――Xperia Zでは「オムニバランスデザイン」、Xperia Xでは「Unified Design」、Xperia XZでは「ループデザイン」と、それぞれデザインコンセプトがありました。Xperia 1はどういったデザインコンセプトですか。

今回はデザインランゲージの名前は付けません。そういうレベルのデザインではなくて、とにかく21:9のシネマワイドの体験をハードウェアに入れたらこうなりました、21:9の板です、といった感じで、デザインランゲージといった技巧にはこだわらず、そのまま21:9の板です、ということにしました。

  • 21:9のシネマワイドの体験をハードウェアに入れたらこの形になった

Xperiaの原点の色、パープルも投入

――指紋認証センサーが側面に戻ったり、カラーバリエーションにパープルが復活するなど、以前への回帰が感じられますが、そこにはどういう意図があるんでしょうか。

指紋認証センサーについては、21:9のシネマワイドの体験を板にしたら、結果的にこの場所になった、ということです。これ以外の場所ではコンテンツ体験を妨げるということで、結果として側面に搭載しました。

カラーバリエーションのパープルは、いろいろと議論がありました。初心に帰ったと思っていただいてもかまいません。Xperiaの多くのファンに、パープルがXperiaの原点の色であると捉えられている声が多かったのは実際に感じています。

  • 指紋認証センサーは、21:9のシネマワイドの体験を板にしたら、結果的にこの場所になった

  • カラーバリエーションに復活したパープル。Xperiaファンからの復活の声も多かったという

――指紋認証以外の生体認証機能についてはどう考えていますか。

指紋認証センサー以外の生体認証機能については、指紋よりもセキュリティの高い認証技術が必要となるサービスがたくさん出てきたら真剣に考えないといけないと思っていますが、アンロック程度のことであれば指紋認証がベストと考えています。もちろん技術の進化は追いかけていますが、そこはサービスの進化と合わせて考えたいと思います。

――今回、ミドルレンジの製品としてXperia 10シリーズが発表されましたが、日本市場への投入はどう考えていますか。

具体的な部分は言えませんが、ミドルレンジの需要があって、そこにも好きを極めたい人々がいるのもわかっていますので、ミドルレンジの商品を日本に導入することも検討しています。

いずれにしても、ユーザーのターゲットをしっかり決めて、その方々に付加価値のある他ではできないユニークな付加価値を必ず付けるという形で商品を展開したいと思います(※編注 Xperia 1のほうは、日本発売について2019年初夏以降と予告されている)。

  • ミドルレンジモデルのXperia 10(左)とXperia 10 Plus(右)。日本での発売は未定も、もし売るとしたらユーザーターゲットを定め、他ではできないユニークな付加価値を付ける形で商品を展開したいという

――今回Xperia 1で21:9のディスプレイが採用されましたが、他社でも採用が進むと考えていますか。また、ここ数日で折りたたみ型のスマートフォンが話題となっていますが、興味はありますか。

21:9を他社がやってくるかどうかはわかりませんが、今回とにかく歯を食いしばって踏ん張ったのは、とにかく穴を開けない、ノッチを付けない、という部分です。21:9でコンテンツを楽しむと言っている中で、穴を開けたりノッチを付けたりはしないでしょう、ということで踏ん張りました。

折りたたみ型のスマートフォンは、技術としては非常に関心があります。しかし、同じことをやってもしょうがないと思っています。また、あのディスプレイで楽しむコンテンツにどういったものがあるのかと考えても、今のところは我々の得意な分野ではないな、とちょっと思っています。ただ、折りたたむことで大きなものを小さく持ち運ぶというメリットはありますので、その部分の技術については関心を持っています。