そんなこんなで、α9は発売当初よりもコンティニュアスAFの動作が確実に良くなっているということで、ここにきてやっと私はマジでα9が欲しくなってきちまいました。でも一方で、「どうせ買うならα7R IIIの方がいいかなぁ」という気持ちも払拭できないでいた。なんてったって、万能性は明らかにα7R IIIの方が上。操作系も、個人的には「α9以外のインターフェース」の方がαにはお似合いだと思っている。「サイレントで動体を撮る」ことを重視しないのであれば、買うべきはα7R IIIとの判断にも相応の説得力があるというワケだ。
で、実際についこの間、購入に踏み切ったのはα7 IIIだった(あれ?)。我ながら、この怒濤の展開には人生の機微に触れた気がしたっつぅかナンつぅか(笑)。フルサイズミラーレスであることを前提に、画素数、最高秒間コマ速、そして実売価格の3要素において飛び抜けたバランスの良さを有しているところにクラクラッと目眩がして、気がついたらポチッてたんだよなぁ。まるで、お、俺が悪いんじゃねぇ~とでもいいたげな書き方をしてますが。
フルサイズαに対して揺れ続ける思いをピタッと止めたのが、ベーシックモデルを標榜するα7 IIIだったというのがジツに美しい。私もそんな、派手さはないけどジワリと人の心を掴んで離さない「ベーシックなインフルエンサー」になってみたいものです。いや、マジで。
著者:落合憲弘
「○○のテーマで原稿の依頼が来たんだよねぇ~」「今度○○社にインタビューにいくからさ……」「やっぱり自分で所有して使ってみないとダメっしょ!」などなどなど、新たなカメラやレンズを購入するための自分に対するイイワケを並べ続けて幾星霜。ふと、自分に騙されやすくなっている自分に気づくが、それも一興とばかりに今日も騙されたフリを続ける牡牛座のB型。2018年カメラグランプリ外部選考委員。