カメラらしさが魅力の一眼レフ

一眼レフカメラ(デジタル一眼レフカメラ)は、存在感のあるデザインや見やすいファインダー、高速なピント合わせなどが評価され、ファミリー層を中心に根強い人気を誇っています。

|photo_cente |I@001.jpg,高性能デジカメの代名詞となっている一眼レフカメラ(左)と、より小型軽量で撮影しやすいミラーレス(右)|

一眼レフカメラで人気があるのが、初心者におすすめのエントリーモデル。手ごろな価格なのに画質や性能は上位機種並みで、満足感はバツグンです。ただ、機種数が多いだけに、どれを選んでよいか分からない…という人もいるはず。そこで、機種選びのポイントをチェックしつつ、おすすめの一眼レフカメラを紹介しましょう。

  • ファミリー層に人気の一眼レフカメラ、特徴や選び方のポイント、おすすめ製品をまとめて紹介しましょう

一眼レフとミラーレスの違い

一眼レフカメラは、さまざまな交換レンズを付け替えて撮影が楽しめるのが特徴です。ミラーレスも同じ特徴を持っていますが、一眼レフカメラならではのメリットはいろいろとあります。

ファインダーが見やすい

まずは「ファインダー」。ミラーレスは、小型の液晶などに表示された映像をのぞき見る「電子ビューファインダー」(EVF)なのに対して、一眼レフはレンズから入った光をそのまま見る「光学ファインダー」(OVF)となっています。光学ファインダーは、電子ビューファインダーで感じられる表示の遅れや粗さ、流れるような表示などの不自然さがなく、「きれい!」「見やすい!」と体感できるはずです。ミラーが動く際の「パシャッ」という小気味よいシャッター音も、撮影時の気分を高めてくれます。

  • 一眼レフカメラのカットモデル。レンズからの光がミラーやペンタプリズムを経由し、光学ファインダーへと導かれているのが分かります

バッテリーが長持ち

さらに、一眼レフカメラはミラーレスよりも電池の持ちが格段に優れています。例えば、キヤノンのミラーレス「EOS Kiss M」の撮影可能枚数が約235枚なのに対し、同じくキヤノンの一眼レフカメラ「EOS Kiss X9i」は実に600枚近くも撮影できます。丸一日の旅行でも、バッテリー切れの心配はほぼいりません。

交換レンズの種類が豊富

さらに、一眼レフカメラはフィルム時代から歴史のあるシステムのため、装着できる交換レンズの種類が豊富なのも見逃せません。メーカー純正品だけでなく、サードパーティー製品を含めれば、低価格なものから個性的なものまでさまざまなレンズで撮影が楽しめます。

大きさ、重さは……

もちろん、ミラーレスと比べて欠点もあります。一眼レフカメラは、ファインダーに光を導くためのミラーなどの装備が欠かせないため、ミラーレスに比べると本体は大きく重いのが一般的です。デザインも、個性的なスタイルが多いミラーレスに対し、一眼レフカメラはやや個性に欠けます。とはいえ、トラディショナルなカメラらしい形を好む人にとっては魅力となるでしょう。

  • 一眼レフカメラ(左)は、ボディーやレンズがミラーレス(左)よりもひとまわり以上大きく重くなります

また、各社の一眼レフカメラは、背面液晶を見ながら撮影できる「ライブビュー機能」を搭載しています。ただし、通常のファインダー撮影時と比べ、オートフォーカスや連写の性能が落ちる機種が多く、ライブビューだけで撮りたい人にとっては不向きといえます。

一眼レフの選び方

一眼レフカメラは人気ジャンルであるため、各社から多くの製品が販売されています。しかし、同じような見た目だけに「どのように選んでよいのか分からない」という人も多いでしょう。そこで、選び方のポイントをまとめてみました。

主要メーカーはキヤノンとニコン

低価格一眼レフカメラのメーカーはキヤノン、ニコン、リコー(ペンタックス)など、いくつか存在します。後述する通り、基本的な画質や撮影性能、付属のレンズに大きな違いはないため、どのメーカーの製品を選んでも後悔することはないでしょう。カメラのデザインの好みやメーカーの印象で選んでも問題ありません。

しいていえば、メーカーが同じならば一眼レフ用の交換レンズが共用できますから、家族や親戚、友人が一眼レフカメラを使っているなら、同じメーカーの製品を選ぶのもよいでしょう。

イメージセンサーのスペック

デジタルカメラはイメージセンサー(撮像素子)の性能が画質を左右することが知られていますが、一眼レフカメラの入門機はほぼ横並びとなっています。どの機種も、センサーのサイズは「APS-C」サイズ、画素数は約2400万画素で、基本的に画質に大きな差はありません。どの機種を選んでも、薄暗い室内や夜景もきれいに撮れ、被写体の背景や手前をきれいにぼかした仕上がりにできます。

  • 一眼レフカメラの入門機は、メーカーを問わずAPS-Cサイズのイメージセンサーを採用しています

ただ、背面液晶を見ながら撮影するライブビュー撮影時や動画撮影時は、イメージセンサーが「像面位相差AF」に対応しているかどうかでピント合わせのスピードが異なります。像面位相差AFに対応していれば、ファインダー撮影時に近いスピードで素早くピントが合わせられますが、そうでないとピント合わせに時間がかかってしまいます。

背面の液晶パネルは可動式を選びたい

一眼レフカメラの背面液晶は、可動するタイプと固定式のタイプがあります。可動するタイプだと、ライブビュー撮影時にローポジションやハイポジションでの撮影が楽にでき、撮影の自由度が高まります。可動式液晶を持つカメラは、固定式のものよりもボディーの大きさや重さが増す傾向にありますが、利便性の高さを考えると可動式の機種を選びたいところです。

  • 背面液晶がバリアングル式なら、どのようなアングルでもライブビュー撮影がよりしやすくなります

レンズキットはダブルズームキットがおすすめ

一眼レフカメラは、カメラ本体のみのボディー単体モデルに加え、交換レンズが1本か2本付属した「キットモデル」が用意されています。狙うべきなのがキットモデルで、カメラ本体と交換レンズを別々に購入するよりも断然おトクに購入できます。

特に、標準ズームレンズのみが付属するレンズキットよりも、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本が付属するダブルズームキットが断然お買い得。なかには、レンズキットよりもダブルズームキットのほうが安いという製品もあるので、購入の際は各キットの販売価格をしっかりチェックするようにしましょう。

  • 狙い目のダブルズームキットは、標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本が付属しながら、レンズを単品で追加購入するよりも断然割安な価格で購入できます

  • 望遠ズームレンズは被写体に近づけないシーンで活躍するので、キットモデルでおトクに手に入れておきたいところです