旧世代マザーと最新マザーは搭載インタフェースも大きく変わっている。電源コネクタそのものはATX準拠なのは変わらないが、より消費電力の大きなCPUをオーバークロックで安定運用させるために、補助電源コネクタを少し強化している製品が増えてきた(定格や軽いOC程度なら基本の8ピン1系統で十分足りるが)。
-
上位マザーになるほどCPUの周囲にゴツいヒートシンクと多フェーズ電源回路が配置され、補助電源コネクタも8ピン+4ピンや8ピン+8ピン構成になっているものが多い。ただ定格で使う限りは、8ピン×1だけ接続しても問題なく動作する。極限を目指すオーバークロック向けに多重化してあるのだ
変化が著しいのがマザーのバックパネルやフロントパネルに配置されるUSBだ。第2世代Core時代は基本USB 2.0、オンボードのコントローラでUSB 3.0対応が一般的だったが、現行チップセットではUSB 3.0(USB 3.1 Gen1と呼ぶメーカーもある)がチップセットに統合されたためUSB 2.0の出る幕は基板上のヘッダピン程度に縮小されている。
それどころか10GbpsのUSB 3.1 Gen2を備えたマザーもミドルレンジ以上を中心に一般化している。USB Type-Cコネクタを装備しているマザーも多いが、内部的にUSB 3.0仕様のものとUSB 3.1 Gen2仕様のものが混在しているので注意したいところだ。
-
最新のZ390マザーではUSB 3.0ポートの数が4〜6基あり、さらに(上位マザーでは)USB 3.1 Gen2のポート(水色)と、さらにGen2仕様のUSB Type-Cポートを実装する。Z390 TaichiではデュアルLANに加えて無線LANも装備するなど、準ハイエンドモデルならではの充実した装備が堪能できる
-
Z390マザーの中でも上位モデルの場合はPCケースのフロントに引き出すためのUSB 3.0はもちろん、USB 3.1 Gen2まで引き出せる設計のものが存在する。Z390 Taichiの場合2系統(4ポート分)のUSB 3.0に加え、SATAコネクタの右にあるUSB 3.1 Gen2も備える。当然PCケース側にも対応が必要
USB Type-Cコネクタを実装するかしないかは、マザーのランクに依存するが、どうせType-Cポートを持つマザーを選ぶなら、なるべく10GbpsのUSB 3.1 Gen2に対応したものを選びたい。
まだUSB Type-C対応機器は少ないが、USB 3.1 Gen2対応のHDDケースにSATA SSDを詰めるだけで、超高速な外付けSSDの誕生となる。HDDはUSB 3.0で、SSDは3.1 Gen2で接続すれば無理に内蔵する必要もなくなってきたのだ。
USB 3.1 Gen2対応のType-Cポートをいま一番活かせるのは外付けSSDというソリューション。オウルテック「OWL-ESL25U31C-BK」にSATA SSD(MX300 525GB版)を組み込んだ状態。PC本体とはType-Cケーブル1本で接続する
その他の付加価値的装備として、イマドキのマザーに顕著なのが「高品質サウンド」と「RGB LED対応」だろう。オンボードサウンドはかつて“無いよりマシ”程度の装備と考えられてきたが、近年のオンボードサウンドは音質がかなり良い(マザーのグレードにもよるが)。本格的ヘッドフォンアンプを組み込んだ製品もあるので、音楽好きならサウンド周りの設計に注目するとよいだろう。
そしてRGB LEDはかつての“光り物パーツ”ブームのリバイバルだが、いまのブームは、高輝度かつフルカラーLEDでマシンの自己主張をする方向に進化している。
光ったからといって性能が上がるわけではないが、マザーのLEDとケースファンやメモリのLEDを同期させ始めると結構楽しい。食わず嫌いをせず楽しんでいただきたいところだ。