ということで説明は以上だが、Adrenalin 2019 Editionを入手できたので、簡単にベンチマークテストで性能を評価してみた。実施したのは3DMarkとFar Cry 5である。

テスト環境は表1の通りだが、わざわざRyzen 5 2400Gを使ったのは、内蔵GPUを利用した比較もしてみようと思ったためだ。比較対象はRadeon Software Adrenalin Editionの18.10と18.12、それと19(18.12.2)の3種類である。

APU Ryzen 5 2400G
M/B ASUS TUF B450M-PLUS GAMING
(BIOS 0601)
メモリ Corsair CML16GX4M2A2666C16
(DDR4-2666 CL16 8GB×2)×2
ストレージ Intel SSD 600p 256GB(M.2/PCIe 3.0 x4) (Boot)
WD WD20EARS 2TB(SATA 3.0)(Data)
グラフィックス Radeon RX Vega 64 Reference
Radeon Software Adrenalin Edition 18.10.1 Oct18
Radeon Software Adrenalin Edition 18.12.1.1 Dec05
Radeon Software Adrenalin Edition 18.12.2 Dec06
OS Windows 10 Pro 64bit 日本語版 Version 1803 Build 17134.1

ファイル名からも分かる通り、Adrenalin 18.12は2018年版の最終、Adrenalin 19はまだ殆どAdrenalin 18.12と同じで、新機能が追加されただけ、といった感じだ。これに18.10が加わっているのは、Ryzen 5 2400Gに対応した最新のドライバがAdrenalin 18.10(18.12は未対応:実際に試してみたが、ハードウェアを認識しなかった)のためである。

ただ、後述する結果を見るとわかるが、今回Ryzen 5 2400Gの内蔵GPUの性能評価は掲載していない。これはなぜかというと、Adrenalin 18.10では、インストール自体は可能だが、インストール後10分以内に100%の確率でシステムがシャットダウンしてしまう。

さらにAdrenalin 19では、一見正常に動くが、3DMarkは一度も完走せず。Far Cry 5の場合、1280×720pixelでのベンチマークを3回やったところ1回だけデータが取れたが、2度目はゲームがクラッシュ、3度目はシステムがハングアップした。

こんな感じなので、まだ安定性には難がありそうだ(まぁ正式リリース前の評価版なので、こうしたことは不思議ではない)。そんなわけで結果はVega 64を使った場合のみを示している。

3DMark

グラフ1とグラフ2が3DMarkのOverall Scoreである。想像の通りあまり差が無い。Cloud GateでAdrenalin 18.10のスコアが悪いが、逆に言えば大きな差があるのはそのくらいではある。

ただ、概ね18.10 ≦ 18.12 ≦ 19 の順でわずかながら性能が改善している感じではあるが、TimeSpyとかFireStrikeだと、ドライバの差というよりも性能的な限界なのか、誤差の範囲というレベルだ。

今回の場合、CPUは共通なので、Graphics Testに限ってフレームレートを見てみたのがグラフ3~8である。IceStorm(グラフ3)でみると、多少凸凹はあるが、少なくともAdrenalin 18.10に比べてAdrenalin 19は確かにフレームレートが向上している、と言えるシーンがいくつかある。

CloudGate(グラフ4)やNightRaid(グラフ5)も同じである。先にグラフ1でCloudGateのみやけにAdrenalin 18.10のスコアが低かったが、グラフ4を見ると順当なフレームレートなあたり、Physics Testあたりで何か引っかかったのではないかと思う。

多少あばれるのがSkyDiver(グラフ6)で、最高速がAdrenalin 18.12というちょっと面白い結果ではあるが、差は大きくない。FireStrike(グラフ7)は、大体Adrenalin 18.12とAdrenalin 19が同じで、Adrenalin 18.10には多少差をつけているという程度だろうか。最後のTimeSpy(グラフ8)もまぁ傾向としては似ているが、Adrenalin 18.12の方が若干性能が高いのが面白い。

Far Cry 5

ではゲームベンチでは? ということでFar Cry 5の結果がグラフ 9~11である。なぜかAdrenalin 18.12のみちょっと暴れているが、概ね「言うほどの差はない」という感じである。ちなみに1920×1080pixelにおけるフレームレート変動がPhoto50~52である。

やはり17.xx台と比較するとそれなりに差はあるのかもしれないが、Adrenalin 18.10や18.12と比較すると、性能改善はわずか。もっともドライバのリリース時期を見る限り、Adrenalin 18.12とAdrenalin 19のコアは同じで、あとは追加機能を有効にするか否かという点が異なっているように思える。逆に言えばそれだけ安定度は高いのかもしれないが。

こう書くと、「んじゃRyzen 5 2400Gの内蔵GPUが不安定なのは?」と突っ込みが入りそうだが、そもそもAdrenalin 18.12は内蔵GPUをサポートしていないので、テストが多少甘いのは仕方ないと思う。逆にこのあたりが今後どれだけ改善されるかがポイントだろう。

ということで、ざっくりとではあるが、Radeon Software Adrenalin 2019 Editionを紹介した。AMD Linkがかなり使える、というか積極的に使いたいものになっているのは大きなポイントである。

現時点で言えばRadeonシリーズを選ぶ理由が1つ増えた、としてもいいのではないかと思う。これでもう少し(GPU自身の)消費電力が下がるとか、性能が上がるとかしてくれれば、なお良いのだが。