日立アプライアンスは9月13日、2018年モデルの掃除機を対象としてプレス向け説明会を開催しました。ちなみに、今回説明があったのは5製品。現在掃除機として最も市場が伸びているコードレススティックが2モデルと、掃除機市場でいまだ4割近いシェアをもつキャニスター式掃除機が2モデル。そして、ここ数年で少しずつシェアを伸ばしてきているロボット掃除機が1モデルです。

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    コードレススティック式やキャニスター式など、掃除機の種類はさまざま。最近はコードレスばかり注目されますが、キャニスター式のシェアは4割と、まだまだ根強い人気があります

床も棚も机の中も。「家ぜんぶ」掃除できるコードレススティック

今回メインで紹介されたのは、9月22日に発売予定のコードレススティック掃除機の最上位モデル「パワーブーストサイクロン PV-BFH900(以下、PV-BFH900)」です。価格はオープンで、推定市場価格は90,000円前後(税別)。こちらは昨年発売されたコードレススティック掃除機「PV-BEH900」の後継機になります。

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    コードレススティック掃除機の最上位モデル「パワーブーストサイクロン PV-BFH900」。カラーはルビーレッド(写真左)とシャンパンゴールド(写真右)の2色

PV-BFH900の特徴は、床掃除はもちろん、それ以外の場所も手軽に掃除できるところでしょう。最大の理由が、パッケージに付属する「スマートホース」という延長ホースの存在。たとえば高い場所を掃除するときにスマートホースの先へブラシをとりつけ、重たい本体を左腕で抱えれば、右手はブラシを動かすためだけに使えます。右手には重さがかからないため、高いところもグイグイ掃除できそうですね。

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    スマートホースの先にミニパワーヘッドをセットして使用している例。ヘッド部分だけを動かして掃除できるので、疲れにくいといいます

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    スマートホースの先に延長パイプとヘッドをつければ、片手で本体、片手でヘッドをもつ「コードレスキャニスター」のような使い方も可能。階段掃除などで真価を発揮しそうです

もちろん他社にも、延長ホースが付属する製品はあるのですが、延長ホースのほとんどはアタッチメントの距離を伸ばすだけに作られた樹脂製の「筒」。一方、PV-BFH900のスマートホースはなんと通電構造になっています。ホースの先にヘッドを装着すると、パワーブラシを回転させたり、ヘッド先のLEDを点灯させたりできるのです。

また、PV-BFH900で便利なのがLEDライト。最近の高価な掃除機は、ソファやベッド下といった家具下のゴミが見えるよう、ヘッドの先にライトを搭載しています。PV-BFH900は、床用ヘッドの先だけではなく、本体とパイプの接続部、そして延長パイプの先の3カ所にLEDを備えています。このため、アタッチメントを替えても棚のすき間や家具の下などを照らすことが可能です。

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    一般的なヘッド先のLEDのほか、本体先端部と延長パイプにもLEDを搭載しました

アタッチメントの取り替えも簡単になりました。従来モデルでは、アタッチメントを外すためのロック解除ボタンがハンドルから離れたところにありました。このため、ボタンを押すために一度ハンドルから手を離し、本体を抱えるようにしてアタッチメントを外す必要がありました。一方、PV-BFH900は手を握るハンドル部にロック解除ボタンがあるため、ハンドルから手を離すことなくアタッチメントを外せます。

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    従来モデルはハンドル部と離れたところにロック解除ボタンがあるので、本体を支えるように持ってボタンを押す必要がありました

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    PV-BFH900は、ロック解除ボタンをハンドルから手を離すず操作できる位置に備わり、片手でホースなどのアタッチメントを外せるようになりました

ちなみにPV-BFH900に付属するアタッチメントには、2WAYすき間ブラシ、ミニパワーヘッド、ハンディブラシ、ほうきブラシ、スマートホースがあります。これらのアタッチメントのなかでも特徴的なのが「ほうきブラシ」。先端の周囲にあるブラシでゴミをかき出しつつ、先端の中央にある6つの細いホースでゴミを吸引するちょっと変わったブラシです。最大の特徴は「細かなゴミだけを吸引する」こと。ゴチャゴチャとした道具箱のなかでも「ゴミだけを掃除」できるといいます。説明会では、クリップなどの小さい文房具が入った仕切りのなかを掃除するデモコーナーも設けられていました。

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    特徴的な形状をした「ほうきブラシ」アタッチメント

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    クリップのように小さなものを吸い込むことなく、白いペレット状のゴミだけを吸引できました

もちろん床もパワフルに

床以外のさまざまな場所を手軽に掃除できるPV-BFH900ですが、もちろん床掃除にも力を発揮します。床掃除に強い理由は2つ。吸引力の強さと独自のヘッド機構です。

説明会では大人が1人乗れる足場を用意し、それをPV-BFH900の吸引力を使って持ち上げるデモンストレーションを実施。なんと65kgの男性も軽々と持ち上げることができました。

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  • 約50kgのマイナビニュース編集部員も吸引力のデモンストレーション体験に挑戦。スイッチを入れると、足場が20cmほど浮いているのがわかります。自分が開発したわけではないのにこのドヤ顔

ヘッドには前後のフラップが同期して開閉する「ダブルシンクロフラップ」を搭載した「パワフル スマートヘッド」を採用。ヘッドを前方に押すと前面のフラップが開き、ヘッドを後ろに引くと後ろ側のフラップが開くという機構です。進行方向のフラップが開くため、大きめのゴミもキャッチできるほか、壁際のゴミもきっちり吸い込めます。

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    ヘッドが前後するのに合わせて、ヘッド前後にある水色のフラップが開閉するダブルシンクロフラップ

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  • 進行方向のフラップが開くので、細かなゴミだけではなく大きめのゴミも吸い込みます。写真は細かい砂と大きめの猫砂の上を一往復したところ。猫砂が2粒残っていますが、なかなか優秀

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  • カーペット上の砂と、透明な壁ギリギリに置いた猫砂を一往復で吸い取るデモンストレーション。一往復で目に見えるゴミはなくなりました

充電方法が増えた

個人的にPV-BFH900で気に入ったのが、多様な充電方法です。じつは従来モデルのPV-BEH900では、本体を充電するために毎回、本体とヘッド部分をばらして充電台にセットする必要がありました。新モデルのPV-BFH900は、スティック状態のまま充電台にセットできます。面白いのが、充電台の高さを短くできること。充電台の高さを短くすれば、従来のように本体とヘッド部分を分けて充電可能。また、PV-BFH900からは、電源プラグを直接本体に差し込んで充電できるようになりました。充電台を室内に置きたくないユーザーには嬉しいポイントですね。

バッテリーを取り外せるのも特徴。PV-BFH900の連続使用時間は標準で約40分、強モードで約8分ですが、別売の予備バッテリーを充電しておけば倍の時間掃除できます。

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    スティック型のまま充電台にセットできるPV-BFH900(写真左)と、延長パイプを外して充電台にセットする必要があった従来モデル(写真右)。PV-BFH900のほうが設置面積がかなり広いので、置き場所の確保は必要。アタッチメントは充電台に収納できなくなりました

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    なんと、充電台のパーツを外すことで、ハンディ型の状態で充電することも可能です

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    充電台を使わずに、直接ACアダプターを本体に挿しこめるようになりました!