カメラ記者クラブは5月17日、「カメラグランプリ2019」の受賞結果を発表しました。カメラグランプリは、この1年間に発売されたカメラや交換レンズのなかから優れた製品を選ぶアワードで、国内のカメラ専門誌の担当記者で構成されるカメラ記者クラブが主催します。栄えある2019年の大賞は、パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S1R」が受賞しました。

大賞はパナソニックの「LUMIX S1R」が受賞!

大賞を獲得した「LUMIX S1R」(DC-S1R)は、Lマウントを採用するフルサイズミラーレス。有効4730万画素の高画素センサーと独自の画像処理エンジンがもたらす描写が、シャープでありながらも硬すぎずツヤがあると選考委員に評価されました。1億8700万画素相当の写真が撮影できるハイレゾモードや、最高水準の576万ドットの有機ELを用いた電子ビューファインダー、AI技術を用いた高速で正確なオートフォーカスなど、機能や装備が各社のミラーレスと比べても最高水準であることも認められました。

ライカやシグマとLマウントアライアンスを組み、レンズの選択肢の幅広さやシステムの広がりをもたらしてくれる点も評価のポイントとなっています。フルサイズミラーレスのなかでボディは大きく重いものの、高い剛性感や耐候性、ホールディングの高さ、余裕のあるボタン配置など、信頼性と操作性の高さをもたらした点を評価する声もあります。

  • パナソニックが2019年3月に発売したフルサイズミラーレス「LUMIX S1R」(DC-S1R)。ボディ単体モデルの実売価格は税込49万円前後

レンズ賞はソニー「FE 24mm F1.4 GM」が受賞

レンズ賞は、ソニーのEマウントレンズ「FE 24mm F1.4 GM」(SEL24F14GM)が受賞しました。描写性能の高さを追求したG Masterシリーズのなかでもっとも広角の大口径単焦点レンズで、収差を極限まで抑えて点光源がきれいに表現できる点が、「開放F1.4から高画質で星系撮影ファン待望のレンズ」と評価されました。高性能であるが大きく重いレンズが増えるなか、他社の同等クラスの交換レンズと比べて小型軽量に仕上げた点も選考委員に認められました。

  • ソニーが2018年10月に発売したフルサイズ対応のEマウントレンズ「FE 24mm F1.4 GM」(SEL24F14GM)。実売価格は税込19万4000円前後

あなたが選ぶベストカメラ賞はオリンパス「OM-D E-M1X」が受賞

一般の写真ファンの投票により最も優れたカメラを決定する「あなたが選ぶベストカメラ賞」は、オリンパスのミラーレス「OM-D E-M1X」が受賞しました。縦位置グリップ一体型ボディの採用で操作性を高めたほか、最大7.5段分の5軸手ぶれ補正機構、防塵防滴耐低温構造、動体追従性能に優れる高速AFなど、プロユースをにらんだ本気の1台になっています。

「見た目がダントツにかっこいい」「どんな状況下でも撮れる信頼できる道具」「撮れないものがないカメラ」「他社のマネや二番煎じではなく、同等の機種が存在しない」「ミラーレスの新たな基準を作り出した」など、投票者からはさまざまな声が寄せられました。

  • オリンパスが2019年2月に発売したマイクロフォーサーズ規格のミラーレス「OM-D E-M1X」。ボディ単体モデルの実売価格は税込35万8000円前後

カメラ記者クラブ賞はリコー「GR III」が受賞

カメラ記者クラブ賞を受賞したのは、リコーの高画質コンパクトデジカメ「GR III」です。1996年登場のフィルムカメラ「GR1」以来、28mm相当のレンズ+小型軽量ボディというコンセプトを守り続け、デザインや使い勝手で高い評価を受け続けている点が評価されました。ボディ内手ぶれ補正機構を新たに採用しつつ、ボディを従来機種から小型化するなど、GRらしさに磨きをかけています。スマホではなくカメラで撮影することの意味や楽しさを感じさせる1台として、コンパクトデジカメの希望や可能性を感じさせると評価されました。

  • リコーが2019年3月に発売したコンパクトデジカメ「GR III」。実売価格は税込12万円前後

タムロン「28-75mm F/2.8 Di III」もカメラ記者クラブ賞を受賞

もう1製品カメラ記者クラブ賞に選ばれたのが、タムロンのEマウントレンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD」(Model A036)です。メーカー純正品とは異なる魅力を持つレンズを提供するタムロンらしい内容が評価されました。ズーム全域で開放F2.8としながら広角端を28mm始まりとすることで、フルサイズ対応レンズとしては驚くほどの小型化を図ったことや、価格を抑えたことが評価されました。フルサイズミラーレスのユーザー層を広げる可能性を持つレンズとの声もあります。

  • タムロンが2018年5月に発売したEマウント用の標準ズームレンズ「28-75mm F/2.8 Di III RXD」(Model A036)。実売価格は税込9万4500円前後だが、いまだに強い品薄傾向が続いている

ニコン「Z 7」はわずか1点差で大賞を逃す

カメラグランプリにノミネートされた各製品の獲得点数や各選考委員が投票した内容は、カメラグランプリ2019のWebサイトに掲載されています。今回、大賞を獲得したパナソニックの「LUMIX S1R」は114点でしたが、次点のニコン「Z 7」は113点で、なんとわずか1点差だったことが分かりました。優れたカメラが多く登場した歴史に残る1年だった、といえるでしょう。