NVIDIAは3月14日(米国時間)、デスクトップ向けGPU「GeForce GTX 1660」を発表した。これに合わせて、グラフィックスメーカー各社から搭載製品が投入され、北米での価格は219ドルから。

2019年2月に発表した「GeForce GTX 1660 Ti」と同じ「TU116」コアを採用するGPU。Turingアーキテクチャで導入された浮動小数点(FP16)、32bit浮動小数点(FP32)、32bit整数(INT32)の並列演算、Variable Rate Shading(VRS)、ユニファイドキャッシュといった特徴は「GeForce GTX 1660 Ti」と同様だ。

  • TuringはFPとINTが混在した状況でも効率的に処理できるという

  • Pascal比でLOAD/STOREユニットあたりのL1キャッシュが増加。さらに帯域も2倍に

  • VRSではオブジェクトなど、画面で目が行きやすい個所は細かいサンプルで、そうでない周辺個所などは粗めのサンプルで処理を行う。これによって、シェーダの負荷を下げられる

GeForce GTX 1660 Tiとの違いとして、まず挙げられるのはStreaming Multiprocessor(SM)の数で、GeForce GTX 1660 Tiでは24基だが、GeForce GTX 1660では22基と2基減っている。これに合わせてCUDAコア数も1,536基→1,408基と減少している。

  • TU116コアのブロック図。ここからSMが2基無効化されるものと思われる

またメモリ周りも192bit接続の6GB GDDR6という点は変わらないが、メモリスピードが12Gbps→8Gbpsとスペックが抑えられている。そのため、メモリ帯域幅は前世代のGeForce GTX 1060に近い192.1GB/secとなっている。TDPは120W。補助電源ピンは8ピンだ。

製品名 GTX 1660 Ti GTX 1660 GTX 1060 6GB GTX 1060 3GB
製造プロセス 12nm 12nm 16nm 16nm
CPUコア TU116 TU116 GP106 GP106
CUDAコア 1,536 1,408 1,280 1,152
SM 24 22 10 9
ベースクロック 1,500MHz 1,530MHz 1,506MHz 1,506MHz
ブーストクロック 1,770MHz 1,785MHz 1,708MHz 1,708MHz
メモリ 6GB GDDR6 6GB GDDR6 6GB GDDR5 3GB GDDR5
メモリインタフェース 192bit 192bit 192bit 192bit
メモリ帯域幅 288GB/s 192.1GB/s 192GB/s 92GB/s
L1キャッシュ 1,536KB 1,408KB 480KB 480KB
TDP 120W 120W 120W 120W

演算性能は10TOPS (5TFLOPS FP32 / 5TOPS INT32)で、NVIDIAによると、フルHD(1080p)での処理能力は、GeForce GTX 1060 3GB比で30%、GeForce GTX 1060 6GB比で15%向上したという。

また、GeForce GTX 970やGeForce GTX 960といった古い世代の製品からのアップグレードも訴求。GeForce GTX 1660は、GeForce GTX 970比で68%、GeForce GTX 960比で113%の性能向上をうたう。

主な仕様は、ベースクロックが1,530MHz、ブーストクロックが1,785MHz、メモリが192bit接続の6GB GDDR6、メモリスピードが8Gbps、メモリ帯域幅が192.1GB/s。TDPが120W。補助電源コネクタが8ピン。画面出力インタフェースがHDMI×1、DisplayPort×1、DL-DVI×1。