パナソニックのフルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラ「LUMIX S1R」(DC-S1R)と「LUMIX S1」(DC-S1)が国内でも正式発表されました。Lマウントを採用した初のカメラであり、パナソニックとして初めてフルサイズセンサーを搭載したミラーレスカメラです。同社の執行役員でアプライアンス社副社長の渕上英巳氏は、「プロの限りない表現力への欲求」に応えるカメラだとして、新しい写真文化の創造を提供する製品としてアピールしています。

  • パナソニック アプラアンス社副社長の渕上英巳氏(左)、イメージングネットワーク事業部長の山根洋介氏(右)

    LUMIX初のフルサイズミラーレス、S1R・S1を発表した、アプラアンス社副社長の渕上英巳氏(左)とイメージングネットワーク事業部長の山根洋介氏(右)

DC-S1R/S1は、すでに海外では発表されていたフルサイズミラーレスカメラの新製品です。S1Rは有効4,730万画素のフルサイズCMOSセンサー、S1は有効2,420万画素のフルサイズCMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンはヴィーナスエンジンをフルサイズ向けにアップデートして搭載したことで、「最高の表現力を実現した」(パナソニックアプライアンス社イメージングネットワーク事業部事業部長・山根洋介氏)としています。

  • パナソニック「LUMIX S1R・S1」発表会

    主なスペック

写真で見る「LUMIX S」

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  • LUMIX DC-S1R

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  • マウント部

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    本体背面

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    3軸チルトは上下に加えて側面にも動きます

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  • ドアを開くような動きをします

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    マイナビニュース・デジタルの林編集長が実写。大きく、重いのですが、風景やスポーツなどの撮影には適したサイズ感、だというのがパナソニックの見解です

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    デュアルスロットを搭載。スロット1がXQDカード、スロット2がUHS-I/UHS-IIおよびスピードクラス3(U3)のSDHC/SDXCメモリーカードです

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    USB Type-CやHDMI、マイク端子などを装備

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    3,050mAhという大容量バッテリー

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  • 縦位置グリップと70-200mm F4レンズを装着したS1

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  • こちらは50mm F1.4

「S1R」と「S1」の違いは?

解像度のS1R、高感度のS1としてすみ分けを図り、さらにS1は動画性能を高めてビデオグラファーもターゲットにしています。動画では、「フルサイズミラーレスカメラでは初めて」(山根氏)という4K/60Pの動画撮影に対応。HDR動画もサポートし、さらにS1では今後のアップデートで4:2:2 10bitやV-Logにも対応します。両モデルともフルHDで180fpsのスローモーション動画に対応するほか、S1Rでは8Kのタイムラプス動画も撮影できます。

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    新開発のフルサイズセンサーとフルサイズにあわせたヴィーナスエンジンを搭載

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  • 動画性能。発売後の優勝アップデートで機能が追加されます

動画のHDRと同様に、HLG(Hybrid Log Gamma)を活用してダイナミックレンジを拡張した静止画を撮影するHLGフォトも、デジタルカメラで初めて搭載しました。HSP形式の画像で記録され、基本的にHDR対応4Kテレビで閲覧することを目的としており、新しい写真表現を実現する、としています。解像度は8Kと4Kで、基本的に4Kテレビの視聴を想定しているから、とのことです。

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  • ダイナミックレンジが3倍になるというHLGフォトも搭載

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    最大1億8,700万画素の画像が生成できるハイレゾモードも搭載

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    手ブレ補正は最大6段分という「Dual I.S.2」に対応。AF速度も高速化しています

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    ディープラーニングを使った人体、動物の認識も備えています

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    人物が激しく動いてもかなり追従します

特にこだわったというのがファインダーです。576万ドットという高精細なOLED(有機EL)を採用し、表示タイムラグ0.005秒、フレームレート120fps、ファインダー倍率0.78倍で、接眼レンズを新開発してすみずみまでひずみやコントラスト低下を抑え、「人間の視覚に近づけた」(山根氏)というほどです。

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    こだわりのファインダー

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    実際のファインダーの表示

レンズは、ライカのLマウントレンズが装着できます。パナソニックは、卓越した描写性能、印象的な立体表現と美しいボケ味、高速・高精度AFとDual I.S.2、動画対応、という4つのポイントにこだわったとする、3本のレンズをまずは投入します。キットレンズでもある「LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.」に加え、新たに「LUMIX S PRO Certified LEICA」シリーズが登場します。

  • パナソニック「LUMIX S1R・S1」発表会
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  • 3本のレンズをまずは用意

  • パナソニック「LUMIX S1R・S1」発表会
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  • レンズの特徴

このレンズは、パナソニックの山形工場が持つ精密なレンズ製造技術によって生み出された大口径非球面レンズを活用しており、独自の厳しい基準を新たに設け、ライカの基準もクリアしているといいます。そのため、最後にCertified by LEICAと付与されています。

