富士フイルムは7月20日、ミラーレス一眼「FUJIFILM X」シリーズ用の交換レンズ2種類を発表した。1つが、35mm判換算で305mm相当となる大口径の望遠レンズ「XF200mmF2 R LM OIS WR」で、もう1つが35mm判換算で12~24mm相当となる大口径の超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」。いずれも、APS-C型センサーを搭載するXシリーズに合わせた設計とし、一眼レフ用の同等クラスのレンズと比べても小型軽量に仕上げた。

これまで、機材の重さなどの点で難しかった撮影が手持ちでできることを訴求し、撮影領域を広げたいと考えるプロカメラマンにXシリーズを選んでもらう狙い。

XF200mmF2 R LM OIS WRの希望小売価格は税別838,500円で、発売日は10月下旬の予定。XF8-16mmF2.8 R LM WRの希望小売価格は税別277,500円で、発売日は11月下旬の予定。

手持ちで操れる大口径望遠レンズ「XF200mmF2 R LM OIS WR」

XF200mmF2 R LM OIS WRは、スポーツや野生動物の撮影などで「より遠くをより明るく撮りたい」「被写体が浮かび上がるように撮りたい」と考える人をターゲットとした単焦点の望遠レンズ。3月に開催されたカメラ展示会「CP+」で参考出品されていたが、今回晴れて正式発表となった。

  • 大口径の望遠レンズ「XF200mmF2 R LM OIS WR」。APS-Cセンサー搭載ミラーレス専用の設計としたことで、このスペックのレンズとしては圧倒的に小さく軽い

他社の一眼レフ用レンズと比べて小型軽量に仕上げ、一脚や三脚を使わず手持ちでも撮影できるようにした。色収差を極限まで抑制する光学設計にし、描写性能も高めた。大きな駆動力が得られるオートフォーカス用のリニアモーターを搭載し、オートフォーカスの速度や精度も向上させた。5段分の補正効果を持つ光学式手ぶれ補正機構も搭載する。

本体の外装は、つや消しのマットシルバーを採用する。炎天下の撮影の際、通常のブラックカラーよりも太陽光を多く反射するため、レンズ内の温度上昇を抑制でき、光学回路への影響が低減できるメリットがある。ブラックカラーは用意しない。

  • 外装はつや消しのマットシルバーとなる。太陽光を反射してレンズ内の温度の上昇を抑えられるメリットがある

  • 通常のブラック塗装と比べると、顕著な効果があるという

撮影範囲は1.8m~∞(撮像素子面から)。レンズの最大径は約122mm、長さは約205.5mm。重さは約2,265g(三脚座含む、レンズフードは含まない)。

レンズには、専用設計の1.4倍テレコンバータ「XF1.4X TC F2 WR」が付属する。XF200mmF2 R LM OIS WRに装着すると280mm(35mm判換算で427mm相当)の超望遠で撮影できる。XF1.4X TC F2 WRの重さは約130g。

  • 付属のレンズフードには、緑色のリングと「FUJINON」のロゴが入る。右手前は、付属の1.4倍テレコンバーターだ

F2.8通しの超広角ズーム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」

XF8-16mmF2.8 R LM WRは、35mm判換算で12~24mm相当の超広角域をカバーするズームレンズ。このクラスでは珍しく、開放F2.8通しの明るいレンズ設計とした。

  • F2.8通しの明るい超広角ズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」

  • 重さは800gちょっとと軽量だ

広角レンズで目立ちやすい収差を抑えるために非球面レンズやスーパーEDレンズ、EDレンズなどの高性能レンズを多く採用。ゴーストやフレアを抑制するナノGIコーティングも施した。リニアモーターを内蔵し、オートフォーカスの速度や精度も高めた。

撮影範囲は25cm~∞(撮像素子面から)。レンズの最大径は約88mm、長さは約121.5mm。重さは約805g。

交換レンズの新しいロードマップを公開

2本の新レンズ発表と合わせ、今後投入する交換レンズの新しいロードマップも公開した。新たに開発発表されたのは、大口径標準単焦点レンズ「XF33mmF1 R WR」、広角単焦点レンズ「XF16mmF2.8 R WR」、標準ズームレンズ「XF16-80mmF4 R OIS WR」の3本。

  • 新しいロードマップ。グレーで示されたレンズが、今回追加された3本だ

XF33mmF1 R WRは、オートフォーカス対応レンズとしては世界でもっとも明るいF1.0の大口径レンズ。35mm判換算の焦点距離は50mm相当。発売は2020年の予定。XF16mmF2.8 R WRは、小型軽量設計の広角レンズ。35mm判換算の焦点距離は24mm相当。発売は2019年の予定。XF16-80mmF4 R OIS WRは35mm判換算で24~122mm相当をカバーするF4通しの標準ズームレンズ。こちらも発売は2019年の予定。

  • XF33mmF1 R WRは、開放F1.0タイプのレンズとしては世界で唯一オートフォーカスに対応するのがポイント