インターネットイニシアティブ(IIJ)は、千葉県白井市に建設していた「白井データセンターキャンパス」が完成し、5月1日から稼働開始することを発表した。過日、プレス向けの内覧会が開催されたので、その模様をお伝えしよう。
白井データセンターキャンパスは、千葉県白井市に設立されたIIJ最大のデータセンターだ。IIJはこれまで、2011年に島根県松江市にデータセンターを開設しているが、これが自社データセンターとしては2施設目となる(IIJはその他21箇所にデータセンターを持っているが、いずれも他社の設備を借り受けているものを運用している)。
白井市は千葉県北西部に位置し、梨の栽培が有名な人口6万人強の小さな市だが、実は最近、データセンターの建設が相次ぐ注目スポットになっている。これは同市が東京都から電車(北総開発鉄道)で30分前後という立地に加え、特別高圧電力の供給が素早く行われること、地盤が強固なことも理由に挙げられる。
実際、筆者が地元の方からお聞きした範囲ではあるが、東日本大震災の時は船橋市、柏市、印西市など周辺の市では屋根(特に棟の部分)が壊れるなどの被害がかなり見られたのに対し、白井市では比較的被害が少なかった。埋立地ではないので液状化現象も起きにくく、大きな河川もないので水害の可能性も低いなど、災害に強い立地というのは、常時稼働を旨とするデータセンターにとってはうってつけと言えるだろう。
白井データセンターキャンパスの敷地は4万平方メートルで、床面積は最大で8万平方メートルを予定。システムモジュール型工法を取り入れており、需要に応じて柔軟な設備の拡張・構築が可能。さらに、通常のデータセンターが42〜47Uラック(高さ2.2m前後)を使用するのに対し、56Uのトールラック(高さ2.7m)を採用し、最大拡張時は6,000ラックを収納する大規模なデータセンターとなる(開設当初は1,000ラック規模)。
IIJは白井データセンターキャンパスを今後の同社のクラウドサービスの中心に置く予定であり、大規模顧客向けのハウジング/コロケーションサービスを提供するほか、様々な新技術の実証実験の場としても活用していくという。また、これまで分散していたデータセンターの業務も白井データセンターキャンパスに集約させていく予定だという。