• 世界初のFoldable PCのプロトタイプを壇上で公開する、レノボ インテリジェントデバイスグループ コマーシャルビジネス担当シニアバイスプレジデントのクリスチャン・タイズマン氏

レノボは、2019年5月13日~15日(現地時間)の3日間、米フロリダ州オーランドで、年次イベント「Lenovo Accelerate '19」を開催。開催初日に行われた基調講演において、ディスプレイを折り畳める世界初のFoldable PCを発表した。さらに、新ブランドとなるThinkBookやThinkRealityをはじめ、数多くの新製品も発表してみせた。

開催初日の基調講演では、Transform 3.0という新たな方向性が発表され、PC事業においては、「Intelligent Transformation」という方針が打ち出されたが、こうした一連の発表は、同社のPC事業の勢いを見せつけるには十分なものだったといえよう。

世界初の折りたたみPC、ThinkPad X1ファミリーに登場

基調講演が最も盛り上がったのは、最後に登壇したレノボ インテリジェントデバイスグループ コマーシャルビジネス担当シニアバイスプレジデントのクリスチャン・タイズマン氏が、その締めくくりに、Foldable PCのプロトタイプを手に持ったときだった。

会場から歓声があがるなか、タイズマン氏は、「2年前に開催したイベントで、PCの新たな未来像として、折りたたむことができるPCを示した。それを発表してから大きな反響があった。チームとして、これを完璧なものとして、世の中に投入することを決意した。それ以来、このテクノロジーを実現するために努力してきた。それがいよいよ実現した」と切り出し、「みなさん、これが世界初のFoldable PCである」と高らかに宣言。

タイズマン氏は「フラッグシップであるThinkPad X1ファミリーのひとつに位置づけ、ラップトップとスマホの技術を融合。一日中稼働し、ライフスタイルを変える製品になる。未来に必要なデバイスである」と位置づけた。

  • 折り畳んだ状態のFoldable PCのプロトタイプ(開いた状態で13.3型)

  • ThinkPad X1シリーズのなかに含まれる世界初のFoldable PCであることを強調

タッチ対応で900g以下、ソフトウェアキーで入力も

タイズマン氏によると、Foldable PCは、13.3型の折りたたみが可能なタッチ機能搭載の有機ELディスプレイを搭載。ペンの利用も可能であり、常時接続して利用できるデバイスになるという。OSにはWindowsを搭載し、CPUにはインテルを採用することになる。重量は2ポンド(約900g)以下を目指すという。

また、Foldable PCは、タッチやペン操作が可能なタブレットモード、書籍を読むようにして持つことができるブックモード、ノートPCのようにして利用できるプロダクティビティモードの3つのスタイルで利用できる。

  • タブレットモードでは、タッチやペン操作が可能なタブレットとして利用できる

  • ブックモードでは全画面で内容を表示

  • ブックモードは書籍を読むようにして手に持つことができる

  • プロダクティビティモードでは、ノートPCのようにして利用できる

タイズマン氏はそれらの使い方をデモストレーションしながら、「タブレットモードでは、ビデオを見ることが可能であり、ブックモードでは両面に異なる情報を表示したり、書籍を読むことができる。長期出張のときにも便利である。そして、プロダクティビティモードでは、フルパォーマンスのラップトップとして利用でき、上半分がモニターに、下半分がキーボードになる」と説明。「新たなカテゴリーの製品として、自信を持って紹介できるものである」と締めくくった。

新たなフラッグシップ「ThinkPad X1 Extreme 2Gen」

一方で、基調講演では、これ以外にも新たな製品を発表した。

まずタイズマン氏は、1992年に登場したThinkPadの27年の歴史を紹介。「全世界で1億5,000万台を販売した唯一のPCであり、幕の内弁当にヒントを得て、美しく、高い機能性を持ったデザインを採用。バタフライキーボードを搭載したThinkPadは、ニューヨークのMoMA近代美術館に永久保存されている」などとした。

  • 講演ではThinkPadの27年の歴史を紹介

新製品として最初に紹介したのは、ThinkPadシリーズのフラッグシップであるThinkPad X1の新製品となる「ThinkPad X1 Extreme 2Gen」である。

「X1は、ベストなデザイン、ベストな素材、ベストなセキュリティ、ベストなパフォーマンスを実現したフラッグシップとなる製品である。今日発表するThinkPad X1 Extreme 2Genであり、2018年に発売した製品の第2世代のものになる。よりハイパフォーマンスで、ハイレゾリューションを実現してほしいというニーズに対応した製品で、15.6型の4K有機ELディスプレイを搭載し、シネマクオリティを実現している。また、8コアのインテル Core i9と、nVIDIA GeForce GTX1650を搭載している」とタイズマン氏。

  • フラッグシップであるThinkPad X1の新製品として、X1 Extream 2Genを発表

ビジネス向けのセキュアノート「ThinkBook」

また、新たなブランドとして、中小企業向けとなる「ThinkBook」を発表。「セキュリティにも優れ、電源ボタンを押すだけで、指紋認証により安全にすぐに起動し、さらに、ビジネスグレードのサービスを提供している」という。

  • 新ブランドとして中小企業向けThinkBookを発表

  • 展示会場に置かれていたThinkBook

世界最小、スマホ2台分のデスクトップ「ThinkCentre Nano」

そして、世界最小のコマーシャルデスクトップPCのThinkCentre Nanoは、自ら手に持って説明。ここでは、大きな拍手があった。

  • 世界最小のコマーシャルデスクトップPCのThinkCentre Nano

「フルパフォーマンスの仕様としたデスクトップ。スマホ2台分の大きさであり、壁に取り付けることもでき、国防総省の基準に合致した高い耐久性を持った製品になる。これはエッジおよびIoT分野に向けた第1歩の製品になる」と述べた。ThinkCentre Nanoには、同時に発表したエッジコンピューティング向けIoTゲートウェイ「ThinkCentre Nano IoT」と組み合わせることで、デュアルLANや4G、LTEなどの様々なネットワークに接続できるようになるという。

  • IoTゲートウェイのThinkCentre Nano IoTも紹介した

新ブランド「ThinkReality」で軽量HMD

ThinkBookとともに、もうひとつ発表された新たなブランドが、「ThinkReality」である。タイズマン氏は、ARヘッドマウントディスプレイである「ThinkReality A6」を装着しながら、「これは、エンタープライズ向けのアプリケーションと組み合わせて利用するものである。拡張性を持ったプラットフォームの上で動作するものであり、ヘルスケアのユーザーとともに作り上げた。一日中、装着していても疲れない軽量化を実現し、マイクロフォンやスピーカーを内蔵しているため、騒音が大きな場所を含めて、様々な環境で利用できる」と述べた。

  • 新ブランドの「ThinkReality」を発表

  • ARヘッドマウントディスプレイの「ThinkReality A6」を装着するタイズマン氏

こうした一連の新製品を発表したタイズマン氏は、「レノボは、ラップトップ、デスクトップ、IoTデバイス、ARのすべての領域で、イノベーションを行っている。こんな企業はほかにはない。スマーターデバイス、スマータープレイ、スマータービジネスを拡張する製品を提供していく」と胸を張る。

「Accelerate '19」において、これだけの数の新製品を発表されたことは、参加者にとっても想定外のことであっただろう。レノボのPC事業の勢いを強く感じたイベントになったのは間違いない。