Wi-Fiにはつながるけれど思ったほどには速度が出ない、その原因がiPhoneにあるのでは、という趣旨のご質問でしょうか? 無線機器(ルータ/Wi-Fiアクセスポイント)の性能と比較してネットワークの速度が明らかに遅いという場合、原因の多くは無線機器側にあるものですが、iPhone側に原因がまったくないわけではありません。

まず考えられるのは、より遅いアクセスポイントに(自動)接続していることです。市販の無線機器の大半は2.4GHz帯と5GHz帯の両方に対応しており、iPhoneの接続先として認識されるアクセスポイントも2.4GHz帯と5GHz帯とで分かれています。一般的に5GHz帯のほうが高速ですから、2.4GHz帯のアクセスポイントに接続しているときはそのぶん不利といえます。

iPhoneのケースが原因かもしれません。ケースにはいろいろな素材/形状があり、Wi-Fiの電波を受信する妨げになっている可能性があります。ケースを外した状態でWi-Fiの速度を測定してみましょう。装着時に速度低下があるのであれば、ケースの交換を検討すべきです。

低速なDNSサーバに接続している可能性も考えられます。DNSサーバは、「203.119.40.1」のような無味乾燥な数字のら列と「mynavi.jp」のように人間が記憶しやすい文字列を相互変換するサービスを提供しますが、一般的にはWi-Fiアクセスポイントに登録されている情報をもとに自動設定されます。ここが通信のボトルネックになっている場合は、Google Public DNS(8.8.8.8/8.8.4.4)に変更すると、通信速度が改善される可能性があります。

もっとも可能性が高いのは、無線機器とiPhoneの間に壁やドアなどの障害物があることです。App Storeには、接続中のアクセスポイントの電波強度をリアルタイムに表示するアプリがいくつか公開されていますから、それを利用して問題地点を探るといいでしょう。

  • Wi-Fiの電波強度を表示するアプリを利用すれば、問題地点を探れます(画面は「Wi-Fiミレル」)