Samsungのスマートフォンでフラッグシップモデルとなる「Galaxy S」シリーズ、その最新モデルが2月20日(米国時間)に発表されました。Galaxy Sシリーズ10周年に当たる今回、「Galaxy S10」「Galaxy S10+」「Galaxy S10e」という3モデルです(以下それぞれ、S10、S10+、S10e)。米国では2月21日から予約が開始され、発売は3月からとなっています。S10とS10+には完全ワイヤレスイヤホンの「Galaxy Buds」が付属するそうです。
Galaxy S10シリーズは、ディスプレイサイズなどが異なる3モデル構成になりました。S10は、6.1インチクアッドHD+ディスプレイを採用。アスペクト比は19:9、解像度は550ppi、画面占有率は93.1%です。S10+は、6.4インチクアッドHD+、アスペクト比は19:9、解像度は438ppi、画面占有率は93.1%です。S10eは、5.8インチフルHD+ディスプレイ、アスペクト比は19:9、解像度は522ppi、画面占有率は91.6%です。
3モデルとも、ディスプレイはDynamic AMOLEDを採用しています。これは、従来のSuper AMOLEDに続く新たなディスプレイで、世界初というHDR+に対応しました。色再現性も向上し、ブルーライト低減、アウトドアでの視認性の向上といった特徴も備えています。
なお、S10とS10+はディスプレイの側面がカーブしており、S10eはフラットディスプレイという違いもあります。それにともない、背面もS10eのみ、側面までフラットなデザインです。本体カラーは、S10がPrism Green、Prism White、Prism Black、Prism Blueの4色で、S10+はそれにCeramic Black、Ceramic Whiteを追加。S10eはS10と同じ4色にCanary Yellowが追加された5色になっています。
本体前面のほとんどをディスプレイが占めるデザインですが、S10とS10+では新たにインディスプレイの指紋センサーを内蔵しました。画面下部に超音波方式の指紋センサーがあり、画面をタッチすることで指紋を認識してロック解除などが行えます。S10eは、側面の電源ボタンが指紋センサーと一体になっており、3モデルとも背面の指紋センサーが廃止されました。
さらに、インカメラも画面内に収めて、ディスプレイに穴を開けてカメラを配置する「パンチホール」を採用しています。2018年にはすっかり一般的になったノッチに対して、より画面を広く使えるのが特徴です。Samsungでは、これを「Infinity-O Display」と表現しています。
S10とS10eのインカメラは1つで、いずれも10メガピクセルのセンサーを搭載。デュアルピクセルによる位相差AFを備え、レンズのF値はF1.9、画角は80度となっています。S10+は、インカメラながらカメラを2つ備えています。一方はS10およびS10eと同じスペックのもので、もう1つは8メガピクセルカメラ。固定焦点で、レンズのF値はF2.2、画角は90度。通常のカメラに加えて、RGB深度カメラとしても利用できます。
アウトカメラは、S10とS10+の場合、カメラを3つ並べたトリプルカメラとなっています。標準カメラとなるのは画角77度の広角レンズで、絞りを搭載してF1.5とF2.4の切り替えが可能。光学式手ブレ補正(OIS)も内蔵します。12メガピクセルセンサーを搭載し、デュアルピクセルセンサーによる位相差AFも対応します。
望遠側のレンズは、画角45度で光学倍率は2倍。レンズのF値はF2.4でOISも搭載します。センサーは12メガピクセルでコントラストAFに対応。
さらに超広角レンズは、画角が123度でF値はF2.2。16メガピクセルのセンサーを搭載し、固定焦点となっています。このトリプルカメラのスペックは、S10とS10+で共通です。
S10eはデュアルカメラとなっており、標準カメラとなる広角レンズ側は、画角77度、デュアルピクセルAF、12メガピクセルセンサー、F1.5/F2.4の絞り切り替えといった機能です。もう1つは超広角レンズで、画角は123度、F2.2、固定焦点、16メガピクセル。両カメラともにOISに対応します。
動画の手ブレ補正性能も強化しており、「スーパーステディビデオ」として、激しい揺れでもカメラの揺れを抑えた映像が撮影できるとしています。
カメラは、AI性能の強化によってインテリジェントなカメラ機能が強化されたとしています。シーンオプティマイザーによって撮影シーンを認識して最適なカメラ設定を行ってくれますが、認識するシーンは従来の20から30に増加しています。
さらに、数百万枚の画像をディープラーニングによって学習したことで、主要被写体を検出して構図を提案するショットサジェスト機能も搭載しています。
AI機能では、さらにアプリ起動の高速化、アシスタント機能のBixbyルーチン機能、バッテリーの最適化といった機能が提供されます。
充電機能では、3モデルともUSB Type-CによるQuick Charge 2.0/AFCに加え、WPC/PMA互換のワイヤレス充電に対応。Fast Wireless Charging 2.0によって、充電速度は30%高速化したそうです。
さらに、S10シリーズの背面からワイヤレス充電対応機器に給電を行う「ワイヤレスパワーシェア」機能も搭載しています。S10シリーズを有線で充電しながら、同時にほかの機器に対してワイヤレスで電力を供給できるそうです。バッテリー容量は、S10が3,400mAh、S10+が4,100mAh、S10eが3,100mAhとなっています。
ほかにも、ゲーム向けとして「Unityエンジン」に最適化された初めてのスマートフォンであり、より快適にゲームが楽しめるとしています。音声ではDolby Atmosにも対応。
ネットワークは下り最大2GbpsのLTE通信に対応し、次世代Wi-Fi規格の「Wi-Fi6」もサポートしたことで、さらなる高速化を果たしたそうです。
SoCは3モデルとも、7nmプロセスの64bitオクタコアCPUを採用したSnapdragon 855、または8nmプロセスの64bitオクタコアCPUを搭載したExynos 9820。メモリはS10が8GB、S10+が8GBまたは12GB、S10eが6GBまたは8GB。ストレージは、S10が128GB/512GB、S10+が128GB/512GB/1TB、S10eが128GB/256GBで、いずれもmicroSD(最大512GB)が使えます。
本体サイズと重さは、S10が70.4×149.9×7.8mm・157g、S10+が74.1×157.6×7.8mm・175g、S10eが69.9×142.2×7.9mm・150gです。OSはいずれもAndroid 9(Pie)を搭載します。
Samsungでは、同時に次世代通信規格の5G通信に対応した「Galaxy S10 5G」も発表しています。詳細は明らかにされていませんが、6.7インチディスプレイを搭載し、3D深度カメラによってAR向けの撮影が可能になるようです。バッテリーは4,500mAhと大型となる予定です。