もしいま、そこそこ使えるお金があったら何を買いますか? 「あれがほしい」「これを買おう」……。普段から多くのデジタル製品に触れ、ブツ欲があふれてそうなライター諸氏はどんな製品に興味をそそられるのでしょうか。想定金額は「サイコロの目×10万円」、予算内で夢と妄想を広げてもらいます。今回は元PC雑誌編集者でPCや家電をテリトリーにするライター、諸山泰三さんです!
仕事で使える自宅PCを探す
「宝くじが当たったら何を買う?」のノリで妄想する、正真正銘の夢幻の如しな企画の時間です。「ボーナスが出たら何を買うか?」、はりきってワクワクしましょう。
何はともあれ、まずはサイコロを振って妄想予算を決めます。サイコロを振るに当たっては「ルールその1」があり、「6」が出たらやり直し。つまり、60万円での妄想はナシです。
一見するとよく分からない縛りですが、マイナビニュース・デジタルの林編集長と付き合いの長い私にはちゃんと理由が分かります。
「60万円もボーナス(しかも自由に使える金額)をもらっている読者など存在しないに違いない」と分析したのです。もしいたら、どんどんお金を使って経済貢献をお願いします。支持しますよ。
さあ、私のボーナス(妄想)はいくらかな!
そんなわけで、「6」が無効だったために「1」になってしまいました。私のボーナス(妄想)は10万円です。やあ、バーチャルでよかった。
ここで「2」が出たら、国民年金が一括で払えたのになぁ、なんて庶民っぽく思ったりもしましたが、「ルールその2」として「電気が通るものを買うべし」があります。確かに年金を払いましたで終わっては記事にならないので、納得です。
さて、欲しいものはいろいろあるものの、最近は仕事でも使っている自宅のPCを買い替えたい欲求が高まっており、「10万円以下で仕事に使えそうなPCを探す」ことにしました。さっそく、近所のビックカメラやヤマダ電機を回って最終的に選んだ製品がこれ。
ファーウェイの「MateBook D」(型番:MRCW10H58NABNNUA)。
今年(2018年)5月に発売されたばかりのモデルで、税別87,800円。税込みでは94,824円です。
基本性能に不足なし!
CPUに第8世代Intel Core i5-8250Uを搭載、メモリは8GB、ストレージは1TB HDD、画面は15.6インチで、画面解像度は1,920×1,080ドット。OSはWindows 10 Homeで、Officeは搭載しません。
インタフェースは、USB 3.0 Type-A端子を左サイドに2つ、USB 2.0 Type-A端子を右サイドに1つ備え、HDMI端子とヘッドフォンマイクコンボジャックも備えています。IEEE802.11a/b/g/n/ac(2x2 MIMO)やBluetooth 4.1にも対応。Webカメラは約100万画素。バッテリ駆動時間は約8.5時間。本体サイズはW358×D239×H16.9mm、重量は約1.9kgです。
選んだ経緯を簡単に。
まず、おもな用途は「原稿執筆」「写真の整理」「メールのやりとり」「情報収集」です。もちろん、仕事によっていろいろなアプリを利用する機会もあります。PCなんて予算が許す限り、性能など高ければ高いに越したことはありません。しかし、妄想予算が10万円以内となると、贅沢できないのが悩みどころ。
そこで、重視するポイントをこの3点に絞りました。
- それなりに性能が高い
- 画面は広いほうがいい
- 持ち運べる
実は、取材用に持ち歩くモバイルPCは2017年に買ったものが別にあり、今回選ぶのはあくまで自宅作業用。デスクトップPCも考えましたが、モバイルPCがトラブったときにはサブマシンとして動員できたほうがよいので、ノートPCから探すことにしました。重さが1.9kgなら何とか「モバイル」できないこともないのです。
まずは基本性能。CPUのグレード、メモリとHDDの容量、いずれも価格性能比で考えるとかなりよい水準です。自宅作業用なら画面は広いほうが使いやすく、15.6インチは見やすいサイズ。もう少し解像度が高いほうが好みですが、そこまで求めると10万円には収まりません。
さらにベゼル幅6.9mmの狭額タイプなので、15.6型の大きな画面のわりに本体サイズがコンパクトなのも魅力。厚さも16.9mmに抑えられているため、14型クラスの印象です。机の上を広く使えるのは嬉しいところ。場合によっては、HDMI経由で外部ディスプレイにもつなげられます。
仕事で使うとなると、Officeなしが気になる人もいるでしょう。筆者の場合、複数台のPCで利用可能なOfficeアカウントが残っているので、これはむしろ好都合でした。
そのほか目についたところは、クリアで自然なサラウンドサウンドを実現するというDolby Atomosサウンドシステムに対応していること。ゲームや動画鑑賞で上質な音声が楽しめます。ゲームや動画も仕事です(キリッ)。
また独自機能として、画面が発するブルーライトを減らして目の疲労低減に効果を期待できる「視力保護モード」も備えます。PCの前に毎日数時間~数十時間もいる筆者としては、目の疲労も気をつけたいですからね。
ネックはキーボード?
一方、難点を挙げるとすれば、キーボードの操作性でしょうか。
キーピッチやストロークに不満はないのですが、レイアウトが少々……。Enterキーの右に一列設けられていて、Enterキーが右端なレイアウトに指が慣れてしまっている筆者としては、このレイアウトは慣れるまで誤操作が増えそうでやや心配です。
Enterを打とうとしてPgUpを押したり、BackSpaceのつもりでHomeを押すというタイプミスは、原稿執筆時に入力位置がずれてイラッとしそうな気がします。ちなみに、マイナビニュース・デジタルの林編集長は、ノートPCのキーボードで「Enterキー右側の一列」はまったく気にならないんだとか。Home、End、PgUp、PgDnをよく使うので、独立キーとしてあると、それはそれで使いやすいそうです。キーボードは好みが出ますねー。
実をいうと、製品を絞り込むに当たっては、編集部から示された「ルールその3」が結構響きました。「税込み価格で計算し、量販店のポイント還元は考慮しないこと」と、細かい注文が。税別表示で「これだ!」と思ったものが、税込み価格を計算すると数百円の妄想予算オーバーになるケースが相次ぎました。
量販店のPC売り場のプライスカードは、税別10万円以下で税込み10万円以上になる製品が思いのほか多く、これは筆者にとってちょっとした発見でした。税込み価格で10万円以内に収めるには、税別価格は92,592円以下です。92,593円以上ではオーバーです。勉強になりました。