スペイン・バルセロナで2月25日に開幕した世界最大級の携帯通信関連イベント「MWC19 Barcelona」、今年も出展するソニーがXperiaの新フラグシップモデル「Xperia 1(エクスペリア ワン)」を発表しました。
シリーズ名を一新したXperia、デザインもよりクールに
これまでのXperiaは「Z」「XZ」などのアルファベットを型番に冠していましたが、今年のモデルはシンプルに数字のみ。フラグシップのXperia 1は、約6.5インチの4K有機ELディスプレイを搭載して、シリーズとしては過去に最も画面占有率の高いフロント側のデザインとしています。日本を含む世界の国・地域で、2019年初夏以降に発売を予定しています。
SoCにはクアルコムの最新モバイル向けプラットフォーム「Qualcomm Snapdragon 855 Mobile Platform」を採用。Xperia 1がすぐに5G通信に対応することはないようですが、ブースの一角には別途、5Gのミリ波帯通信に対応するプロトタイプの参考展示もあります(ブースの詳細は別途お届けします)。
デザインは、昨年(2018年)のMWCで発表した「Xperia XZ2」でユーザーの好みが分かれたアールを付けた背面パネルをやめて、Xperia 1はフラットに戻しています。本体の厚みは約8.2mm、重さは約180gと、片手持ちでも操作は軽快にできそうです。指紋認証センサーも背面から右側面に戻っています。
本体はIP65・IP68相当の防塵防水設計。カラバリはブラック、ホワイト、グレー、パープルの4色。背面はクリアな色合いが楽しめる着色ガラス仕様です。フロントガラスは耐久性の高いCorning Gorilla Glass 6としました。
スマホとして世界初の4K/HDR対応有機ELディスプレイ搭載
Xperia 1が搭載するディスプレイは、スマホ初となる4K/HDR対応の有機ELです(ソニー調べ)。解像度は3,840×1,644画素、アスペクト比は21:9。10bitカラーのきめ細かな階調を実現しています。
画質調整には、ソニーの液晶テレビ「BRAVIA(ブラビア)」の開発チームも参加しています。超解像技術はXperia 1専用の「X1 for mobile」に進化。4K有機ELディスプレイに最適化した画づくりをていねいに行っています。
もともとHDRではない映像素材を再生するときも、HDR相当にエンハンスして表示する「HDRリマスター」はXperia XZ2のころから搭載していますが、Xperia 1のためにチューンアップしてます。ほかにも、映像制作の現場で使われるリファレンスモニターの色設定をスマホの画面上で再現する「クリエイターモード」を搭載。自然な発色とリアルな奥行き感を再現します。
音響面では、内蔵スピーカーだけで立体的なサウンド効果を体験できるドルビーアトモスに対応。Xperiaシリーズとしては初めて対応しました。ハイレゾ再生ができるスマホですが、XZ2、XZ3に続いてアナログイヤホン端子は省略されています。
シリーズ初のトリプルカメラ仕様
カメラにも注目です。本体背面のメイン側は、Xperiaシリーズ初のトリプルレンズカメラに。3つのレンズを並べて配置し、有効画素数は1,200万画素。各レンズの焦点距離は、35mm判換算で26mm/F1.6、52mm/F2.4、16mm/F2.4として、互いを切り替えながら光学2倍ズーム、超広角撮影、ボケ味を加えたポートレート撮影などに対応します。
受光素子をデュアルで搭載して感度を高めたイメージセンサーが、暗い場所でも明るく色鮮やかな写真・動画撮影を可能にします。画像処理エンジンは強化を図った「BIONZ X for mobile」です。
カメラまわりの新機能には、人物撮影のときに瞳を自動検出してフォーカスを合わせる「瞳AF」をスマホとして世界初搭載しました(ソニー調べ)。最大10コマ/秒の高速連写は、動く被写体にもフォーカスと露出を自動で合わせ続けて撮れます。
アスペクト比が21:9の4K/HDR/24fpsの高精細な動画が撮れる「Cinema Pro」機能も注目。こちらは映画製作の現場などでも多く使われている、ソニーの業務用CineAltaカメラ「Venice」の担当部門が開発に参加したというモードです。ナチュラルな画づくりと、ユーザーインタフェースの設計を監修しています。Xperia 1なら、誰でも簡単にプロ並みの動画が撮れるようになるかもしれません。