AMDは12月13日、Radeon GPU向けのドライバの2019年バージョン「Adrenalin 2019 Edition」を発表した。これに先立ち説明会も行われたので、この内容もふまえて、その機能と性能の一端を紹介したい(Photo01)。

  • Photo01:説明はお馴染みTerry Makedon氏(Sr. Director, Ssoftware strategy & user experience)。今回はいつもペア(?)のSasa Marinkovic氏の姿はなし

さて、毎年名前が変わるRadeon Softwareであるが、2019年版はAdrenalin 2019 Editionとなった(Photo02)。まず性能面でのアップデートとして、2017年に発表されたAdrenalin Editionの最初のバージョン(17.12.1)との比較結果がPhoto03だ。

  • Photo02:Crimson→Crimson ReLinve→Adrenalinと来たので、次はどうするのかと思ったが、意外に大人しかった

  • Photo03:これはRadeon RX 570を利用しての結果

またeスポーツタイトルでのパフォーマンスを最適化するProject ReSXについていえば、18.3.1と比較して性能が改善されていることをアピールした(Photo04)が、17.12.1と18.3.1の比較(Photo05)と比べてみても、まぁ順当に性能が上がっているとされる。

  • Photo04:左のグラフ以外はFrame TimeやResponse Timeなので、短いほど高速となる。ちなみにこれはRadeon RX Vega 64での数字

  • Photo05:これはRadeon RX 580の結果。使っているグラフィックスカードが違うので、そのままPhoto04と合わせて比較するわけにいかないのだが、17.12.1→18.3.1→18.12.2で順次性能が改善されているとする

アドバイザー機能など大幅に追加された新機能。

さて、ここからが新機能の説明である。まずはGame Advisor。これはゲームのプレイ中にOverlayの形で、フレームレートなどを測定し(Photo06)、その結果としてサジェスチョンを示する(Photo07)。ほかにRadeon Settingの画面の中でSettings Advisor(Photo08)やUpgarade Advisor(Photo09)なども提供されるようになった(Photo10)。

  • Photo06:デフォルトだとAlt+Rで右の画面が出てくる

  • Photo07:Game Advisorの場合、一定時間のサンプリングを行って、その結果でRecommendationが表示される

  • Photo08:とは言え、(ゲームにもよるが)描画性能が余りまくっているので画質を上げましょう、なんてケースはほとんどないと思われる

  • Photo09:この画面ではいろいろと有益そうな情報を表示してくれそうに見えるのだが……

  • Photo10:Ryzen 5 2400Gの内蔵GPUで利用した場合。「うん、そうだね」としか言いようがない

省電力周りでもWattmanの機能が強化された(Photo11,12)ほか、Radepm Chillも最大で20%以上の省電力化が実現したという(Photo13)。表示関連でいえばFreeSync 2 HDR(Photo14)や、VSRのワイド画面ディスプレイ対応(Photo15)が追加されている。

  • Photo11:ワンクリックで設定可能だが、面白いのはOverclock/Overvoltage以外に"Auto Undervolt GPU"という項目があって、省電力向け設定が可能なことだろうか

  • Photo12:ファン制御やメモリチューニングについても機能が増えた

  • Photo13:当然ながらアプリケーションによって省電力化の効果は異なる。とはいえ、PUBGで(Offの場合と比べて)40%削減とまで言われると、何をどうしたらこんなに減るのか? という気はする

  • Photo14:HDR時のAuto Tone Mappingが追加された

  • Photo15:従来は16:9及び16:10のみが対応していた

先のGame Advisorで出てきたOverlayだが、実際にはDisplay Settings(Photo16)、Wattman(Photo17)、Overlay設定そのもの(Photo18)なども設定可能だ。また、ReLive関連ではIn-Game Replay(Photo19)やScene Editot(Photo20)、GIFのサポート(Photo21)、及び対応するサービスの増強(Photo22)が挙げられている。

  • Photo16:便利といえば便利なのだが、ゲーム中で設定するだろうか? という疑問も

  • Photo17:これも同じく。まぁチューニングの最中にはいいかもしれないが

  • Photo18:このOverlay表示のサイズとか表示項目、透過率などが変更できる

  • Photo19:ワンタッチリプレイ機能。時間とか表示場所は調整可能

  • Photo20:先のIn-Game Replyの設定もここで可能

  • Photo21:これが意外にニーズが多かったそうで

  • Photo22:まだ設定画面にスペースがたっぷりあるあたり、今後もサポートされるサービスが増えると思われる