FutureMark
https://benchmarks.ul.com/pcmark10
ここからは余禄というか、3D以外の性能に関してのチェックである。まずはPCMark 10であるが、Overall(グラフ40)を見ると、なぜかRTX 2080が最もスコアが低く、次がRadeon VII、一番性能が高いのがVega 64という、面白い逆転現象が生じている。
そこでTest Group別に見たのがグラフ41である。GamingだけはRTX 2080が最高速だが、これはまぁ3DMark FireStrikeそのままだから分かるとして、ProductivityとDigital Contents CreationでRTX 2080が妙に性能が低い。
ということで、今度は各Test Group内の結果も見てみた。まずEssentials(グラフ42)だと、なぜRTX 2080がApp Startupで最高速なのかさっぱり分からないが、逆にVideo Conferencingでは一番スコアが低い。そしてRadeon VIIは? というとVega 64と傾向が近いが、微妙に追いついていない。
Productivity(グラフ43)では、Writingもさることながら、SpreadsheetsでRTX 2080のスコアが異様に悪い。Digital Contents Creation(グラフ44)では、純粋にCPU処理(要するにPOV-Ray)なRendering & VisualizationのみRTX 2080が優位だが、あとは全体的に性能が低い。
Radeon VIIも何故だかVideo Editingでちょっと性能の落ち込みが目立つ。Gaming(グラフ45)は先のグラフ4・6・7の再現であって、ここも理解できる。
さて、RTX 2080が妙に落ち込む理由であるが、個々のテスト結果を見たところOpenCLがほぼ全滅に近い結果になっていた。実はこれ、この後のSandraでも再現するのだが、どうもGeForce Driver 417.71ではOpenCLが未サポートになった「らしい」。
「らしい」というのは、417.71のRelease Notesを見ると、
"Support for OpenCL 1.2 Kepler, Maxwell, Pascal, and Volta GPUs are supported."
と明記されており、Turingはサポートから外れたらしい(どうせならきちんと「サポートしない」と書いて欲しかったが)。こんな議論が交わされており、ほかにもこの状況に直面しているユーザーがいる。
まぁそんなわけで、OpenCLを利用できないことがPCMark 10におけるRTX 2080のスコアの著しい劣化に繋がっており(この場合OpenCLはCPUで処理されることになる。実際PCMark 10のResultを見ると、OpenCLの処理がCPUで行われていた)、逆にOpenCLを使わないテストではRTX 2080とVega 64/Radeon VIIの間に大きな違いは見られなかった。
またグラフ10でRadeon VIIのVideo Editingのスコアが妙に低いのも、やはりOpenCLを利用したスコアが悪かった(ただちゃんとハードウェアで処理は行われていた)事に起因する。この辺は後でSandraでもう少しきちんと見てみたい。