もともとパナソニックは、マイクロフォーサーズ向けにライカの基準をクリアしたライカ銘のレンズを製造・販売してきました。マイクロフォーサーズ向けにはライカのレンズがなかったために区別がつきましたが、ライカとアライアンスを組んだLマウントの場合、ライカレンズとの区別がつかないことから、新たにLUMIX S PROというブランドにして区別しています。そのため、ライカ品質のレンズとして期待できそうです。

用意されるのは「50mm F1.4」と「70-200mm F4 O.I.S.」の2本です。さらに、2019年度中には「24-70mm F2.8」、「70-200mm F2.8」、「16-35mm F4」の3レンズと、1.4倍と2倍のテレコンを準備しています。2020年度中には超望遠ズーム、単焦点を2本、マクロレンズを1本、発売する予定。10本以上のレンズラインナップと、ロードマップを描きます。

ライカは2020年度中に18本のレンズ、同じアライアンスのシグマも19年から14本のレンズをラインナップさせる予定で、合計で42本以上となり、レンズも充実するという点もアピールしています。

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    パナソニックのレンズロードマップ

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    ライカ、シグマからもLマウントレンズが登場します

特にプロ向けをアピールするS1R/S1ですが、プロサポートを提供するLUMIX PRO SERVICES(LPS)も充実させます。世界7拠点のLPSのどこでも活用できるほか、2020年の東京五輪でもLPSを展開し、「万全のプロサポート体制を提供」(山根氏)します。さらに、これまで東京・秋葉原にあったLPS拠点を銀座に移転させます。

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    アクセサリーは、サードパーティ製の製品も用意します

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    LPSは海外の拠点でもサービスが受けられるように

この拠点には、新たにLUMIXショウルームとギャラリーを開設。LUMIXの発信拠点として製品展示や写真展などを行うほか、LPSのサポートも提供します。開設は2019年4月下旬を予定しています。

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    銀座にショウルームを新設します

綾瀬はるかさんの写真集×10冊をLUMIX Sで撮る

S1RやS1をプロに使ってもらうためのプロジェクトも実施。「LUMIX CHALLENGE」と銘打ったプロジェクトでは、まず女優の綾瀬はるかさんが今後講談社から刊行する10冊の写真集について、それぞれ撮影するカメラマンの機材としてLUMIX Sシリーズを提供。その過程でプロカメラマンが感じたフィードバックを「正直に」話してもらい、それを公式サイトで公開するとしています。

  • パナソニック「LUMIX S1R・S1」発表会
  • パナソニック「LUMIX S1R・S1」発表会
  • 綾瀬はるかさんが10冊の写真集を刊行。すべてLUMIX Sシリーズで撮影するそうです。第1弾は左内正史氏で、台湾での撮影になるそうです

公式サイトでは、写真集に使わなかったアザーカットや撮影風景などのコンテンツも公開されるそうです。

欲しいのは持ちたくなる“写真機”、持って嬉しい“写真機”

LUMIX Sシリーズの発表会には、ゲストとして写真家の相原正明氏が登場。事前に3カ月ほど撮影に使ったというLUMIX Sシリーズの感想を語りました。相原氏は、デジタル時代になってカメラは「夢のようなスペックになったが、情報デバイスになっている気がする」といいます。しかし、「写真家が欲しいのは所有する喜びがある写真機」であり、S1Rは「久しぶりに写真機だと思った。所有感がスゴかった」そうです。

  • 写真家の相原正明氏

    写真家の相原正明氏

あえて過酷な冬の八甲田山や利尻などのエリアで撮影をしたという相原氏。低温の環境でも問題なく動作し、一定の大きさ・重さがあるため、風雪でもブレずに安定して撮影できる点をメリットとしてあげています。

  • 相原正明氏の作品
  • 相原正明氏の作品
  • 相原正明氏の作品
  • 相原正明氏の作品
  • 相原氏の作品

また、フルサイズセンサーということで色の階調が滑らかで、夜明け直前や夕暮れ前の、いわゆるマジックアワーの撮影で「非常に滑らかな階調が出る」とも。相原氏は、モノクロフィルムのトライXのような階調だという「フォトスタイルL.モノクロームD」設定が気に入ったようで、「最先端の技術を追いながら原点に返ってモノクロのしっかりとした作品作りができる」と強調していました。

色の抜けが良く、撮って出しのJPEGでの納品でも対応できるほどだという点や、ノイズリダクションをオフにしてもISO1600~3200で高精細な画像が撮影できるという高感度性能、夜間のAF性能といった点も紹介する相原氏。

レンズはコーティングがしっかりしていて、フレアやゴーストがかなり抑えられている、と相原氏。特に50mm F1.4は、開放ではボケが急激に始まり何を感じて、何を表現したいかが明確に表現できると話しています。絞ればシャープに写り、「使いこなせば至福のレンズ。極端にいえば、この50mmを使うためにLUMIX Sシリーズを選んでも絶対に損がない」と言い切ります。

シャッターのストロークやスイッチ類のフィーリング、強力な防塵防滴性能、そして「一番素晴らしかった」というファインダーなど、盛りだくさんのメリットを紹介する相原氏は、「スペックではなく作品を目指すカメラ」とアピールしていました。