多種多様な候補から自分好みの端末を選択でき高度なカスタマイズが可能、それがAndroidの魅力であり強みです。しかし、その自由度の反面わかりにくさを指摘されることも少なくありません。このコーナーでは、そんな「Androidのここがわからない」をわかりやすく解説します。今回は、『大規模災害時の通信網は心配ないの?』という質問に答えます。

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2018年6月18日の朝、大阪で震度6の地震が発生しました。いまやスマートフォンはコミュニケーションの手段に留まらず、最新の情報を入手するツールでもありますから、大規模災害時における通信回線の確保はとても重要です。モバイル回線の基地局が停電により使用不能になった、基地局をインターネットにつなぐケーブルが断線したなどの事態があった場合、無線LAN(Wi-Fi)はその代替となりえます。

東日本大震災では自治体などが公衆無線LANを無償開放していましたが、被災地ではSSIDを確認する手段がないなど運用上の問題が指摘されました。それを教訓とし、無線LANの普及促進を担う団体「無線LANビジネス推進連絡会」が中心となり考案されたのが、公衆無線LANの統一アクセスポイント名(SSID)「00000JAPAN(ファイブゼロジャパン)」です。

この00000JAPANは、無線LANビジネス推進連絡会認定の通信事業者が運営するアクセスポイントを大規模災害発生時に無償開放するプロジェクトです。NTTドコモやKDDI(au)、ソフトバンクといった企業が参加しており、必要と判断されたときにはそれらのアクセスポイントに誰でも接続できるようになります。

アクセスポイントに接続する方法は、ふだん無線LANアクセスポイントに接続しているときとほとんど同じです。Android 8.0の場合、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「Wi-Fi」の順に画面を開き、「00000JAPAN」というSSIDを選択すれば準備完了、パスワードの入力は必要ありません。

なお、00000JAPANはオープンネットワークですから、Wi-Fi設定画面で「オープンネットワークの通知」スイッチを有効にしておくと、回線品質が良好な「00000JAPAN」を発見したとき通知してくれます。大規模災害時かどうかにかかわらず、オンにしておくと安心でしょう。

  • ふだんから大規模災害時における通信経路の確保を意識しましょう