ビーフステーキに挑戦
まずは、厚切りの牛肉でビーフステーキ作りに挑戦しました。筆者はいつも同じお肉をフライパンで焼いているのですが、あまりうまく焼けたことがありません。肉に厚みがあるため中まで熱が通りづらく、かといって火力を強めると表面が焦げてしまうので、火加減がとても難しいのです。セラミックのフライパンによる遠赤効果で、じんわり焼いてみたらどうかと試してみたものの、焼いているうちに染み出る大量の肉汁が焼き固まってしまい、納得のいく仕上がりになったことはありません。
そんなとき、5cmほどある分厚い牛肉を焼き上げるCGH1011DJのデモを目の当たりにして、瞬時に心を奪われました。表面を焦がさず、中はミディアムレアに火が通った見事な焼き加減。しかもかかった時間は5分~6分ほどだったのです。
あらかじめ結論をいうと、CGH1011DJは割と直感的な操作が必要な製品です。付属のレシピブックを読んでも、お肉の焼き方はあまり詳しく書いてありません。3cm以上のお肉だと「先にBBQポジションで側面を焼いてからコンタクトポジションで焼いていきます。少し温度を下げて長めに焼くとジューシーに仕上がります。焼いたあとはお肉を少し休ませましょう」「上からプレスするので、下側に焼き色が濃く付きます。必要に応じて下プレートの温度を下げて調整しましょう」としか書いてありません。初めて使う調理器具、いきなり取り扱いに悩みました。
デモで見た焼き方をなんとなく思い出し、とりあえず焼いてみることに。BBQポジションで230度に熱したプレートでお肉の側面を焼いたあと、コンタクトポジションにして「SEAR」ボタンを押し、両面を加熱。その後、コンタクトポジションのまま温度を上下100度に下げて、6分ほど焼きました。
お肉がちょっと薄かったこともあり、表面は焼き過ぎてしまった印象。とはいえ、今までフライパンで焼いていたのに比べたら、短時間で見事に中まで火が通っていました。お料理好きな人であれば、一度試せばつぎからはだいたいの加減がわかると思います。
かたまり肉はビストロの仕上がりに
つぎに試してみたのは豚ロースかたまり肉のロースト。記者向けの体験会で100gあたり130円のお肉を使ったデモと試食があり、安い食材でもおいしく焼き上げられることを証明していました。しかし、焼いていたのは有名レストランのプロ料理人です。素人が焼いても同じようにおいしく焼けるのか真実を確かめるべく、筆者は100gあたり98円の豚ロースをさらに2割引きで購入し、試してみました。
牛ステーキと同じくBBQポジションで表面を焼き、120度に温度を下げてコンタクトポジションで加熱。デモでは6分間でしたが、豚肉は生焼けNGなので、ときどき中の様子を見つつ少し長めに焼いたあと、アルミホイルに包み予熱でしっかりと火を通しました。
2回目の挑戦ということもあり、結果は大成功。外側はカリっと香ばしく、内側はしっかり肉汁を閉じ込めたままジューシーで柔らかく、ビストロのお味! スーパーの特売品がこんなにおいしく仕上がれば、本体価格(直販価格は税込43,070円)はすぐに元が取れてしまうのではないかと思います。
串焼きパーティーにも重宝!
つぎにお友達を招いて串焼きパーティーを実施。各自で持ち寄ったオリジナルの串焼きを焼いてみました。レシピブックに載っているケバブの焼き方を参考に、コンタクトポジションで様子を見ながら焼いてみました。あまり時間や設定温度は気にせずに調理しましたが、大失敗するようなことはなし。
「もうちょっと焼いたほうがいいんじゃない?」「これはちょっと表面をあぶって仕上げたほうがおいしくなりそうだから、グリルポジションで焼こう」と、直感を頼りに仕上げていきました。家族や友人たちとのそうした会話を楽しみながら調理できるのも、醍醐味ではないでしょうか。
ほかにもお好み焼きやチキンステーキ、関西風のイカ焼きなど、レシピブックにないメニューをいろいろと試してみましたが、どれもおいしく、楽しく調理できました。
パーティー家電としての秀逸さだけでなく、筆者が特に優れていると感じたのは調理時間の早さ。とにかく仕事が早いので、ふだん使いにも重宝します。コンタクトポジションやグリルポジションにすれば、キッチンの調理台にも収まりやすいサイズなので、炊飯器や電気鍋などと並んだ日常の調理器具の1つとしても大いに活用でき、汎用性の高さにも魅力を感じました。
上下のプレートはヒーターを内蔵しているにもかかわらず、取り外して水洗いが可能。プレートは1枚ずつならコンパクトなので、キッチンシンク内でも洗いやすいと思います。ヒーターは露出していないので、お手入れも不要。電気調理器具は、お手入れやあと片付けがめんどうで次第に使われなくなってしまいがちですが、そうした面にも配慮がいき届いています。製品名にたがわず、"マルチ"な家電と感じました。