最近、筆者はメタルやガラスボディの最新スマホ・タブレットばかり触っていたように思うので、Fire HD 8の樹脂ベースのシャーシを手に持つとどこか懐かしい感覚が蘇ってきます。
質量は369g。参考までにアップルの7.9インチiPad mini 4はWi-Fi+セルラーモデルが304gです。数字を比べるとFire HD 8の方がやや重いのですが、片手で持ちながら電車の中で30分ほど立って動画を見ていても、苦には感じないほど負担感はありませんでした。
本体は外部からの衝撃に耐えられるよう頑丈につくられているそうです。確かに背面から側面までバスタブ状の樹脂製キャビネットはある程度衝撃に耐えてくれそうですが、フロントパネル側は特別な強化ガラスを使っていないと思います。液晶保護フィルムや純正カバーなどを使って守りたいですね。
動きは少しもっさり。画質は割り切りで
8インチとなると、さすがに片手で支えながらもう一方の手で操作するサイズ感です。タッチパネルの感度自体は悪くないのですが、操作を入力した後の画面描写がなんとなくもっさりとしています。
ディスプレイのスペック的な解像度は前ページの通り(解像度1,280×800ドット、画素密度189ppi)ですが、写真や動画の色合いは彩度が低く、全体に黄色味がかっていることが気になります。
仕様書きによるとパネルには反射防止技術が使われているようですが、屋内外ともに動画を視聴している時、環境光の照り返しが気になりました。光沢パネルなので、暗いシーンの多いドラマや映画を見ていると自分の姿も映り込んでしまいます。
サウンドは価格以上の出来! ドラマやアニメも◎
画質については割り切りながら付き合うことにして、動画を再生してみると意外にも立体的で力強いサウンドに驚いてしまいました。Amazonプライム・ビデオで海外ドラマやアニメ作品を再生してみると、鮮やかなサウンドトラックにぐるっと囲まれて、その中央に伸びやかで聴き心地のよいダイアローグ(台詞)が明快に定位します。
ステレオイメージの左右のバランスも良好。最近音を聴いたモバイル端末の中ではかなり満足のいく出来映えです。Amazonのタブレットは早くからドルビー・ラボラトリーズのモバイル向けサラウンド音響技術を採用していますが、Fire HD 8も最新のドルビーアトモスの信号処理まで対応しているようです。
スピーカーの開口部が本体を縦に構えて左側の位置にあるので、動画コンテンツを視聴する際にはこちらを下に向けるとテーブルからの反射で充実した低音再生と、いっそうリアルな包囲感が得られます。ヘッドホン・イヤホンは有線とBluetoothによる無線再生の両方を楽しめますが、こちらは並みの出来。室内でしっかりと音を出しながらコンテンツを見られる環境が整うなら、本機の場合はスピーカー再生の方がおすすめでしょう。
アプリは揃ってる? インストールはどうすればいい?
プラットフォームがAmazon独自のFire OSなので、購入を決める前段階ではアプリやコンテンツがiOSとAndroidに比べてどうなのか、気になるところではないでしょうか。