富士フイルムは5月15日、インスタントカメラ「チェキ」の新製品「instax SQUARE SQ6」を発表した。アナログ版のオーソドックスなチェキとしては初めて、縦横比1:1のスクエアタイプのチェキフィルムに対応したのが特徴。本体デザインを重視して年齢や性別を問わず似合うようにしたほか、シャッターを2回押して2つの画像を重ね合わせる二重露光モードなどの新機能を搭載し、「インスタ映え」のニーズを狙う。価格はオープンで、実売価格は税込17,000円前後。発売日は5月25日。

  • 富士フイルムが、スクエアタイプのチェキフィルムに対応したアナログ版チェキ「instax SQUARE SQ6」を発表した。女優の広瀬すずさんがイメージキャラクターを務める

  • instax SQUARE SQ6。これまでのチェキのような子どもっぽさは感じられず、上品なデザインに仕上がっている

  • SQ6のパッケージ。その場で写したチェキを手前に配置して撮影する「フォトインフォト」をあしらっており、インスタグラムなどのSNS需要を狙っていることが強くうかがえる

従来のアナログ版チェキの仕組みを継承

スクエアタイプのフィルムを利用するチェキは、デジタルカメラをベースとした「instax SQUARE SQ10」が2017年5月に先行して登場している。背面液晶を搭載しており、撮影した写真のなかから好きなものだけをプリントできるデジタルならではの利便性が評価されたが、実売価格が税込30,000円前後と高価だった。

instax SQUARE SQ6は、デジタル技術を搭載せず、「撮影したら即プリント」というアナログ版チェキ伝統の構造を採用することで、低価格化と軽量化を図った。

  • 本体は意外と大きい。左にある丸いボタンがシャッターボタンで、レンズの右に自分撮り用のミラーを搭載する

  • 背面はフィルムカセットの装着カバーや各種ボタン類を備える。ファインダーは右端に用意する

デザインは、平面と直線を強調したスクエアなスタイルに仕上げ、子どもっぽい従来のチェキの印象を払拭。カラーバリエーションはパールホワイト、ブラッシュゴールド、グラファイトグレイの3色を用意し、年齢や性別を問わず使えるようにした。

  • パールホワイトのカラーバリエーション

  • ブラッシュゴールドのカラーバリエーション

  • グラファイトグレイのカラーバリエーション

薄暗い室内も明るく撮れる

撮影機能は充実している。多くのシーンで利用するフルオート撮影は、シーンに合わせてシャッター速度やフラッシュの光量を最適に調節する機能を搭載し、薄暗い室内でも被写体と背景の両方を明るく写せるようにした。最短30cmの近距離撮影が可能なマクロモードや、レンズ脇のミラーを利用したセルフィーモードも用意する。ユニークなのが二重露光モードで、シャッターを2回押すことで1枚のフィルムに2つの写真を重ねてプリントできる。

パッケージには、オレンジ、パープル、グリーンのフラッシュ用カラーフィルターが付属し、フラッシュの部分に装着して撮影すると色味を変えられる仕組みも用意した。

  • 3色のフラッシュ用カラーフィルターが付属する

  • フラッシュの部分に取り付ければ、フラッシュ撮影時の色味が変えられる

電源はCR2リチウム電池×2本で、撮影枚数は約300枚。本体サイズはW118.7×H128.1×D58.1mm、重さは約393g(電池、フィルムパック別)。

  • バッテリーはCR2のリチウム電池2本を利用する。CR2は高価なのが欠点だ

  • 底面には三脚穴を備える

  • ホールド性を高めるグリップが参考出展されていた

  • 片手でSQ6を持ちながら撮影できるようになる

イメージング事業部長を務める富士フイルムの岩崎哲也氏は、「名刺サイズのチェキはギフトなどコミュニケーションの目的に使われることが多かったが、スクエアタイプのチェキは自己表現の手段として使う人が増えている」とトレンドの違いを解説する。インスタグラムのブームを背景に、1:1のスクエア写真の魅力やデジタルにはないアナログの味を訴求してユーザー層の拡大を狙う。

  • 富士フイルムのイメージング事業は好調に推移している

  • チェキの販売台数も毎年右肩上がりに伸びており、2018年度は全世界で900万台の販売を見込む