ウェアラブルデバイスは、よりカジュアルな「体の情報」を知る手がかりを与えてくれている。簡単に健康に関する情報を取得できるが、同時にそれらは重要な個人情報でもある。となれば、Appleの得意分野だ。セキュリティとプライバシー保護をアピールするAppleが取り組むにはぴったりなテーマだったのである。

  • 「ヘルスケア」アプリ

そんな中、Appleは、より一歩踏み込んだ医療情報の窓口としてiPhoneを活用しようとしている。これまでバラバラになっていた医療機関のアプリや診療データを、iPhoneで一元的に管理可能にするというものだ。

具体的には、iOSに備わる「ヘルスケア」アプリに、安全かつ迅速に自分の医療データを集められるようにする仕組みを、「Fast Healthcare Interoperability Resource」というデータ共有のオープン規格によって実現しようとしているのである。

Appleによると、2017年中に12の医療機関のサポートが始まり、現在75の医療機関をサポートする予定となっている。

リストを見ると、各州の州立大学の医療機関や保険と医療を一体提供する大手ヘルスケアサービスなども含まれており、Apple Watchを用いた心臓病の研究などでパートナーシップを組んでいるカリフォルニア州パロアルトのスタンフォード大学も含まれていた。