Fire HD 8は、独自のFire OSで動いているため、GoogleのPlayストアやAppleのApp Storeからアプリをインストールすることはできません。アプリの調達は、プリインストールされている「アプリストア」から行います。
「アプリストア」を開いてみると、やはり多くのユーザーを抱えるiOS / Androidそれぞれのアプリストアに比べるとアイテム数はやや少なめ。残念ながらApple MusicやGmail、Google Mapなど、AppleやGoogle純正のアプリは探しても見つかりません。
汎用性の高いユーティリティ系アプリの中では、Microsoftのメーラー「Outlook」や、PDFを開くときには必須の「Adobe Acrobat Reader」はあります。ファイルをサーバー上で共有する際に便利な「Dropbox」や、筆者はあまり使いませんがメモアプリの「Evernote」も提供されていました。SNSは取りあえずTwitterとFacebookを発見です。
ブラウザはプリインストールされている「Silk」がメインになりそうです。マップやメールなど利用者も相当多いであろうGoogle系のソリューションは、Silkブラウザからアクセスすれば使えます。
Amazonのサービスや機器連携が使いやすい!!
ふだんiPhoneやAndroidスマホと付き合っているまんまの感覚でFire HD 8に接してしまうと、ちょっと使いづらいタブレットと評価を下してしまうかもしれませんが、ここはもう一度原点に立ち返って、本機が「Amazonがつくったタブレット」であることに注目しつつ、Amazon系のサービスや機器連携のアドバンテージを見ていきましょう。
ホーム画面のキーワード検索ボックスの下には、Amazonが提供する各コンテンツへのグローバルメニューが並んでいます。「本」「ビデオ」「ゲーム」「ストア」「アプリ」「ミュージック」と、それぞれを開いていくと、ほかのプラットフォームの中では大抵の場合アプリからアクセスすることになるAmazonプライム・ビデオやAmazon.co.jpのオンラインショップのサービスに素速く飛ぶことができて便利でした。
Amazonプライム会員のメンバーであれば、例えば「ビデオ」を開いて定額制見放題のコンテンツにまっすぐアクセスして視聴できるスムーズな動線が確保されています。純正なだけあって、ほかのタブレットに比べてAmazonのサービスがとても使いやすいです。
写真ストレージサービスは会員なら容量無制限
さらにフォトストレージサービス「プライム・フォト」はAmazonプライム会員なら容量無制限で使えるのがよかったです。
Fire HD 8で撮った写真や、iPhone/Androidスマホのユーザーで、かつAmazonプライム会員ならプライム・フォトアプリを入れてオンラインストレージに撮った写真データを保存。端末を横断しながらクラウドサーバー上でいつでも再生できます。なお容量無制限で使えるのは写真(静止画)データのみで、動画やドキュメントファイルのストレージは無料利用が5GBまでのAmazon Cloud Driveになります。
Fire HD 8は外部メモリーとしてmicroSDカードが併用できるうえ、映画やテレビ番組、Amazon Musicの音楽ファイル、書籍のデータなどはSDカードにダウンロードしてオフライン再生も楽しめるので、本体のストレージ容量は2種類のうち小容量の16GBモデルを選んだ方が出費が抑えられます。
映像配信アプリは「プライム・ビデオ」以外にも多数
映像配信系のアプリはNetflixにDAZN、Hulu、GYAO!が見つかります。筆者としてはdアニメストアがないのが残念でしたが、Amazonプライム・ビデオ一択ではないのがありがたいところ。YouTubeはアプリ化まではされていないが、Silkブラウザからの視聴は可能です。音楽配信系はSpotifyとAWA、ラジオはradiko.jpとTuneInがアプリから利用できます。
と、ここまで本稿を書き進めていたところでAbemaTVのアプリがFire HDタブレットに対応するというニュースが舞い込んできました。これは良いです。スマホやiPadでは敢えて踏み込んでこなかったAbemaTVと改めてお近づきになれた気がします。
EchoシリーズやFire TV Stickを直感的に操作できる
筆者宅ではAmazonのスマートスピーカー「Echoシリーズ」が活躍しているのですが、Alexaアプリをインストールすれば音声では呼び出しにくいTuneInのラジオステーションをFire HD 8のアプリから選局できるので便利です。またFire TV Stickのユーザーはタブレットから利用できるリモコンアプリの方がキーボードを使った文字入力がスムーズにできます。ぜひ試してみてください。Fire HD 8はリビングで活躍するAmazon系デバイスを直感的に操作できる「家族共用リモコン」としても価値があると思いました。