NECパーソナルコンピュータは16日、同社PC「LAVIE」の2018年秋冬モデル全44モデルを発表しました(新製品3機種、継続販売機種含む)。この2018年秋冬モデル以降、「LAVIE」は「PCとは、愛だ。」を新しいブランドスローガンとして訴求していきます。
新スローガン「PCとは、愛だ。」の理由
同日、都内で開催された発表会に登壇した河島良輔執行役員は「PCはスペック訴求がメインになり、ユーザーが本当に必要としていることから離れてきたのではないかという懸念があった」と、語りました。
2018年秋冬モデルの開発にあたっては、「『LAVIE』の存在価値、ルーツから見直そうと。ユーザーが本当に必要なものはなにか、立ち返って考えた」といいます。2017年にリリースした15.6型ノートPC「LAVIE Note NEXT」および、大学生向けの11.6型モバイル「LAVIE Note Mobile」は、利用者のニーズを満たした製品を作り、ユーザーからも高評価だったとのこと。
しかし、河島氏は「PCはまだ、完全に満足してもらえるデバイスではない」と説明。同社のユーザー調査では、PCを使う上で不満に思う部分として、「起動速度が遅い」「使い方がよくわからない」という2つの点が、よく挙げられるといいます。特に、起動速度については、スマートフォンやタブレットを使っているユーザーにとって、PCの起動速度はどうしても満足されないとしました。
同社が「LAVIE」の新しいスローガンとして掲げた「PCとは、愛だ」は、困っていることを解決する信頼できる人、ユーザーの”相棒”になるもの、という想いを込めたとします。今後は家庭向け(Home)、ビジネス向け(Pro)、教育向け(Education)の3つの分野の成長を見込んで、新しいスローガンに沿った製品を、それぞれの市場合わせた形で投入していくとしました。
また、ユーザーから求められている、「起動速度が遅い」「使い方がよくわからない」という2つの不満点を解消するため、「LAVIE」では、起動が速い「パッと起動」、使い方相談サービス「ずっとサポート」の2つを、全モデル共通の要素として提供していく予定です。具体的には、「パッと起動」を実現するため、IntelのHDDキャッシュ・Optaneメモリの採用を進めていくほか、使い方をいつでも、手軽に相談できるサポートを行うとしています。
河島氏は「PCという機械的なものと『愛』とのギャップがあるかもしれないが、ここに違和感を覚えないよう、ユーザーの困っている部分をサポートしていきたい」と語りました。
LAVIE Note NEXTは「家族の愛を大切にするパソコン」
NECパーソナルコンピュータ シニアエバンジェリストの森部浩至氏は、2018年秋冬モデル新製品のうち、15.6型ハイエンドノートPC「LAVIE Note NEXT」と、13.3型軽量モバイルPC「LAVIE Hybrid ZERO」を紹介しました。同社が狙う市場でいうと、「LAVIE Note NEXT」は家庭向け(Home)の製品、「LAVIE Hybrid ZERO」はビジネス向け(Pro)の製品となります。
新しい「LAVIE Note NEXT」は、「家族の愛を大切にするパソコン」がテーマだといいます。特徴は、LAVIE共通の要素となる「パッと起動」、普遍的な「タイムレスデザイン」、子どもや親がPCを安心して利用できる「キッズメニュー」の搭載です。
「パッと起動」では、HDDを高速化するキャッシュメモリ・Optaneメモリを、シリーズのHDD搭載モデル「NX750/LA」に載せ、高速起動と大容量ストレージを両立。また、起動時間は、シリーズのSSD搭載モデル「NX850/LA」で11.6秒、HDD搭載モデル「LAVIE Note NEXT NX750/LA」で17.1秒を実現しています。
デザイン面では、従来のデザインコンセプトを継承しつつ、全体を薄型化しました。新モデル用にさまざまなデザイン案が上がったものの、量販店の店頭に新デザインの見本を持っていき、現行デザインと比べユーザーの反応を見るなどの検討を重ねた結果、従来デザインの評価が高かったことから、大きな変更は加えず、”紙の束”をイメージした従来デザインを踏襲しています。一方で、新たに第8世代Intel Coreを採用したり、YAMAHAサウンドシステムを採用したりする(NX850/LA)など、中身の改善が図られています。
「キッズメニュー」は、子ども向けの学習コンテンツや、フィルタリング・利用時間制限など親向けの管理機能を備えたブラウザメニューです。2018年秋冬の全モデルに提供されるといいます。
キッズメニューでは、プログラミング言語学習環境「Scratch」の学習ガイド「スクラッチガイド」や、YouTube、ヤフーの子供向けコンテンツ「Yahoo!きっず」などへのリンク用意されています。スクラッチガイドでは、NECパーソナルコンピュータがScratchで作成した8種類のサンプルゲームを遊んだり、自分でもScratchでプログラムを組んだりすることが可能。キッズメニュー担当者は「子どもと親が一緒に、PCやプログラムを楽しんで欲しい」と話していました。