2018年12月14日に発売されたOPPOの「AX7」は、税別で30,000円を切るリーズナブルな価格ながら、大画面ディスプレイを搭載したお得感あふれるミドルクラスのSIMフリースマートフォンです。今回は、この格安スマホがどこまでの実力を兼ね備えているのか、検証してみましょう。

OPPO「AX7」本体デザインを動画で見る(26秒)

6.2インチの縦長ディスプレイが特徴

まずは本体の外観です。AX7は、19:9と縦長比率の6.2インチ液晶ディスプレイを搭載。サイズはW75.4×H155.9×D8.1mmと、スマートフォンとしては比較的大型の部類に入ります。

  • OPPO

    AX7の正面。6.2インチの液晶ディスプレイを搭載した大画面が特徴だ

もちろんそのぶんディスプレイサイズが大きいので、映像コンテンツなどは大画面で楽しみやすいですし、重さが168gと6インチクラスのモデルとしては比較的軽いというのもメリットです。ただしディスプレイ解像度がHD画質(720×1,520ピクセル)と、あまり高くない点には注意する必要があるでしょう。

ディスプレイ上部にあるフロントカメラ部分は、同時期に発売されたOPPOのハイエンドモデル「R17 Pro」と同様、水滴型のノッチを採用。88.4%という高い画面占有率だけでなく、ノッチに違和感を抱きにくいデザインの実現にも貢献しています。

  • AX17

    ここ最近OPPO製端末が多く採用している、水滴型ノッチ(画面上部のカメラ部)を取り入れることでディスプレイ占有率を上げ、大画面を有効活用している

高級感あるデザイン、指紋センサーも背面に

カラーバリエーションはゴールドとブルーの2色。今回使用しているのはブルーですが、純粋な青というよりも、やや緑がかった青という印象です。背面には非常に細かな格子状のパターンを用い、光によって輝きが変化するグレーティング(回折格子)パターンを取り入れ、高級感を演出しています。

また背面には2つのカメラと指紋認証センサーを搭載。同じOPPOのUQ mobile向けミドルクラスモデル「R17 Neo」のように、ディスプレイに指紋センサーが内蔵されているわけではないのでインパクトには欠けますが、そのぶんスリープ状態から瞬時にロック解除でき、認証が速いのはメリットです。

  • 指紋センサーとカメラを備えた背面。グレーティングパターンの採用によって高級感を打ち出している。カメラの淵を金色に加工しているのもポイントだ

操作感は問題なし、重いゲームは難しい

続いて性能面をチェックしてみましょう。AX7はクアルコムのチップセット「Snapdragon 450」と、4GBのRAMを搭載しています。Snapdragon 450はミドルクラスのスマートフォンに搭載されることが多いチップセットで、ハイエンドモデルと比べると性能は落ちますが、操作面で特に引っ掛かりやもたつきを感じることはありません。SNSのアプリやWebブラウザを利用したり、動画を視聴したりするぶんには困ることはない印象です。

ただ最近人気の「荒野行動」や「PUBG Mobile」に代表される、3Dグラフィックを多用したゲームは高画質でプレイするのが難しく、画面のカクつきも起きがちな印象です。そうした負荷の高いゲームをプレイする際には、スマートフォンの動作をゲームプレイ用に最適化する「ゲームスペース」を活用するのがいいでしょう。

  • チップセットの性能はあまり高くないので、ゲームを快適にプレイするなら標準搭載の「ゲームスペース」を使うのがよい

4,000mAh超えの大容量バッテリー搭載

またAX7は、標準で64GBのストレージを備えていますが、写真を多く撮影したり、音楽などをたくさん入れていたりすると、やや不足することがあるかもしれません。ですがAX7はmicroSDスロットも用意されており、最大256GBまで容量を追加できます。しかもAX7のmicroSDスロットは2つのSIMスロットとは別に用意されているので、デュアルSIMをフル活用しながら容量を増やせるのは大きなメリットです。

  • AX7のSIMトレイ。ナノSIMが2枚とmicroSDを1枚同時に挿入できるので、デュアルSIMとmicroSDの増設を両立できるのが嬉しい

そしてもう1つ、AX7の性能面での大きな優位性となるのが、バッテリー容量が4,230mAhと非常に大きいことです。これだけのバッテリー容量があれば1日スマートフォンを使っていても電池切れになることはなかなかなく、とても安心感があります。ただ急速充電などは搭載していないので、充電に時間がかかってしまうのが難点ではあります。

  • AX7は大容量バッテリーを搭載するが、急速充電には非対応。底面のUSB端子もmicroUSB Type-Bと古い

一方で、低価格モデルに多いデメリットでもあるのですが、Wi-Fiが802.11 b/g/nのみの対応、要するに5GHzに非対応だというのは残念なところ。

筆者宅のように2.4GHzが混信しているような環境も増えてきており、そうした場所では5GHzに非対応だとWi-Fiを有効活用できないことから、多少料金が高くても5GHzに対応してほしかったところです。