チョコレートの元祖は飲み物だった

甘くておいしいチョコレート。その歴史は以外と古く、3000年以上前から人類に愛用されてきたことが分かっています。

現代は、板チョコやチョコレート菓子などに代表されるように、固体の印象が強いチョコレートですが、その原産地でもある中南米では古代、飲み物として貴族を中心に愛用されていたことが分かっています。

  • カカオポッド

    カカオポッド。1つの実の中に約30~40粒のカカオ豆が入っているそうです

その後、中米に栄えていたアステカ帝国(アステカ王国)を滅ぼしたスペインにより、カカオはヨーロッパへと伝播。砂糖と組み合わせた甘いホットチョコレート(ショコラショー)として17世紀以降、欧州各国で親しまれ、今も人気を博しています。

一方の日本は、というと、約100年ほど前に板チョコレートの国内製造が始まって以降、"食べる"という文化は根付いたものの、飲むという文化はなかなか浸透してきませんでした。そんなチョコレートを飲む、という文化を日本に根付かせたい、という想いで2018年9月に設立されたのがミツバチプロダクツというベンチャーです。パナソニックが創立100周年記念イベントで、パナソニック アプライアンス社とベンチャーキャピタルが共同で設立したスタートアップ支援企業「BeeEdge」の第1号案件として紹介され、注目を集めたことでも知られる同社の代表取締役社長である浦はつみさんに、なぜチョコレートを飲むという文化を広めようと思ったのか、お話を聞いてきました。

チョコレートとココアは違うもの

ちなみに、飲むチョコレートと聞いてココアを思い浮かべた人も居るかと思いますが、厳密に言えば、別物となります。ココアはカカオマス(カカオ豆をすりつぶしたもの)から脂肪分であるカカオバターを取り除いたもので、チョコレートはカカオマスにカカオバターを加えたものとなります。

歴史的に見ると、飲み物のチョコレートの後、19世紀に入って、ココアの製法が生み出され、その後、あまったカカオバターを活用する形で食べるチョコレートが生まれることとなりました。

  • カカオ豆

    カカオ豆。これを粗く砕いたものが「カカオニブ」(最近、スーパーフードとして注目を集めつつあります)。カカオニブを細かくして加工したものが「カカオマス」になります