NTTドコモは、ソニーモバイルコミュニケーションズ製の5インチAndroidスマートフォン「Xperia Ace SO-02L(エクスペリア エース)」を、2019年6月1日に発売します。新しい端末購入補助「スマホおかえしプログラム」の対象機種ではありませんが、ドコモオンラインショップにおける端末価格は48,600円(税込)と、4万円台に収まっています。
ドコモからは、他キャリアでも取り扱うハイエンドの機種として「Xperia 1 SO-03L」も発売しますが、このXperia Aceはコンパクトなミドルレンジという位置づけで、ドコモのオリジナルモデルとなります。
ドコモは約1年前の2018年5月に、同じ5インチサイズの「Xperia XZ2 Compact SO-05K」を発表しています。今回、ドコモ2019年夏モデル発表会場で、新機種Xperia Aceと旧機種Xperia XZ2 Compactの実機を比較してみました。
まさに「Compact」な画面サイズと解像度!
まずは本体の正面にあるディスプレイ。Xperia AceとXperia XZ2 Compactの画面サイズ・解像度は同等で、約5.0インチのサイズに1,080×2,160ドット解像度で表示可能な液晶パネルを採用しています。ドコモの発表会場にいた担当者によると「Xperia XZ2 Compactの画面サイズは手の小さい女性から好評で、サイズ感は新機種Aceでもなるべく維持したかった」とのこと。
インカメラは超広角、大人数セルフィーも
Xperia Aceのターゲット層は10~20代前後。サイズの他にも、カメラ性能に注力していると言います。カメラ機能に関しては「インカメラのセルフィーを強化した」ということで、約800万画素のインカメラを搭載。画角も広く120度の超広角で明るいF2.4のレンズを搭載しており、大人数での自撮り(セルフィー)がしやすくなっています。
カメラのUIも変更されており、1人で撮影するモードと大人数で撮影するモードをワンタップで切り替えできます。4枚の写真を4コマ動画や4コマ写真に仕立てる「4コマストーリーモード」も搭載しています。
メインカメラは手ブレ補正を強化
本体背面には、1,200万画素のセンサーにインカメラよりも明るいF1.8レンズを採用したメインカメラを搭載。インカメラでは広角を強調していますが、背面カメラは手ブレ補正機構をさらに強化。光学手ブレ補正と電子手ブレ補正を組み合わせたハイブリッド手ブレ補正を採用しています。
これ以外にも、ズームした時の撮影画面の解像度を向上させるなど、ソフトウェアでの改善もしています。初代モデルからXperiaを使ってきた筆者、カメラ機能に関しては、自信たっぷりに語ってくれた担当者さんの言葉に安心していましたが、本体周りをチェックして見ると、ひとつ気になることがありました。
電源2回タップでカメラ起動、シャッターキーはなし
それは撮影時によく使う「シャッターキー」(カメラキー。カメラ起動用のハードウェアボタン)がXperia Aceに搭載されていないことです。これまでのXperiaはほとんどの端末でシャッターキーを搭載しており、長押しすることで、瞬時にカメラが起動し撮影モードへ切り替わる仕組みでした。
今まで取材や旅行をするときに片手でXperiaを持てば、もう片方の手が塞がっていても、すぐにカメラを起動できる良さが気に入っていたのですが……。この点について、会場にいた担当者に聞くと「カメラ機能は強化しましたが、本体サイズや全体的なデザインを考慮した結果、シャッターキーを省いた」という回答を得られました。
Xperia Aceでカメラを使う場合、どのように起動するのかを聞いてみたところ、方法は大きくわけて2通り。1つはアプリケーション一覧からカメラアプリをタップして起動する、2つ目は電源ボタンを素早く2回押す方法があります。
小ぶりでスクエアな板状デザインに
前述のシャッターキーは今後の復活に期待したいところですが、色味はXperia XZ2 Compactよりも落ち着いた印象を受けました。Xperia AceはPurple / White / Blackの3色展開。このうちPurpleは室内のライティングによっては、シルバーやピンクのようにも見える、とても淡い色合いでした。
担当者は「女性でも手に馴染みやすいサイズに、洋服にも合わせやすいカラーリングを施した」と話していましたが、どの色も性別を問わず持てるカラーだと感じました。
本体の形状もこれまでとは異なります。Xperia XZ2 / XZ2 Compactでは背面を流線型にして丸みを持たせたデザイン「アンビエントフロー」を採用していましたが、Xperia Aceではフラットな形状になり、今までよりもスクエアになりました。背面の丸みがなくなった分、本体の厚さもXperia XZ2 Compactの最厚部約12.1mmから、Xperia Aceでは約9.3mmまで薄くなりました。本体サイズが薄くて小さいので、Xperia XZ2 Compactの持ちやすさは引き継がれています。
最後に各ボタンや端子の位置を確認します。まず、Xperia XZ2 Compactではイヤホン端子が非搭載でしたが、Xperia Aceでは再び搭載されました。
左側面にはSIMカードとmicroSDカードを収納する部分があります。
右側面には電源ボタンとボリュームボタンがあります。前述のとおりXperia Aceはシャッターキーが非搭載です。充電端子は、Xperia XZ2 CompactもXperia AceもUSB Type-Cで、裏表の向きを気にせずにケーブルを挿せます。
ここまでXperia Aceの実機をチェックしてみましたが、全体的に外観や機能とのバランスも良く、(個人的に残念だった)シャッターキーを除いては好印象です。価格もハイエンドの端末と比べると安い48,600円(税込)なので、写真や音楽を存分に小型端末で楽しみたい人には是非おすすめしたい1台です。