Beats by Dr. Dreは、オンイヤー型のワイヤレスヘッドホン「Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン」について、ディズニーとのコラボモデルを追加した。

  • Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン ミッキーマウス90周年アニバーサリーエディション

最初に「Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン」のおさらいをしておこう。同製品は、40時間のバッテリー寿命と、5分の充電で3時間の再生が可能なFast Fuel(急速充電)機能を備えたオンイヤー型のヘッドホン。Class 1 Bluetoothを採用し、iOS/Android搭載デバイスなどとペアリングして利用できる。イヤーカップは回転するクッション付きタイプのもので、フィット感の調整が可能だ。iOSデバイスに対しては、W1チップ搭載により、ワンステップでBluetooth接続が行えるほか、iCloud登録デバイス間でシームレスな切り替えが可能となっている。

今回のコラボモデルは、製品化に至るまで二年を費やしたという。「Solo3 Wireless」が発表されたのは16年のiPhone 7/7 PlusやApple Watch Series 2などが登場したApple スペシャルイベントの時だったから、発表と同じタイミングで、このプロジェクトはスタートしていたことになる。その間、Beatsは「もう、縛られない("Got No Strings")」キャンペーンで名作長編アニメ『ピノキオ』のオリジナルアニメーションとともに、キャッチーな挿入歌「I've Got No Strings」をフィーチャーしたCMを制作しているが、あれは、もしかしたら前振りだったのかもしれない。

マイナビニュースでは、今回発売となる「Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン ミッキーマウス90周年アニバーサリーエディション」と新キャンペーン「全ては○○から始まった」について、Beatsの代表・Luke Wood(ルーク・ウッド)からいろいろと話を伺えた。Lukeは今回のコラボレーションについて、まず、こう語る。

Luke Wood ディズニーと一緒に製品を作り上げるのは長年の夢でした。何故かというと、ディズニーがカルチャーにおいて音楽、それとテクノロジーという二つの面を持っているからなんです。『何もかも全ては一匹のマウスから始まった』というウォルト・ディズニーの有名な言葉があるのですが、Beatsは『全ては音楽から始まった』のです。そのウォルト・ディズニーの言葉をキャンペーンに反映できそうだというのもあって、今回、プロダクトとして上手く融合できたのではないかと思っています。

  • Beatsの代表・Luke Wood(ルーク・ウッド)

なるほど、ディズニーと言えば、史上初のステレオ音声作品『ファンタジア』やアカデミー賞5部門に輝いた『メリー・ポピンズ』などなど、数多くのミュージカル映画を制作している。最近だと『美女と野獣』、主題歌「レット・イット・ゴー」を知らない人はいないであろう大ヒット作、『アナと雪の女王』もディズニー作品だ。Lukeは、ディズニーはアニメーションの制作会社ではあるが、レコードメーカーに近い存在だったのではないかと指摘する。ディズニーの音楽シーンでの影響力は見逃せない(聴き逃せない?)もので、それは今も絶大である。

テクノロジーの導入という点でもLukeの指摘通りディズニーは先端を行く。建物などの立体物に映像を投射する「プロジェクションマッピング」は、半世紀も前にディズニーが発見し、商用施設に取り入れていたのはご存じだろうか? そう、各国のディズニーパークに設置されている「ホーンテッドマンション」である。水晶玉に魔女の頭部が浮かび上がる、あれだ。「ホーンテッドマンション」ではまた、「ディゾルヴィング・ヴューズ」や「ペッパーズ・ゴースト」といった、18世紀末から19世紀にかけて発明され、忘れ去られようとしてた技術を現代に蘇らせている。この辺りのことに興味があれば、『「幽霊屋敷」の文化史(講談社刊 加藤耕一著)』という新書をご一読いただきたい。

ちなみに、Lukeの発言にあったキャンペーンについてはこういう展開が考えられている

Luke Wood 今回のキャンペーンのキャッチコピーは『全ては○○から始まった』です。先ほど申し上げた通り、ウォルト・ディズニーは『全ては一匹のマウスから始まった』と言いましたけど、誰もが皆、それぞれの物語を持っていると我々は考えています、Beatsなら『全ては音楽から始まった』になりますが。ディズニー作品においても、『白雪姫』でも『美女と野獣』でも何かしらの問題から始まってストーリーが展開していきますよね。今回は、キャンペーンに登場していただくインフルエンサーの方、それぞれのキーワードを当てはめて訴求していきます。キャンペーンのクリエーションには、ポラロイドを使った作品で知られる写真家のマリポールを起用しています。アートワークの撮影は彼女の手によるものです。

マドンナやブロンディのデビー・ハリーらを撮ったことで有名なマリポールの起用に色めき立つ人も多かろう。今回のコラボを通してのキャンペーンもそうだが、常に、Beatsは人それぞれに異なる伝えたいメッセージ、人それぞれに異なって存在するストーリーをどうやってエンドユーザーに届けるかを重要な課題としている。コラボする相手もこれまで、ALEXANDER WANGやBalmainといったラグジュアリーブランドや、Barry McGeeのようなアーティスト、LINEなどの企業と様々だったが、いずれもBeatsの持っている思想、哲学と共鳴できる何かを持っているブランド、人物を選んできた。ディズニーの「全ては一匹のマウスから始まった」も、Beatsの、人の物語は十人十色、そして誰もが自分の物語の主役、という発想と共通のイメージがある。また、ディズニーは多くの人に愛されているが、Beatsも多くの人から支持されたいと願っている、だから、特定のジャンルやマーケットにフォーカスした製品は作り出さないのだ。Lukeはディズニーとのコラボについて、こう続ける。

Luke Wood ミッキーマウスが今年、生誕90周年ということで、ディズニーも様々な形でミッキーをフィーチャーしてますが、その中でパートナーとして選ばれたのは光栄だと感じています。過去にもジョン・レノンがミッキーのTシャツを着ていたりだとか、アンディ・ウォーホルが作品のモチーフにしたりといったように、ミッキーマウスがアートの世界に及ぼした影響は大きいという認識でいるので、その一部にBeatsが加わることになったのを喜ばしく思っています。

  • 記された"HERITAGE 1928"の文字

そして、Beatsは創立10周年を迎えたのを忘れてはならない。今年はディズニーにとってもBeatsにとってもアニバーサリー・イヤーなのだ。記念すべき節目の年にマイルストーンとなるプロダクトをリリースするとなれば感慨も一入だろう。

LukeはBeatsについて、ヘッドホンやオーディオデバイスを製造しているが、根底にあるのは音楽、音楽を創っている企業だと強調する。先端のテクノロジーを採用した新しい製品を生み出すだけでなく、それと一緒にどうやって音楽を創っていくか、音楽を伝えるかが肝要なのだ、とも。彼らにとって最大のミッションは、よりクオリティの高い音を、より多くの人に楽しんで頂くことなのである。

具体的な数字は明らかにこそしなかったものの、日本でのBeatsの販売実績はとても好調だとのことだ。今後もキャンペーンなどを通じて、その立ち位置を確固たるものにしていきたいとLukeは意気込む。日本では双子のユニット・AMIAYAが前述のキャンペンーンで起用されている。

「Beats Solo3 Wirelessオンイヤーヘッドフォン ミッキーマウス90周年アニバーサリーエディション」は11月11日に発売予定。カラーはクールグレイの一色で、価格は32,800円(税別)だ。取り扱いはApple Store実店舗、Apple Online Store、Beats正規販売店、ディズニーストアオンライン店、東京ディズニーリゾート店となっている。