それでは試用機のスペックを見ていこう。ゲームとなると一番のポイントは強力なGPUだ。NEXTGEAR-NOTE i7940は、Turing世代のNVIDIA GeForce RTX 2070を搭載している。

ノートPC向けのGeForce RTX 20シリーズとしては中間となる位置付けだが、そもそもGeForce RTX 20シリーズ自体がGPUでは上位のポジショニングなので、GeForce RTX 2070も十分「ハイエンド」というくくりにはいってくる。

  • 利用可能なGPUは、CPUに統合されたIntel UHD Graohics 630と、NVIDIA GeForce RTX 2070

GeForce RTX 2070の仕様は、CUDAコアが2,304基、搭載グラフィックスメモリがGDDR6で容量が8GBだ。ポイントはメモリで、GDDR6という最新の高クロックメモリであるほか、8GBという十分な容量を搭載している。

ここ数年、ゲームの高画質化が進んだことで、より多くのメモリを消費するようになってきた。GPU性能を引き出すためにも、十分な容量のメモリは必須だ。8GB搭載しているGeForce RTX 2070ならば、しばらくはメモリ不足に困ることはないだろう。

こうしたGPU性能は3DMarkのスコアからも把握できる。Fire Strikeのスコアは16,000ポイントを超え、DirectX 12テストのTime Spyでも7,000ポイントを上回る。

3DMarkテスト スコア
PortRoyal Performance 3927
TimeSpy Extreme 3246
TimeSpy Performance 7017
NightRaid Performance 33793
FireStrike Ultra 4461
FireStrike Extreme 8531
FireStrike Performance 16419
SkyDiver Performance 38212

もう1つ、GeForce RTX 20シリーズではリアルタイムレイトレーシングとDLSS(Deep Learning Super Sampling)といった、次世代グラフィックスにハードウェアで対応する点が特徴に挙げられる。

レイトレーシングとは、これまでマッピングなどを用い計算を省くことでフレームレートを稼いでいたグラフィックス手法と異なり、光線追跡法と呼ばれる光の軌跡を計算し影や反射を描き出す手法だ。

計算が膨大なため映画などプリレンダリングで問題のない用途で用いられてきたものだが、GeForce RTX 20シリーズによってこれがリアルタイムに描画可能となった。

正確に言うならば、リアルタイムでのレイトレーシングは、従来のGPUでも実現できないものではないが、ゲームのように60fps前後のフレームレートが求められる用途となると、GeForce RTX 20シリーズのようにハードウェアでサポートされたGPUが現実的だ。

DLSSに関しては、GeForce RTX 20シリーズで搭載するAI用回路「Tensorコア」を用いて映像を補完する。これまで映像の補完にはCUDAコアを使っていたが、これをTensorコアで行うことでGPU全体の負荷を落としつつ処理が可能となる。結果的にフレームレートの落ち込みを抑えられる。

通常、レイトレーシングを有効にするとフレームレートが落ちてしまうが、DLSSと組み合わせて利用すると、レイトレーシングの画質でフレームレートを向上させることができる。

ゲーム+αの作業で多コアCPUが有効

また「NEXTGEAR-NOTE i7940」はCPUも強力で、Intelの第8世代Core i7-8750Hを搭載する。こちらは6コア/12スレッドのCPUで、従来世代からコア数を増加させている。

現在、多くのゲームが4コア以上を推奨環境に掲げている。単純なコア数でいえば第7世代のCore i7でもカバーできるが、ゲームプレイの実況配信や、プレイしながらチャット機能を用いてフレンドと情報交換をするといった、ゲーム+αの作業では、より多くのスレッドが消費されるのでコア/スレッド数が多いほどフレームレートに与える影響が少ない。

  • CPUは6コア12スレッドのIntel Core i7-8750H

  • メインメモリはDDR4-2400で16GB×2枚の32GB構成

CPU性能はCINEBENCH R20が分かりやすい。マルチスレッドのCPUテストでは2688 cbを記録しており、シングルスレッドのCPU(Single Core)も415 cbをマークした。

CINEBENCH R20 スコア
CPU 2668
CPU(Single Core) 415

CPUやGPUなど、システム全体のアプリケーション性能を測るPCMark 10のスコアも、各シナリオでバランスよく高スコアを実現し、万能型高性能PCであることを示している。ゲーミングPCではあるが、映像編集、学術計算そのほかさまざまな用途に手を出しても問題なく快適なパフォーマンスが得られる製品といえるだろう。

PCMark 10 スコア
Extended Score 7097
Essentials 9357
Productivity 7589
Digital Content Creation 7321
Gaming 13186

PCIe3.0接続、NVMeに対応したSSDは超高速

また、昨今のPCで快適さにつながる大きな要因としてストレージが挙げられる。ゲームを起動する、アプリケーションを起動する、データファイルを読み込む際に、いくらCPUやGPUが強力でも、ストレージの転送速度が遅ければ性能を引き出すことができない。

「NEXTGEAR-NOTE i7940」では、システムドライブにSSDを採用している。特に今回評価に用いた「NEXTGEAR-NOTE i7940PA1」の場合は、SSDのなかでも高速なインタフェースであるPCI Express 3.0接続、NVMe対応のIntel SSD 660pを搭載していた。

より安価なモデルではSATA 3.0接続のSSDを搭載するモデルも用意されている。SATA 3.0接続でもシステムドライブがSSDであれば、HDD搭載モデルと比べて格段によいレスポンスが得られるが、その上でさらに速さを求めるならば、PCI Express 3.0接続、NVMe対応がキーワードだ。

  • Intel SSD 660p(SSDPEKNW512G8)を搭載。PCI Express 3.0接続でNVMeに対応する

  • 転送速度では、シーケンシャルリードが1.7GB/s、同ライトが約1GB/sといった結果だ。最高速クラスではないが、これだけの速度が出ていれば普段のレスポンスは快適

容量についてはそれぞれの用途にもよるが、SSDはブロック単位での書き換えを行なうことや、書き換え回数に上限(=寿命)があるため、容量には余裕をみたほうがよい。

128GBクラスとなると最近では心もとない。256GBクラスでは、インストールするプログラムを節約できれば問題ない。512GBクラスであれば、一般的には十分な余裕といえるだろう。

システムドライブはNVMe SSDが搭載されているが、データドライブはトラディショナルなHDDだ。HDDのメリットは容量あたりの価格にある。ゲーミングPCにおいては、ゲームプログラムの格納場所として用いられることが多い。

SteamやOriginそのほかオンラインのゲーム配信プラットフォームがスタンダードになったいま、PCはゲームのストッカーでもある。大量のゲームをインストールするとなると容量も重要で、これをSSDで賄うとかなり高くついてしまう。そのような場合、システムドライブにSSDを、データドライブにはHDDをと、ハイブリッドに組み合わせるのが標準的だ。

  • 「NEXTGEAR-NOTE i7940PA1」では、SeagateのBarracudaシリーズの2TBモデル(ST2000LM015)を搭載していた

  • HDDなので速度はシーケンシャルリード/ライトで140MB/s前後