iPhoneの充電やデータバックアップに利用される「Lightning」は、2012年秋発表のiPhone 5で初採用されて以降、8ピン/横幅6.5mmと細身で端子の表裏を気にせず挿入できるなど画期的な設計が評価され、急速に普及しました。「Made for iPhone(MFi)」ロゴを冠したApple認定のサードパーティー製アクセサリも出回るようになり、世界規模での巨大な市場を形成しています。

LightningはApple製品における戦略的なコネクタ規格に位置づけられ、iPadやiPod TouchなどiPhone以外のポータブル製品にも採用されてきました。かつては30ピン/横幅約20mmの「Dock」が使用されていましたが、Lightning登場以降急速に置き換えられました。

そのLightningですが、次期モデルから「USB Type-C(Appleの表記ではUSB-C)」に置き換えられる可能性があります。2018年10月発表の「iPad Pro」が、接続コネクタとしてLightningに代わりUSB-Cを採用したからです。iPhoneがiPadに倣うとは限らないため、USB-C採用が決定されたわけではありませんが、可能性が高まったことは確かでしょう。

もし次期iPhoneがUSB-Cを採用すれば、Lightningとは物理的な形状が異なるため、ケーブルなどのアクセサリー類は別途用意しなければならなくなります。かつてDockからLightningへ移行したときのように、当面はLightning用アクセサリも併売されるでしょうが、次第にUSB-Cが支配的になると考えられます。USB-CはすでにパソコンやAndroid端末で採用され、多くのアクセサリが販売されていますから、選択肢はむしろ豊富になることでしょう。

2018年11月現在、iPad ProのUSB-Cでどの程度の充電性能/速度を発揮できるのか、Appleの公式発表はありませんが、USB3.1 Gen 2対応で転送速度は最大10Gbpsと、Lightning(USB 2.0/480Mbps)より高速なことは確かなようです。技術革新という点を考慮すると、iPhoneのUSB-Cへの移行は歓迎されるべきなのかもしれません。

  • 次のiPhoneでLightningがなくなるかも?