りコンパクトなボディで迫力あるゲームを楽しむことができる

狭額縁化によるもう1つのメリットとして、没入感の向上が挙げられる。これは大画面テレビのスリムベゼルモデルでよくセールスポイントに挙げられているとおりだが、ベゼルがスリムになれば、目立たなくなる分、画面上の映像に集中できる。これは、ゲームプレイでも重要なところだ。

実際に製品に触れてみての感想だが、ノートPCにおいて17.3型ディスプレイはかなり大画面だ。と言うのも、デスクトップPCの場合と比べ、パネルと目の距離がより近いためである。

15.6型から17.3型という対角1.7インチのわずかなサイズアップでもグッと大きくなったように感じる。視野のカバー率も高い。ベゼルレスと相まってさらに没入感が高まる。

また、画面上のテキストも大きく感じ、目を酷使しなくて済むため、よりリラックスしてゲームプレイや普段の作業ができる。

ゲームのためのデザインと機能

続いてはデザインや使い勝手など本体構造を見ていこう。まず外観。液晶天板部分はフラットで、ヘアライン風の加工が施されており、全体的にゲーミングPCにありがちないやらしさがなく、メインPCとして使っても違和感が少ない。ハイスペックだけに冷却用の給排気口は大きな面積でとられているが、そこも比較的大人しいデザインといえるだろう。

  • 液晶天板部分はヘアライン風加工でシックな印象

液晶パネルの解像度は、1,920×1,080ドットのフルHD。4Kパネルをアピールする製品もあるが、実際に4Kでゲームをプレイするとなると、現状では画質を下げる必要が生じることが多く、ことゲームにおいてはそこまでメリットが大きくない。

むしろフルHDならばGeForce RTX 2070を持ってすれば高画質設定でも60fpsを満たせる。こうした点ではベストな選択といえるだろう。

リフレッシュレートは144Hz。いわゆるゲーミング液晶ディスプレイのスペックだ。60Hzよりも高速で、高性能GPUと組み合わせてよりなめらかな表示が得られる。これにより敵の存在を数分の一秒単位でいち早く察知することができ、優位にプレイできる。

  • 1,920×1,080ドット表示、144Hzの液晶パネルスペック

  • ノングレア仕様で発色も鮮やか。視野角も十分に確保されている

キーボード側は落ち着きのあるマットな塗装だ。液晶ヒンジ寄りの部分は金属風で、ここでメリハリを出している。ベゼルレスにより小型化されているとはいえ、一般的な15.6型サイズの幅はあるので、キーボードは10キーを加えたレイアウトだ。

  • キーボードは10キーを加えたレイアウト

キーボードもゲーミング向けとなっている。フルカラーLEDバックライト付きのメカニカルキーボードで、キーの形も四隅をカットした独特のデザインとなっている。キーストロークは18mm、ストロークはノートPCとしてはかなり深めの2mmのを確保する。

  • ゲーマー向けにこだわった仕様のキーボード。メカニカル仕様で押した際の感触も一般的なノートPCのものよりも一段上質。LEDも自由な設定が可能なので、好みのデザイン、ON/OFFや気分に合わせて切り替えることができる

LEDの配色も1キー単位で設定できる。ゲームの世界観に合わせたハデな演出もよし、硬派なゲーマーなら操作に必要なキーを目立たせて入力ミスを減らすための配色を設定するのもよいだろう。

  • フルカラーLEDバックライトは1キー単位で設定可能

ゲームでは複数のキーを同時に押す操作も必要だ。そこで全キー同時押しに対応するものが採用されている。

使いやすい豊富なインタフェース

実際にゲームを楽しむ時は、ヘッドセットを接続したり、手持ちのキーボードやマウスを接続することもあるだろう。そこでインタフェースを見ていきたい。

左側面には有線LANポートとUSB 3.0 Type-A、オーディオ入出力、右側面にはカードリーダー、USB 3.0 Type-A×2、そして背面にはMini DisplayPort×2、HDMI、USB 3.0 Type-CとACアダプタ用ジャックがある。

  • 本体左右側面。USBやオーディオ端子はこれら左右側面にレイアウト

左右どちらにもUSB端子があるのでケーブル長などを考慮した配線や、右利き左利きの対応が可能。映像出力など比較的着脱頻度の低い端子は背面にまとめられているので、机の上に置いてもまとまりがよい印象だ。

  • 映像出力端子は背面にまとめられている

ちなみに、LAN端子は開閉式だ。これは本体デザインをスリムに見せる工夫で、機能面に影響はない。無線LANコントローラは、IEEE802.11acに対応したIntel Wireless-AC 9560を搭載している。

  • デザイン性を高めて開閉式を採用したLAN端子