Blue Prismは2月27日、東京でプライベートイベント「RPA・デジタルワークフォース カンファレンス 2019」を開催。このイベントには、英Blue Prism CTO & Co-Founder デイヴ・モス氏が登壇し、同社のRPAのビジョンやロードマップを紹介した。

  • 英Blue Prism CTO & Co-Founder デイヴ・モス氏

同社のRPAに対する戦略は、1月に発表した「Connected-RPA」。そのターゲットは、IT部門ではなく、ビジネスの現場の人たち(ビジネスパーソン)だ。

「RPAはIT部門ではなく、ビジネス部門が主導していくということだ。ビジネス部門は、最前線でお客様の話を聞いて、問題を特定し、何を提供すべきかをわかっているので、ビジネス部門主導でなければならない。デジタル時代において、技術を生み出していくのは重要だ。どの会社でもアイデアを持った人がたくさんいる。その人に技術を提供することができれば、そのアイデアを実現することができる。企業は、そういった人の強みを自分たちの新しい競争に使うことができる。それがBlue Prismのミッションだ」(デイヴ・モス氏)

つまり、「Connected-RPA」は、それほどITに詳しくないビジネスパーソンでも、最先端の技術を利用できるようにするためのプラットフォームを目指すということだ。

一方で、IT部門の人たちが求めるセキュリティやコンプライアンスのための機能も提供していくという。

「それぞれのロボットをITが統制し、ガバナンスを効かせる必要がある」(デイヴ・モス氏)

また、デイヴ・モス氏は、「Connected-RPA」はインテリジェントプラットフォームである必要があるとした。

「Connected-RPAは、AI、機会学習、OCRなどを提供するインテリジェントプラットドームで、最先端のテクノロジーを自由に選択できる必要がある。ただ、これをビジネス部門の人ががわかるように提供しなければならない」

  • 「Connected-RPA」の柱

同氏は「Connected-RPA」の構成要素として、RPAのプラットフォームである「Blue PrismConnected-RPAプラットフォーム」、AI、機械学習、コグニティブといった先進技術をドラッグ&ドロップで容易にアクセスできるようにするアプリストア「Blue Prism Digital Exchange」、知見を共有するための経営者や開発者向けのコミュニティ「Blue Prismコミュニティ」、AI機能の開発を推進する、さまざまなAI分野の科学研究者およびエンジニアから成る「Blue Prism AI研究所」の4つがあるとした。

  • 「Connected-RPA」の構成要素

そして、同氏は「Connected-RPA」が目指すビジョンを次のように語った。

「Blue Prismはこれまでは自動化を提供してきたが、今後、提供できるのはインテリジェントな自動化だ。ソフト、ロボットによって、デジタルワーカーを生み出すことだ。現在は小さなスクリプトを書いて自動化を図っているが、さらに自動化を推進していくためには、もっとシンプルにする必要がある。ナレッジワーカーはその企業のナレッジをもっているが、それを拡張していくためにはそれらをつなぎあわせ、イノベーションを与えることが必要だ。われわれは、スピードを解決するだけでなく、キャパシティを上げたいと思っている。事業部門の人たちをトレーニングすることで、キャパシティをあげることになる。これはデスクトップのスクリプトとは違う。デスクトップのスクリプトは自動車工場の作業員それぞれにロボットを与えることだ。われわれがやりたいのは、製造ラインそのものをつくることだ。それによって拡張性も高くなり、セキュリティも上がる」

また、同氏は近日公開予定の「Blue Prism 6.5」の新機能も紹介。

6.5では、ドキュメント処理では、OCRエンジンを提供し、機会学習と自然言語処理で文字認識と文脈化を改善し、サードパーティのコンポーネントを容易に追加できるようにするほか、ロボットの活動ログを活用できるようにしていく。また、ロボットオペレーションの状況に状態を把握できるHTMLアプリケーションのUIを提供していく。そのほか、ロボットと人間が連携して仕事ができるようにし、BPM(Business Process Management)のような機能を提供していくという。

  • 「Blue Prism 6.5」の新機能