OPPO Japanは19日、SIMフリースマホのフラッグシップ機「Find X」を発表しました。最大の特徴は、スライド式でカメラを出し入れできる世界初のギミックを搭載したこと。これにより、ついにノッチなしの全画面ディスプレイが実現し、画面占有率は驚異の93.8%にまで達しています。発売時期は11月上旬で、市場想定価格は111,880円(税別)となる見込みです。

  • OPPO「Find X」発表会

    ノッチ(画面上部の切り欠き)のない、全画面スマホ「OPPO Find X」がSIMフリー端末で発売されます。「X」の読み方は「テン」ではなく「エックス」です

実際に、どう動く?

スマートフォンの大型化が世界的なトレンドとなり、Appleをはじめとする各メーカーでは、画面周囲の枠(ベゼル)をどんどん狭めてきました。しかし、どのスマホもディスプレイ上部にインカメラやセンサーを搭載しており、このためノッチと呼ばれる黒い非表示エリアができることは避けられませんでした。

OPPO Find Xでは、スマホ本体にカメラを出し入れできるスライド機構「ステルス 3Dカメラ」を採用することで、このノッチ問題を解決。実際には、どのように動くのでしょうか?まずは動画でご確認ください。

【動画】音声が流れます。ご注意ください。

カメラアプリを起動させると、自動的にカメラ部分がリフトアップ。アプリを終了すると格納される設計です。とても静かに、わずか0.4秒で出し入れできます。漢(おとこ)の胸を熱くさせる、そんな美しいギミックに仕上がっていました。

  • OPPO「Find X」発表会
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    カメラ部分はこんな感じ。背面のメインカメラはAIによるシーン認識に対応しています。前面のサブカメラでは3D顔認識技術が利用できます

ステルス 3Dカメラは、端末のデザインにも変革をもたらしています。背面のメインカメラ(2,000万画素+1,600万画素)、前面のサブカメラ(2,500万画素)ともに、普段はスマホの中に隠れているため、前面も背面も非常にスッキリとした見た目なのです。

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    スッキリとした背中

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    指紋認証センサーは非搭載です。やはり、ディスプレイに表示される情報量も多い印象でした

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    カメラを出した状態で横から見ると、こんな感じ

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    下端にSIMカードスロットを備えています

ここで、改めて端末のスペックを確認していきましょう。ディスプレイは6.4インチの有機ELディスプレイで、解像度はフルHD+(1,080×2,340)。本体サイズは156.7×74.2×9.6mm、重さは約186gです。CPUには、Samsung Galaxy Note9やSony Xperia XZ3などのハイエンド機に採用されている、Qualcomm Snapdragon 845を積んでいます。OSはAndroid 8.1をベースにしたColorOS 5.1です。

  • OPPO「Find X」発表会
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    カメラ部分を、やや斜めから見るとこんな感じ

ストレージ(ROM)は256GBで、メモリ(RAM)は8GBと、これまた大容量です。バッテリー容量は3,400mAhで、OPPO独自のバッテリー充電技術「Super VOOCフラッシュチャージ」によって、35分でフル充電できる仕様。なお、防水やFeliCaには対応していません。外部メモリーも使用できず。カラバリは、ワインレッドとサイレントブルーの2色で展開します。

  • OPPO「Find X」発表会
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    35分でフル充電。1,700mAhのバッテリーを2つ搭載し、2つを同時に充電します

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    カラバリは、ワインレッドとサイレントブルーの2色で展開

耐久性について太鼓判!

OPPO Japan 代表取締役の鄧宇辰(トウ・ウシン)氏は、「Find Xは、Findシリーズの最新モデル。当社の究極の製品コンセプトを表現するものとして、Xという名称を使いました」と力を込めます。

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    OPPO Japan 代表取締役の鄧宇辰(トウ・ウシン)氏

製品の特徴を説明したのは、プロダクトマネージャーの中川裕也氏。やはり多くの時間が割かれたのは、ステルス 3Dカメラについてです。まずは、フロント部に搭載されているカメラや各種センサーが紹介されました。

  • OPPO「Find X」発表会
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    フロント部には、カメラのほか近接センサー、IRフラッシュ、ドットプロジェクターなどが搭載されているようです

「カメラを出し入れしていると、そのうち壊れちゃうんじゃない?」などと不安に感じる方もいるでしょう。OPPOでは30万回以上の動作試験をクリアしており、1日150回使用しても5年間使用できると耐久性について太鼓判を押しています。

「余計にバッテリーを消費するのでは?」といった疑問も浮かびますが、200回の出し入れをしてもバッテリーは1%しか消費しないとのこと。「カメラを出したまま端末を落としちゃったら?」という問いには、落下防止システムが起動してカメラを保護すると回答。

「埃が入ってしまうのでは?」には、16時間の防塵テストを施したことをアピールします。製品化にあたって、OPPOがとても多くのケースを想定して試験してきたことが伺えます。

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    たくさんのユースケースを想定しているようです

OPPOのスマートフォンが得意にしてきたセルフィー機能は、Find Xでも充実。最新のA.I.ビューティー機能では、顔の特徴296か所を立体的にスキャンして、800万通りの美顔データから最適な補正を実行できるようになっています。

  • OPPO「Find X」発表会
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    利用者の3Dモデルを作成、より自然に綺麗に見える効果を適用できます

販売チャンネルは、ビックカメラなどの家電量販店やAmazonなどのオンラインストア、またIIJmio、楽天モバイルなどの通信事業者となっています。

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    販売チャンネルについて

Find X投入の意義について

発表会の終了後、トウ氏は囲み取材に対応しました。

OPPOはこれまで、エントリークラスからハイエンドまで幅広い価格帯のスマホを日本で発表してきました。そんな日本市場の手応えについて聞かれると「独特です。消費者の製品への要求がとても高く、キャリア、MVNO、パートナーの技術に対する要求も高い。弊社でも、これまで模索を続けてきました」とトウ氏。

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    囲み取材に応じるトウ氏

Find Xは10万円を超えるハイエンド機種とあり、販売台数は少なくなることが予想されます。そんな高価格帯のFind Xを投入する意義については「私たちの理念を最も高いところまで追求した製品。OPPOのブランドイメージを日本の消費者に伝えていくことに意味があります」と語ります。

今後、ドコモ、au、ソフトバンクからもOPPOの端末が販売されるようになるのでしょうか。そんなキャリア展開について聞かれると「私たちにできることは、長期的にどれだけ努力をしているか、誠意を持って真面目に取り組んでいるか、を伝えること。多様化する多くのセグメントに対応できることも示していきます。例えば(日本市場で求められている)FeliCaについては、前の機種(編注:OPPO R15 Pro)で対応をアピールできました。

これからも私たちのポテンシャルを示していきたい。製品の採用は最終的にはキャリア様が決めることです。まずは競争力のある製品を提供して、ブランドの認知度を高めていければと思っています」と話していました。