エネルギー・オプティマイザーは、 経済産業省資源エネルギー庁が環境共創イニシアチブを通じて公募する「平成30年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」のVPPアグリゲーター事業に5月29日に採択され、リソースアグリゲーターとして登録された。これに伴い、バーチャルパワープラント(以下 VPP)の構築とリソースアグリゲーション事業の実現を目的に、6月6日より実証を開始したことを発表した。

  • 実証イメージ図

    実証イメージ図

VPP技術とは、蓄電池や太陽光発電、ポータブル発電機、照明や空調などのあらゆるリソース(電源)をIoTの活用によって統合し、充放電等を制御してひとつの発電所のように機能させ、電力を有効活用する「仮想発電所」のような仕組みのこと。

同社は、さまざまなリソースを取りまとめるVPP構築にあたり、アグリゲーションコーディネーターからの制御指令に対し、短時間で直接指令の受取や制御を実行することが困難な小規模なリソース(家庭用蓄電池など)に、いかにVPPに参加してもらい活用するかという課題に注目した。VPP普及にあたっては、小規模で多様なリソースを最大限に活用することも重要で、それらをコントロールするためのクラウド型プラットフォームの構築が必要だと考えたという。

同社の親会社であるオプティマイザ―は、AIを搭載した独自のクラウドシステムの開発を完了し、電力需給業務自動化に関する3つの関連特許を取得して、全自動エネルギー需給・調整管理マネージメントサービス 「エネパシリーズ」 として2018年6月に正式リリースした。

同サービスは、高圧・低圧電力の需要予測から、経済最適な電源ミックスの算定、市場電源の自動入札、約定、および太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギーのポジション反映、連携線利用、電力広域的運営推進機関(OCCTO)への通達まで一連の業務を、AIとアルゴリズムで完全自動運用を実現するものだ。

これにより、従来は専門の要員やノウハウなど膨大な人力作業が必要であった電力小売運用業務をバランシンググループのレベルで自動化し、VPPにおいても必要となる「人力を超えた調整オペレーション」の基盤を確立した。

また、実証事業においては、このエネパシリーズの拡張機能として小規模リソースを活用したVPP向け機能を開発し、アグリゲーションコーディネーターからの電力需給調整の制御指令に対して、調整力として短時間で接続した小規模リソースの制御を統合して行う実証に取り組むという。

なお、同社は、家庭用、産業用の蓄電池をはじめ、非常用発電機、EVなど小規模なリソースについても同プラットフォーム上で統合し、大規模発電所と同等に需給調整及び管理を行うVPPの実現と、次世代のクラウド型総合エネルギーマネジメントシステムの社会実装を目指すとしている。