既報のように、インターステラテクノロジズ(IST)は4月28日、予定していた観測ロケット「MOMO2号機」の打ち上げを取りやめ、翌日(29日)へと延期した。ISTは当初、28日の11:00~12:30の打ち上げを目指し、早朝から準備を進めていたが、同日8時過ぎに延期を発表。MOMO2号機の打ち上げは、早くて29日5:00~8:00となる。

  • ISTの広報担当・八谷和彦氏(メディアアーティスト)

    打ち上げの延期を説明するISTの広報担当・八谷和彦氏(本業はメディアアーティスト)

この日、現地の天候は晴れ。心配された霧も無く、視界は良好だった。風がやや強いのが気がかりだったが、今回、延期の原因となったのは天候ではなく、機体側の問題だ。

  • 「SKY HILLS」

    有料の見学会場「SKY HILLS」。ここからは射点を直接見ることができる

  • 「SKY HILLS」

    8時前に撮影した射点。打ち上げ3時間前だが、まだ機体が出ていなかった

9時過ぎから、延期に関する記者会見が開催。同社の稲川貴大・代表取締役社長によれば、機体に大きなトラブルがあったわけではなく、チェックリストの項目の1つ1つの確認に時間がかかったのだという。ギリギリまで粘ったものの、昼のウィンドウの1時間半に間に合わないということで、格納庫から機体を出す前に、延期を決めた。

この日は夕方のウィンドウ(16:00~17:30)もあったが、これから風が強くなる予報が出ており、打ち上げ条件を満たさないと判断し、この段階で翌日への延期が決まった。

  • IST代表取締役社長の稲川貴大氏(右)と、同社創業者の堀江貴文氏(左)

    IST代表取締役社長の稲川貴大氏(右)と、同社創業者の堀江貴文氏(左)

打ち上げ予定の29日の予報も晴れ(28日16時時点)。風は朝には弱くなると予想されており、天候に問題はない見通しだ。ウィンドウは、朝(5:00~8:00)、昼(11:00~12:30)、夕方(16:00~17:30)の3つあり、順次打ち上げを試みる。

なお、打ち上げ作業の当日判断は、以下の各段階で実施される。今日は第5次GO/NOGO判断の前に中止が決まったため、燃料の充填は行われていない。一度燃料を充填したあとに延期になると、燃料を一旦抜き取る必要があり、作業的には手間がかかる。その前だったのはまだ幸いと言える。

  • 第3次GO/NOGO判断(打ち上げ10時間前) 作業開始時判断
  • 第4次GO/NOGO判断(打ち上げ6時間前) ランチャー移動、監視船出航前
  • 第5次GO/NOGO判断(打ち上げ3時間前) 燃料(エタノール)充填前
  • 第6次GO/NOGO判断(打ち上げ1.5時間前) 酸化剤(液体酸素)充填前
  • 第7次GO/NOGO判断(打ち上げ直前) 推進剤充填完了、シーケンス開始前

格納庫での最終チェックは数日前に実施したリハーサルでも行っていたが、今回時間がかかってしまったのは、「本番ということで、より丁寧に仕事をしたということだろう」と稲川社長。延期は残念だったが、技術的な問題があったわけではないそうなので、仕切り直しての翌日の打ち上げに期待しよう。

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    早々に延期が決まると、出店のスタッフさんも大変。発表時、SKY HILLSはまだ開場前だったのだが、ブースでは…

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