7月19日・20日の2日間にわたって開催された、ソフトバンクのビジネス向けソリューション展示会「SoftBank World 2018」。展示会場ではハード、ソフト、システムサービスなどを、様々な企業が紹介していました。また、ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資した企業も多数出展。その中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

ソフトバンク

ソフトバンクは、街中やオフィスビルをイメージした空間の中で、同社が法人向けに提供する様々なサービス・ソリューションを紹介。店舗向けとして、PepperとRPA・IoT技術が連携し、接客や在庫確認、決済などをサポートする「ロボットストア」のデモンストレーションを実施しました。完全無人化された店舗で決済まで行える「スマートストア」も用意。このほか、次世代通信「5G」とIoTを組み合わせた交通、防災などにおける社会インフラの提案も行っていました。

  • Pepperのカメラにバーコードを読み取らせて、製品のサイズ・色違いごとに在庫を確認。店員が持つ端末と連動して顧客対応を行います

  • こちらは次世代通信「5G」の利用シーンや、IoTを活かした交通、防災など次世代の社会インフラをイメージした提案。各所にソフトバンクのソリューションが見受けられました

日本マイクロソフト

日本マイクロソフトは、7月11日に国内発表した「Surface Go」をいち早く展示。発売日前ということもあり、多くのビジネスパーソンから注目を集めていました。ブース内に設けられたステージではデモが行われ、顔認証によるログオンやスタイラスを使用した手書きノート「eYACHO」の使い方を紹介。デバイスだけでなく、クラウドやワークプレイスを組み合わせることで、働き方改革に貢献することをアピールしました。

  • 10インチの小型軽量ボディながら、キーボードは違和感のないピッチ。持ち歩くには最適なサイズです

  • まだ日本国内に2台しかないという「Surface Go」の実機を使用しての機能デモ。法人向けモデルは52,800円(税別)から、コンシューマー向けモデルは64,800円(税別)から

  • 会場にはメガネ型の複合現実デバイス「Microsoft HoloLens」の展示も。デモンストレーションには声優の有野いくさんが登場しました

日本IBM

日本IBMはテクノロジー・プラットフォーム「Watson」を活用したソリューションを中心に展示。会場では、音声からリアルタイムでテキストを書き起こす「Speech to Text」と、テキストをリアルタイムで翻訳する「Langage Translator」を組み合わせた会議支援ソリューション「AI Minutes for Enterprise」のデモが行われました。多言語によるビデオ会議をPC上で実現できます。

  • 動画(一番左の列)内の発言をリアルタイムでテキスト化(一番右の列)、それを同時に英訳して表示(中央列)する「AI Minutes for Enterprise」

  • Watsonは、言語解析系や画像解析系といったAPIをクラウド上で提供。また、チャットボットや文書検索といった目的別に、短期導入が可能なクイック導入パックも用意しています

日本HP

日本HPが展示していたウェアラブルVRワークステーション「HP Z VR Backpack」。VRマシン本体をハーネスに固定して背負えるようにし、ヘッドマウントディスプレイをVRマシンに接続することで、ケーブルに制限されずにVR空間を移動できます。付属のバッテリーパックで約30分~1時間の使用が可能。車や建築物といった大きなもののデザインや、建築現場における施工のシミュレーション、医療訓練など、プロ向けの用途を想定しているそう。もちろん、VRゲームで制限なく動き回って楽しむこともできますが、それだけのために購入するには値が張ります。価格は56万円(税別)から。

  • 重量はバッテリー含めて約5kg弱ですが、人間工学を考えたハーネス設計で意外と軽く自然な背負い心地

  • お値段は56万円(税別)からです

DiDiモビリティジャパン

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するライドシェア企業DiDi(滴滴出行)が、DiDiモビリティジャパンとして日本に進出。まずはタクシー会社との協業からスタートします。AIによる分析・予測テクノロジーを活用し、ドライバー向けアプリと管理コンソールによって配車を最適化、稼働率の向上を目指します。また、乗客用アプリでは配車依頼だけでなく、アプリ内決済にも対応。様々なタクシー事業者が参加できる、オープンなプラットフォーム構築を目指すとしています。

  • ライドシェア企業として、非常に多くのビジネスパーソンが注目していました

  • 日本国内では2018年内をめどに、大阪・京都で実証実験がはじまります。同時に、規制緩和に向けた働きかけも行っていくとのこと

Mapbox

ソフトバンク・ビジョン・ファンドが出資するMapbox。アプリやシステム開発者向けに、地図やナビゲーションのAPIを提供する企業です。APIを提供するだけでなく、ユーザーが実際に移動した位置やタイムスタンプのフィードバックを受け、AIがルート検索やナビゲーションへリアルタイムに道の状況を反映。SNSアプリ「Snapchat」内の機能「Snap Map」や、天気予報アプリ「The Weather Channel」といったコンシューマー向けアプリのほか、流通業や自動運転、あるいはインフラ整備などにも役立てられています。

  • 位置情報とタイムスタンプから、リアルタイムに通行実績マップを作成。写真は、ある地点からの予想到着時間を等高線のように地図に重ねて表したもの

WeWork

コワーキングスペースを提供するWeWorkもソフトバンク・ビジョン・ファンド出資企業。スタートアップ企業からAmazonやマイクロソフトといった巨大企業まで、多くの企業が利用しており、あらゆる規模のビジネスに対応する「オフィスに必要なもの全部込み」のサービスで注目されています。世界各国で拠点を増やす中、2018年2月にはとうとう日本に上陸。六本木、銀座、新橋など、2018年7月20日現在は都内に5つの拠点があり、間もなく原宿にも新規オープン。さらに横浜・大阪・福岡にも進出予定と、大変な勢いで拡大中です。

  • リビングのように使える共有スペースが設けられ、様々な企業の出会いの場ともなっているWeWork。ネットはもちろん、オフィス用品からコーヒーまで、利用料金にコミコミなのが特徴です