NTTドコモは17日、東京都内でスマートフォン端末の2018?2019冬春モデルの発表会を開催した。合計11機種もの発表があったが、スマートフォン全勢だったこれまでのラインナップとは異なる潮流も見え始めた。発表会場で触れた新機種のうち、ここではdocomo with対象の3機種についてインプレッションをお届けしよう。

好調docomo withに3モデル追加

ドコモの2018-19年冬春モデルでは、対象となる機種を購入すると、ずっと毎月1,500円の割引が受けられる「docomo with」の対象機種が3モデル投入された。docomo withはサービス開始以来好調で、今年に入って200万回線近くを上積みして、300万契約に到達している。選択できる端末にiPhone 6sも加わっており、今後も常時10種類程度を選べるようにして、がっちりとアピールしていくようだ。

ハイエンドさながらの高性能「Galaxy Feel2 SC-02L」

  • Galaxy Feel2 SC-02L

ミドルレンジの端末が多いdocomo with対応製品の中ではハイエンドに近い性能となるのが、このGalaxy Feel2だ。海外では「Galaxy A8」として販売されている。

前身となるGalaxy Feelは4.7インチの有機ELパネルだったが、Feel2では5.6インチで18.5:9とワイドな有機ELパネルを採用し、3,000mAhの大容量バッテリーを搭載。カメラも背面・インカメラともに1,600万画素、IPX5/8の防水・IPX6の防塵性能、FeliCa対応、ワンセグ搭載など、スペック面ではかなり頑張っている、ハイエンド志向の端末だ(メモリも4GB載っている)。ただしディスプレイの解像度がHD+(1,480×720ドット)止まりだったりと、コスト削減のために抜くべきところはしっかり抜いた感も強い。

  • カメラは1基で、その下に指紋センサーを載せている。カラーはFrost White、Opal Black、Aurora Pinkの3色

docomo withにはiPhone 6sという非常に強力なライバルがいるが、ワンセグ対応やFeliCa対応などはiPhone 6sにはない魅力でもある。ハイエンド端末ほどではないが性能も高いので、ローコストでそこそこゲームなども遊びたい、という人は検討に値するだろう。

防水・防塵のIGZOスマホ「AQUOS sense2 SH-01L」

  • AQUOS sense2 SH-01L

比較的コンパクトなサイズと防水仕様で人気を集めた「AQUOS sense」の後継モデルがこちらの「AQUOS sense2」。IGZOパネルを採用したディスプレイは5インチフルHDから5.5インチフルHD+(2,160×1080)へと拡大しているが、サイズはほぼ据え置き。引き続き丸洗いも可能な防水・防塵性能(IPX5/8・IPX6)を備えている。FeliCaには対応するものの、ワンセグ・フルセグは搭載していない。

  • カメラ性能も向上。アウトカメラのイメージセンサーを従来機から25%大型化し、F値2.0のレンズを採用した。料理や風景などの撮影シーンを認識し、自動で最適なモードに設定する機能も

ドコモとしては2年前に発売したAQUOS everの後継モデルという位置付けらしく、AQUOS senseも併売されるようだが、SoCがsenseのSnapdragon 430から、この下位のsense2ではGPU周りが強化された450へと変更されており、クロック周波数も400Mhzアップしているので、体感でもそこそも差はありそう。価格で差をつけるとは思うが、これから買うならsense2のほうが絶対にいいだろう。

定番シニア向けスマホが進化「らくらくスマートフォン me F-01L」

  • らくらくスマートフォン me F-01L

シニア層をターゲットの中心とした「らくらくスマートフォン」の最新モデル。前モデル(F-03K)は同じ名前で2月に登場しているが、新モデルではディスプレイが4.5インチから4.7インチにやや拡大したほか、0.6mmだけだが薄型化もしている。サイズ的にはわずかに大きく重くなっているが、ほぼ誤差といっていいだろう。

新機能としては、カメラで写した花、約400種を識別して教えてくれる「花ノート」アプリを搭載。カメラに映した被写体の詳細情報を表示する「Googleレンズ」の花専用版のようなものだが、メインターゲットとなるシニア層にはなかなか便利な機能ではないだろうか。データベースは端末側に置いてあるため、電波の届かない高山などでも利用できるという(高山植物も何点か登録済み)。

  • 「花ノート」の解説。アプリのガイドに沿って撮影すると、被写体と思われる花の候補が提案される。タップすることで、花の情報をインターネットで調べたり、写真とともに花の名前を記録しておくことができる

  • 「花ノート」アプリを使ってみたところ。このときは「ガーベラ」と正しい花の名前が提案された

独自のメニューUIに加え、大きな文字とボタンで構成されているらくらくスマートフォンだが、差別化という意味ではしっかり成功しており、個人的には好感が持てるシリーズだ。F-01Lの発売は来年(2019年)春ということで、前モデルのF-03Kからは混乱なく移行するのかもしれないが、発表から半年近くも待たされるというのも少々残念ではある。ドコモには発表からリリースまでのタイムラグについても、もう少し改善を期待したい。