キヤノンEOSユーザーにとって憧れの「L」レンズの新作として、白い望遠ズームレンズ「EF70-200mm F4L IS II USM」が登場しました。2006年に発売された「EF70-200mm F4L IS USM」の後継モデルで、手ブレ補正の強化や最短撮影距離の短縮、コーティングの最適化などが図られています。
既存モデルのEF70-200mm F4L IS USMは、数あるEFマウントの望遠ズームの中でも人気の高い製品のひとつ。その理由は、高級志向のLレンズにふさわしい良好な描写と高品位な外装を備えつつ、比較的なリーズナブルな価格と持ち運びに有利な小型軽量を実現していることです。
私自身、EF70-200mm F4L IS USMはかれこれ10年以上も活用していますが、その画質や操作性に対する満足度は高く、仕事用の主力レンズの1本になっています。だからこそ、新しいEF70-200mm F4L IS II USMには興味津々。どんなふうに変わったのか、さっそく比べてみました。
EF70-200mm F4L IS II USMの大きさは、最大径80mm×長さ176mm。既存レンズに比べて最大径と長さはそれぞれ4mmアップ。重量は20g増えて約780g。いずれも数値上は増加していますが、手にしたときのサイズ感や重量感はあまり変わりません。ただ、フィルター径が67mmから72mmに変わった点には要注意。レンズを買い替える場合、各種フィルターも新調する必要があります。
機能面では、レンズに内蔵している手ブレ補正の効果が4段分から5段分へと上がったことがポイントです。シャッター速度を変えながら行ったテスト撮影では、ズームの200mm側を使った場合、シャッター速度1/50秒で約8割、シャッター速度1/25秒で約5割の確率でぶらさずに撮影できました。既存モデルの場合、シャッター速度1/50秒で約5割、シャッター速度1/25秒なら約3割の確率でした。手ブレ補正の効果は確実に向上しているといえます。
手ブレ補正の作動音が小さくなったことも、ありがたい改良です。既存モデルは、手ブレ補正の作動中はジジーという音が鳴り、私にとっては数少ない不満点のひとつでした。屋外撮影では気になりませんが、室内でインタビュー撮影などを行う際は耳障りに感じるため、補正をオフにせざるを得ませんでした。それが新モデルでは、うるさく感じない程度の音に低減されています。