CrystalDiskMark 6.0.2

それではさっそく、WD Black SN750 1TBの性能を計測してみることにしたい。テスト環境は以下に示した。

■今回のテスト環境
CPU:Intel Core i5-6500(3.2GHz)
マザーボード:ASUS H170 PRO GAMING(Intel H170 Express)
メモリ:DDR4-2333 16GB(8GB×2)
システムドライブ:SanDisk SSD PLUS(480GB)
OS:Windows 10 Pro 64bit

まずは、定番の「CrystalDiskMark 6.0.2」から。WD Black SN750 1TBのシーケンシャルリード速度は3449.2MB/秒と、公称値にかなり近く、非常に高速だ。同様に、シーケンシャルライト速度も3019.3MB/秒で、こちらは公称をわずかに上回った。

ランダムアクセスも高速だ。4KiB(Q8T8)のランダムリードは1017.9MB/秒で、4KiB(Q8T8)のランダムライトは941.8MB/秒となっている。

  • WD Black SN750 NVMe SSD

    WD Black SN750のCrystalDiskMark 6.0.2の結果

AS SSD Benchmark 2.0.6485.19676

次は、SSDに特化したベンチマークソフト「AS SSD Benchmark 2.0.6485.19676」だ。転送速度の測定では、WD Black SN750 1TBのシーケンシャルリードが2752.72MB/秒、シーケンシャルライトが2509.41MB/秒であり、公称には及ばないものの、リードについては同条件で計測した「Samsung SSD 970 EVO Plus 500GB」の2517.42MB/秒を上回っている。

ランダムアクセスについてだが、4Kリードは28.09MB/秒、4Kライトは140.42MB/秒、4K-64Thrdリードは、1931.76MB/秒、4K-64Thrdライトは、1178.49MB/秒であり、特に4K-64Thrdリードは高速だ。

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    WD Black SN750のAS SSD Benchmark 2.0.6485.19676の転送速度結果

IOPSの測定では、4KB-64Thrdランダムリードが49万4531IOPS、4KB-64Thrdランダムライトが30万1694IOPSであり、ランダムリードはNVMe対応SSDの中でもトップクラスのパフォーマンスを誇っている。

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    WD Black SN750のAS SSD Benchmark 2.0.6485.19676のIOPS測定結果

ファイルコピーテストはやや苦手?

AS SSD Benchmarkには、巨大な単体ファイルのコピーを想定した「ISO」、小さなファイルを多数コピーすることを想定した「Program」、さまざまな大きさのファイルが混在した場合のコピーを想定した「Game」という、3種類のファイルコピーテストが用意されている。

WD Black SN750 1TBのファイルコピー時の転送速度は、ISOが1444.91MB/秒、Programが503.71MB/秒、Gameが1070.42MB/秒であり、こちらはSamsung SSD 970 EVO Plusより多少落ちる結果だった。

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    WD Black SN750のAS SSD Benchmark 2.0.6485.19676のファイルコピー結果

コンプレッションベンチマークも実行した。コンプレッションベンチマークは、圧縮が効かないランダムデータから、同じ値が続く圧縮しやすいデータへと、連続的にデータ構成を変えて、転送速度を計測するテスト。書き込み時にデータ圧縮を行うSSDなどでは、グラフが右肩上がりの曲線となるが、WD Black SN750 1TBはグラフが右肩上がりになっておらず、圧縮のしやすさに関わらず安定した性能が得られることが分かる。ただし、リード速度(緑色の線)はかなり安定しているが、ライト速度(ピンク色の線)は定期的に落ち込みが見られた。

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    WD Black SN750のAS SSD Benchmark 2.0.6485.19676のコンプレッションベンチマーク結果

ATTO Disk Benchmark 3.05

最後に、「ATTO Disk Benchmark 3.05」を利用して、転送速度を計測してみた。WD Black SN750 1TBは、転送サイズ4MBでのリードが3472.299MB/秒、ライトが3004.874MB/秒と、こちらも公称通りの性能が出ている。

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    WD Black SN750 1TBのATTO Disk Benchmark 3.05の結果

M.2・PCIe Gen 3.0 x4・NVMe対応のSSDとしてトップクラスの性能

WD Black SN750は、ウエスタンデジタルのM.2対応SSDで最もハイエンドに位置する製品だ。基本的なハードウェアは前モデルのWD Blackと同じだが、ファームウェアのチューニングなどによって、より高い性能を実現している。性能的には、現時点でトップクラスなので、価格よりも性能を重視し、とにかく快適な環境を実現したいという人にぴったりの製品だろう。

保証期間も5年と長く、仕事で使うPCのストレージとしてもおすすめだ。また、今回テストした製品は、ヒートシンクなしモデルであったが、ヒートシンク付きモデルが用意されていることも魅力。高速SSDの発熱は意外と大きく、冷却が重要になってくる。4K動画の編集やエンコードなど、SSDに連続して高い負荷がかかるような作業には、ヒートシンク付きモデルを選ぶとよい。