ということでテスト結果を紹介した。筆者の評価は「Vega 64に比べるとずっと性能も上がり、消費電力もさがり、競争力は増したことは認めるが、RTX 2080に並ぶは言い過ぎ」である。
今回RTX 2080と互角と言えるのはCESの基調講演でも比較されたBattlefield 5、Far Cry 5程度で、あとはF1 2018を入れるかどうか微妙という程度。GeForce RTX 2070と互角というのは差し支えないと思うが、RTX 2080と互角とはちょっと言い難いと思う。
とはいえ、GeForce RTX 2080の国内価格が軽く10万円を超えており(今回試用したZOTAC Gaming GeForce RTX 2080 AMPのAmazonにおける販売価格は114,410円だった)、GeForce RTX 2070が大体7万円前後という事を考えると、AMDがこの製品をいくらで国内投入するかで評価は変わってくる。
RTX 2070/2080に比べて大きなアドバンテージは、16GBメモリを搭載していることだ。解像度が2K/2.5K位なら8GBあれば十分であるが、もし4Kを使おうとすると結構ディテールを落とさないと8GBに収まりきらない場合がある。
それなら解像度を落とせば……という議論もあるのだろうが、バランスを考えた時にRTX 2080の8GBはちょっと不足気味ではあるのは事実だ。
ただ、もしRadeon VIIがRTX 2080と変わらない値段だとすると、ちょっと悩むところではある。現時点ではFinal Fantasy XVの高解像度の結果とか、冒頭で書いたBIOSの問題とか、やや完成度が低い印象がある。この辺りが改善されないままだと、ちょっと値段に見合うとは言い難いように思う。
もっとも実はRadeon VIIの699ドルはかなりのバーゲンプライスである。RTX 2080に搭載されたTU104の巨大なダイ(545平方mm)も凄いが、Radeon VIIに搭載されたVega 7nmのダイ(331平方mm)は、原価はおそらくTU104を上回っている。
そのうえ、まだ出始めで高価と言われるGDDR6よりもさらに高価なHBM2を4 Stackも搭載しているわけで、よくこれを699ドルで出す決意をしたと感心する。
本当かどうかはともかく、BOM+製造コスト(部品原価+実装代)は600ドルを超えているという見積もりもあるほどだ。もし仮にそうなっていたとしても筆者は驚かないだろう。
そのあたりを考えると、699ドルは猛烈にお得という気もしなくはない。とりあえずDriverのUpdate、それとBIOSのUpdate(UEFI未対応のままはまずいと思う。製品版で対応しているといいのだが)の情報を待ちたいところだ。